スペンスについては以前書いたものがあるので詳細はそれを参照していただきたい。
http://nofrills.seesaa.net/article/31426079.html
マーティン・マクギネスをa man of peaceと呼ぶのと同じ意味で、ガスティ・スペンスもa man of peaceである。(そしてもちろん、そういうa man of peaceは、この2人だけではない。)
今はやらなければならないことがあるので、このニュースとあまりじっくりと向き合えないのだが、以下はとりあえず記事のリンク集として。
BBC:
Bel Tel:

Belfast, Northern Ireland, UK, World, News, Business, Entertainment | BelfastTelegraph.co.uk via kwout
「アイルランド大統領候補、マーティン・マクギネス」についての記事と、スペンスの訃報。そして下の段に80年代のベルファストを舞台としたドラマの話題。
UTV:

UTV | Northern Ireland News, NI Sport News, Northern Ireland Weather forecast - News in NI, UTV Live, Watch TV online u.tv, Ulster Television via kwout
Slugger:

Slugger O'Toole via kwout
ターゴンさんのは速報の1行記事、ほぼ同時に投稿されたアランさんのが本スレ。(これが、さすがアランさん、BBCよりいい記事。)
あとはGoogle Newsから。
どれを見ても、シン・フェインからはジェリー・ケリーがコメントしている。(6月の東ベルファスト暴動でショート・ストランドが襲撃されたとのコメントもケリーだったけど。)
Sinn Fein MLA Gerry Kelly said many nationalists would remember Spence as someone "who was central to the sectarianism that gave birth to the modern loyalist paramilitary".
"However he did dedicate himself to peace and reconciliation for much of his later life so he willl also be remembered as a major influence in drawing loyalism away from sectarian strife," he added.
"On behalf of Sinn Fein I would wish to extend my condolences to his family at this time."
http://www.bbc.co.uk/news/uk-northern-ireland-15051920
この前、ロイヤリストの大物が亡くなったのは2007年のデイヴィッド・アーヴァインで、このときはすべて、ジェリー・アダムズがやっていた。
アーヴァインの突然の死(当時PUP党首だった彼は、いつも通り、サッカー見に行ったりしていた週末に突然倒れてそのまま亡くなった)の後で――葬儀の際、東ベルファストの「ロイヤリストのハートランド」のアーヴァインの地元に、「IRAの親玉」と目されるアダムズが訪れ、アーヴァイン夫人にハグで迎えられ、そしてまったく何事もなく無事にかえってきたあの後で、当時膠着状態にあった「北アイルランド和平プロセス」は大きく動いた。アーヴァインの死去が1月8日、その後3月に、ついにDUPのトップ、イアン・ペイズリーと、SFのトップ、ジェリー・アダムズが初めて直接会談し、それから数週間後には、ペイズリー&マクギネスのFMDFMコンビが、自治政府を再起動させた。その後の2人の仲のよさは、今さら繰り返すまでもない。そして高齢のペイズリーが(年齢ではなく汚職疑惑が原因だったが)第一線を退いたあとも、マクギネスのシン・フェインとDUPとの関係はものすごく円満である。
ガーディアンは、今日は労働党の党大会だし、スペンスの訃報どころではない感じ。(たとえ何もなくたって、さほど大きくは取り上げられないだろう。)
実はこの土曜日に、「テロリズムと和平交渉」についての現場を見てきたピーター・テイラーのこの本(すごい本)をぱらぱらとめくりながら、スペンスについて少し読んで、そういえば最近まったく名前が出ないがどうしているのだろうと思っていた矢先のことだった(少し前、確か昨年、ドーン・パーヴィスがPUPを辞めたときに「PUPの崩壊が止まらない。スペンスも体調を崩している」というのを読んだ記憶があるが、今年6月の東ベルファストの暴動の背後に、『東の獣』と呼ばれるUVFの暴れん坊がいる、という報道があったときにもスペンスのコメントはなかったので、かなり悪いのかなと思っていたところだ)。
![]() | Talking to Terrorists: Face to Face with the Enemy Peter Taylor HarperPress 2011-09-01 by G-Tools |
UVFについては、テイラーのこの本が非常に読みやすく、オタクっぽすぎもしない。ただし入手困難(英語圏で古書通販探せばけっこうあるけど)。
![]() | Loyalists Peter Taylor TV Books 1999-06-01 by G-Tools |
※この記事は
2011年09月26日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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