kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2011年10月26日

トルコの地震と「アルメニアの原発」をめぐるメモ

日曜日、トルコの東部で大きな地震が発生した。自然災害の報道でよくあることだが、報道記事が頻繁にアップデートされ、またアップデートされるたびに発表される死者数がどんどん増え……と、特に誰か知り合いがいるなどの事情でなくても、非常に心配な状況だった。個人的にはTwitterでも特にトルコにはアンテナは張っていないのだが(英米の大手メディアと、在英のクルド人ジャーナリスをフォローしているだけだ)、何度か、規模の大きな余震が起きているとのツイートも見た。

しかしトルコには稼動している原発はないので(詳細最後に書き添える)、今回の地震でも「原発」関連の話が聞こえてくるとは、正直思っていなかった――というか、地震の発生した場所が場所だけに、イランやイラクへの意識は向いても、北の方には向かなかった。ヴァンの街は1915年にアルメニア人の蜂起とそれに対するオスマン・トルコ軍の大弾圧(虐殺)が起きていた、ということを言葉では書いていても、具体的イメージとしてヴァンからアララト山、アルメニア(国家)というのがなかったのだ。あまりFox Newsのことを笑えないのである。

さて、今回の地震で「原発」関連の話が聞こえてきたのは、25日夕方のことだった。私のタイムラインにいきなり日本語で「海外」のニュースが入ってくることは稀で、しかもこんな深刻な話題……オフラインの間に英語圏各メディアやロイターなどが既に報じていたのかと思いつつ、短縮URLをクリックすると……。



いやぁ、IRIB (Islamic Republic of Iran Broadcasting) か……。個人的に、「その報道機関しか報じていない国際ニュース」は無視するということにしているメディアのひとつだ。他の報道機関(英語圏に限らず、ロシアのメディアでもアラブのメディアでも、英語版があればどのメディアでも)で同じ話題が取り上げられていない限りは、ここはちょっと……、というのは以前そういう経験があったからだ。今はその点、深入りして説明している余裕がないので先に行くけど。

そんなこんなで「IRIB以外のソース待ち」にしてスルーしていたのだが、どうやら、このIRIBが「日本語として唯一の記事」になっていたようで、2ちゃんねるなどでも話題になっていたらしい。(私は見ていないが。)

うーん。

と思うだけで、私は何もしなかったのだが、@zu2さんのサイトで(「集合知」と「キュレーション」のかなり理想的な形を見せながら)まとめられていたのを拝読した。

ず's - アルメニアのメツァモール原発
http://wiliki.zukeran.org/index.cgi?...

→このページに対するはてなブックマーク

随時アップデートされているが、現時点では書き出しはこうなっている。



以下、あまり丁寧に見ていられないのだけれども、簡単に、英語圏での検索結果から。

25日、アルメニアの英語メディア:

October 25, 2011 | 17:21

【要旨】トルコとアゼルバイジャンが、アルメニアの原発 (Armenian Nuclear Power Plant: NPP) への地震の影響について、憶測を飛ばしている、と火曜日、アルメニア国会でエネルギー大臣Armen Movsisyanが述べた。大臣は、NPPの耐震強度は少なくとも9ポイント【訳注:この「ポイント」というのが何なのかは私は確認していません。後続部分から読み取ると「震度」的なものかもしれない】あり、一方で現地での地震の強さは3ポイントだったと述べた。

トルコの記録によると、23日の地震はマグニチュード7.2、つまり9ないし10ポイントだった。アルメニアでは3から5ポイントだった。一方でIAEAの専門家らは、原発のexploitationは安全である(=危険にさらされてはいない)と断言している。


それから、26日のアゼルバイジャンのメディア:


アゼルバイジャンのIAEAの人の発言。オブラートに包んだ感じなのでちょっとよくわからんのですが、あんまり安心していられる感じではない、ということだと思う。(かといって、差し迫った何かがあるというわけでもない。)

この原発、老朽化していることと、地震多発地帯にあることとで「世界で最も危険な原発」としてたびたび問題視されていたとのこと。建設されたのはアルメニアがソ連の一部だった時代で、今もなお、ロシアのRosatomが、ここに新たな炉を建設することを「最優先プロジェクト」と位置付けているそうだ。

Construction of new reactor for Armenian NPP remains Rosatom priority
http://www.arka.am/eng/energy/2011/10/26/28681.html
YEREVAN, October 26. / ARKA /. Nikolay Spassky, a deputy chief executive director of Russian state nuclear agency Rosatom, said today in Yerevan that construction of a new reactor for Armenian nuclear power plant is one of priority international projects of Rosatom.

Mr. Spassky was quoted by Novosti-Armenia news agency as saying that he was involved in the preparation of an intergovernmental agreement on the construction of a new reactor for the Armenian NPP, which was signed last year during Russian president Dmitry Medvedev's visit to Armenia. ...


こういう話のあるところには、もちろん……ざます!

France, Armenia study nuclear power cooperation
Fri Oct 7, 2011 7:37am EDT
http://www.reuters.com/article/2011/10/07/france-armenia-nuclear-idUSL5E7L714S20111007

「世界で最も危険な原発」云々、例えばナショナル・ジオグラフィック(スポンサーがShellってのがなんかね……だけど):


Seven years ago, the European Union's envoy was quoted as calling the facility "a danger to the entire region," but Armenia later turned down the EU's offer of a 200 million euro ($289 million) loan to finance Metsamor's shutdown. The United States government, which has called the plant "aging and dangerous," underwrote a study that urged construction of a new one.

Plans to replace Metsamor after 2016−with a new nuclear plant at the same location−are under way. But until then, Armenia has little choice but to keep Metsamor's turbines turning. As Armenians learned in the bone-chilling cold and dark days when the plant was closed down for several years, Metsamor provides more than 40 percent of power for a nation that is isolated from its neighbors and closed off from other sources of energy.

"People compare the potential risk with the potential shortage of electricity that might arise if the plant were closed," says Ara Tadevosyan, director of Mediamax, a major Armenian news agency. "Having had this negative experience, people prefer to live with it, and believe that it will not be damaged in an earthquake."

【要旨】7年前、EU特使が同原発について「地域全体に危険を及ぼすもの」と発言、EUは同原発のシャットダウンのために200mユーロの借款を申し出たがアルメニアはこれを拒絶した。米国政府は同原発について「老朽化し、危険」と述べたが、新しい炉を建設するよう主張した研究を支持している。

2016年以降、同原発を建て替える計画が進んでいるが、それまではアルメニアには同原発のタービンを回し続ける以外の選択肢はほとんどない。同原発はかつて、数年にわたって閉鎖されていたことがあるが、そのときの骨まで凍るほど寒く暗い日々で人々が思い知らされたとおり、同原発は周囲から切り離されほかのエネルギー源が入手できないこの国の電力の4割以上をまかなってきた。

「人々は、原発が閉鎖された場合に生じる可能性のある電力不足と、(地震などによる)危険性とを天秤にかけている」と、アルメニアの大手通信社のディレクターは述べる。「このマイナスの経験があるので、人々は原発(の危険性)とともに生きるほうがよいと考えている。また原発が地震で損傷することがあるとは考えていない。」

※このナショジオの記事は今年の4月11日付け。文中に「福島第一原発の事故」への言及はあります。

それから、Open Society Instituteが運営しているらしい(ページ左下参照)Eurasia.netの3月の記事:

Fukushima Sparks Concerns about Armenia's Nuclear Plant
March 16, 2011 - 2:32pm, by Giorgi Lomsadze
http://www.eurasianet.org/node/63086
The ripple effect of the Japan earthquake was registered as far away as in Armenia and Georgia. Mini-quakes and a mud volcano eruption that recently took place in Azerbaijan were unrelated to Japan's earthquake, however, local seismic activity watchers said.

Armenia's nuclear officials have been quick to assure concerned citizens that Fukushima will not repeat itself in Metsamor. "Such a situation is impossible here, even in theory," said Ashot Martirosian, head of Armenia's State Committee on Nuclear Safety. Claiming that the plant can withstand an earthquake as powerful as Gyumri's 6.9-magnitude 1988 quake, he argued that Metsamor's cooling system is safer than the one in Fukushima.

Former Metsamor Director Suren Azatian, however, said that Metsamor does not have the nuclear leak prevention shield that coats Fukushima reactors.


……ううむ。これは、英語圏からは「本質」に迫るのは無理っぽい気がします。英語圏の中でも、例えばセラフィールド(英)について「ほんとうのところ」がメディアに語られることは、まずない。けれども、ここで「メツァモール原発の元所長 Former Metsamor Director」が発言しているということは、(その発言内容以前に、発言していること自体が)注目しておいていいのかもしれない。つまり、ほんとに何かやばいことが生じたら、必ずどこかから話が出てくるのではないかと……IRIB以外のアウトレットから。

なお、「ず's」さんのところでも言及されている「賃上げ闘争」の件は下記。これは今回の地震とは無関係。

Armenian Nuclear Plant Workers Demand Better Pay
September 25, 2011
http://www.rferl.org/content/armenian_nuclear_plant_workers_demand_better_pay/24339319.html
YEREVAN -- More than 140 workers at Armenia's nuclear power station at Metsamor have threatened to quit their jobs if their wages are not raised, RFE/RL's Armenian Service reports.

Metsamor Director Ashot Markosian told RFE/RL on September 23 that each worker has sent him a letter with such a threat.


Armenian Nuclear Plant Workers Set To Quit En Masse
http://www.rferl.org/content/armenian_nuclear_plant_workers_set_to_quit_en_masse/24366267.html
October 20, 2011
YEREVAN -- More than 160 employees of the Armenian nuclear power station at Metsamor look set to quit their jobs on October 21 after failing to secure significant pay rises from the plant's administration, RFE/RL's Armenian Service reports.

Many of them claimed on October 20 to be spending their last day at work at the Soviet-era facility, which produces about 40 percent of Armenia's electricity.

In separate letters, the workers, among them senior nuclear-energy specialists, last month formally asked Metsamor's director, Gagik Markosian, to raise their wages by 50 percent or terminate their employment contracts. ...

つまり、「給料を何とかしてくれないと、専門家も含めて、みんな辞めるぞ」ということで、退職願を手にぎりぎりの交渉をしている、といった状況が1ヶ月ほど続いていたようだ。

労働者側の通告していた最終期限が20日で、これが地震発生の数日前。ここでいったん、皆さん本当にやめたみたいだ。

そしてどうなったかというと、24日には賃上げが認められ、ストをしていた人々は職場に戻ったとの記事が出ている。

Employees Go Back To Work At Armenian Nuclear Plant After Pay Rise
October 24, 2011
http://www.rferl.org/content/workers_to_rejoin_armenian_nuclear_plant/24370085.html

で、今回わかったんだけど、アルメニア情報は英語で探すなら、RFE/RL (Radio Free Europe/Radio Liberty) が鉄板。

私は個人的にそこまで見ている余裕はないので、とりあえずこれだけです。BBCなど英メディアで何か言及があれば、そのときははてブするなり何なりしますが。。。



■トルコの原発について:

地震があったというニュースで思ったことの第一は、まず地図を見て「うは、PKK活動エリア……」、次が「1915年の虐殺」。それから「トルコといえば、これでも原発作るんだろうか」ということ。(数年前のNHKスペシャルの『沸騰都市』でイスタンブールのニューリッチに密着取材していたが、ああいうイケイケでアゲアゲなムードで「エネルギー供給量アップで経済成長、ウマー」的なことになってると、「耐震性を備えれば大丈夫、福島第一原発は津波被災であり、地震では壊れてない!」に流れそう……。)

で、トルコの原発については、日本が絡んでいたので、日本語でもけっこう報道されている。


上記の話は7月のものだが、性懲りもなく「原発」にこだわっていきたいらしい日本政府(と財界)のプッシュで、10月19日には、こんな話になっていた。



ただしトルコには、現在稼動している原発はない。


このような把握でいたので、今回の地震でも「原発」関連の話が聞こえてくるとは、正直思っていなかった。


※この記事は

2011年10月26日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 23:58 | TrackBack(0) | 雑多に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼















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