kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2004年11月20日

マニアにはたまりません――ビバ!機械翻訳 (2)

いやほんともうたまらない。どうしてこうなるのか,考えてるだけで4〜5時間は使える。(←仮定法のcouldである。実際にはそうするつもりはない。笑)

GoogleでBETAで提供され始めた翻訳機能を使ってみた。結果……。(以下,面積のでかい画像。)

ggl-trans.gif

※原文はhttp://www.hartford-hwp.com/archives/27a/037.html

cluster bombが「収束爆弾」なのはアレといえばアレだが,単純に訳語の問題であり,辞書に追加すれば解決する。こういうのは全然大した問題ではない。

Defence correspondent が「Defence対応した」ってのも,かなり重傷だけれど(日本語に翻訳しているはずなのに,日本語になってない),これも多分辞書の問題。エゲレス流のスペリングを辞書に追加して,correspondentに「特派員」みたいな訳語を与えればおっけー。ま,その訳語が適する文脈で出てくるようにできないと,という問題はあるのだけど。ってか,correspondentなんて「対応した」よりか「特派員」で出てくるほうが多くないか? どーいう基準で訳語選んでるんだろう。わからん。

あと,GMTを日本語にしたら「gmt」ってのは,これはお笑いでしょうか。(「グリニッジ標準時」です。)

問題は,文法。

まず,省略に対応できてない。

記事タイトルのWhy use 〜? が「なぜ〜を使うのか」という意味だってことは,見りゃわかる。いや,why do they[we, you] use 〜? の一部が省略されてるんだっていう説明をすることが私は多いし,実際そうなんだろうと思うけど,そういう説明があってもなくても「なぜ〜を使うのか」という意味に取るのが素直ってもんだろう。

が,上記自動翻訳例では,useを〈動詞〉ではなく〈名詞〉と解析している。なので「なぜ使用cluster bombsか」という珍妙な日本語になっている。

次の問題点……機械さんには英語が読めてない。(笑)

記事本文の1行目,
> The modern cluster bomb dates back to the 1960s and was extensively used in Vietnam, the Gulf War and the recent conflict in Kosovo.

これがどうやったら
> 現代収束爆弾は60 年代にさかのぼり, Kosovo のベトナム, 湾戦争及び最近の対立で広く使用された。
になってしまうのか。

検証レポート!!

> The modern cluster bomb dates back to the 1960s
> →現代収束爆弾は60 年代にさかのぼり,

英文をセンスグループで区切って,前から順番に1対1で訳語を当てはめて,それから日本語の語順に並べ替えていることが,はっきりとわかる例。

「爆弾は…さかのぼり」は日本語が壊れている。せめて「爆弾の始まりは…」とかにしないと,とは思うのだけれど,意味はわからんことはない。ので大した問題ではない。

問題は次。これは人間が翻訳をしてもときどきあるパターンが,ものすごく大げさに現れた例。

> and was extensively used in Vietnam, the Gulf War and the recent conflict in Kosovo.
> →Kosovo のベトナム, 湾戦争及び最近の対立で広く使用された。

「湾戦争」は辞書の問題なので,本質的なことにはならないが,問題はandだ。一見,どうしてこういう解釈ができるのか,それ自体がナゾとも思える翻訳結果。

……が,わからんこともない。

andは普通はA, B and Cの形で用いる。この場合,A, B, Cのそれぞれが等価(って言うんだっけ>文法用語失念←こら)。
 eg. in London, Manchester and Liverpool

しかしこの例では,
in Vietnam, the Gulf War and the recent conflict in Kosovo

Vietnamとthe Gulf warとthe recent conflict in Kosovoは,等しくない。イレギュラーだ。

これは,「ヴェトナム戦争」と「湾岸戦争」と「コソヴォ紛争」というものを知っているから書けるし読める表現なのであって,機械にはそこまでわからないらしい。だから混乱して,
> Kosovo のベトナム
と答えてしまう。。。んだろうか?

とにかく,the recent conflict in Kosovoがセンスグループとして把握されていない。

機械の考えは,おそらくこうだ。まず最初のinを外して
> Vietnam, the Gulf War and the recent conflict in Kosovo

さらに,
> Vietnam (, the Gulf War and the recent conflict) in Kosovo

ここから日本語を導き出すと,
> コソヴォのヴェトナム(,湾岸戦争と最近の紛争)
となって,
> Kosovo のベトナム, 湾戦争及び最近の対立
が導き出せ,さっき外したinをくっつけると,
> Kosovo のベトナム, 湾戦争及び最近の対立で

にゃるほどね。

っつーか,「Kosovoのベトナム」って。メタファー,それともレトリック?(笑)

あとは,a variety of 〜「種々の〜,さまざまな〜」という連語が連語として認識されてない,というか,varietyに「変化」という訳語を当てはめてることとか,principleの訳語が「主義」であるとか,上記文例中のwork on 〜は「〜に基づいて動作する」であるのに,「〜に取り組む」で取っている(さらに,なぜか「〜に取り込む」に誤訳されているのはデータベースの問題か?)こととか,can be 〜は「〜である場合もありうる」と解釈すべきなのにそれができていないこととか,いろいろ。

Googleの翻訳機能,今BETAでリリースするんだから,どんなもんかとワクワクしてたんですけど,90年代末期には既に存在していた自動翻訳と同じところでひっかかってる。

ただ,上記のように自分で逆算してみるとよくわかるんですが,英語と日本語のように“遠い”言語の間の機械翻訳は難しい。

ソフトウェアを開発されてる方々に改めて敬意を。

※この記事は

2004年11月20日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 09:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 英語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼