「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2011年09月26日

【訃報】ガスティ・スペンス(現代のUVF創設者)

現代のUVFを作り、「北アイルランド紛争」の始まりの発端にいた人物で、なおかつ1994年のロイヤリスト停戦を宣言し、「北アイルランド紛争」の終わりの発端にいた人物である、ガスティ・スペンスが、この週末、病院で亡くなった。しばらくの間病気だったという。78歳だった。

スペンスについては以前書いたものがあるので詳細はそれを参照していただきたい。
http://nofrills.seesaa.net/article/31426079.html

マーティン・マクギネスをa man of peaceと呼ぶのと同じ意味で、ガスティ・スペンスもa man of peaceである。(そしてもちろん、そういうa man of peaceは、この2人だけではない。)

今はやらなければならないことがあるので、このニュースとあまりじっくりと向き合えないのだが、以下はとりあえず記事のリンク集として。

BBC:


Bel Tel:

「アイルランド大統領候補、マーティン・マクギネス」についての記事と、スペンスの訃報。そして下の段に80年代のベルファストを舞台としたドラマの話題。

UTV:


Slugger:

ターゴンさんのは速報の1行記事、ほぼ同時に投稿されたアランさんのが本スレ。(これが、さすがアランさん、BBCよりいい記事。)

あとはGoogle Newsから。


どれを見ても、シン・フェインからはジェリー・ケリーがコメントしている。(6月の東ベルファスト暴動でショート・ストランドが襲撃されたとのコメントもケリーだったけど。)
Sinn Fein MLA Gerry Kelly said many nationalists would remember Spence as someone "who was central to the sectarianism that gave birth to the modern loyalist paramilitary".

"However he did dedicate himself to peace and reconciliation for much of his later life so he willl also be remembered as a major influence in drawing loyalism away from sectarian strife," he added.

"On behalf of Sinn Fein I would wish to extend my condolences to his family at this time."
http://www.bbc.co.uk/news/uk-northern-ireland-15051920


この前、ロイヤリストの大物が亡くなったのは2007年のデイヴィッド・アーヴァインで、このときはすべて、ジェリー・アダムズがやっていた。

アーヴァインの突然の死(当時PUP党首だった彼は、いつも通り、サッカー見に行ったりしていた週末に突然倒れてそのまま亡くなった)の後で――葬儀の際、東ベルファストの「ロイヤリストのハートランド」のアーヴァインの地元に、「IRAの親玉」と目されるアダムズが訪れ、アーヴァイン夫人にハグで迎えられ、そしてまったく何事もなく無事にかえってきたあの後で、当時膠着状態にあった「北アイルランド和平プロセス」は大きく動いた。アーヴァインの死去が1月8日、その後3月に、ついにDUPのトップ、イアン・ペイズリーと、SFのトップ、ジェリー・アダムズが初めて直接会談し、それから数週間後には、ペイズリー&マクギネスのFMDFMコンビが、自治政府を再起動させた。その後の2人の仲のよさは、今さら繰り返すまでもない。そして高齢のペイズリーが(年齢ではなく汚職疑惑が原因だったが)第一線を退いたあとも、マクギネスのシン・フェインとDUPとの関係はものすごく円満である。

ガーディアンは、今日は労働党の党大会だし、スペンスの訃報どころではない感じ。(たとえ何もなくたって、さほど大きくは取り上げられないだろう。)

実はこの土曜日に、「テロリズムと和平交渉」についての現場を見てきたピーター・テイラーのこの本(すごい本)をぱらぱらとめくりながら、スペンスについて少し読んで、そういえば最近まったく名前が出ないがどうしているのだろうと思っていた矢先のことだった(少し前、確か昨年、ドーン・パーヴィスがPUPを辞めたときに「PUPの崩壊が止まらない。スペンスも体調を崩している」というのを読んだ記憶があるが、今年6月の東ベルファストの暴動の背後に、『東の獣』と呼ばれるUVFの暴れん坊がいる、という報道があったときにもスペンスのコメントはなかったので、かなり悪いのかなと思っていたところだ)。

0007325533Talking to Terrorists: Face to Face with the Enemy
Peter Taylor
HarperPress 2011-09-01

by G-Tools


UVFについては、テイラーのこの本が非常に読みやすく、オタクっぽすぎもしない。ただし入手困難(英語圏で古書通販探せばけっこうあるけど)。

1575000474Loyalists
Peter Taylor
TV Books 1999-06-01

by G-Tools


※この記事は

2011年09月26日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼















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