the Index of Multiple Deprivation 2004より:
Beeston, Leeds LS11 ranked at 9,399 out of 32,482
Walthamstow, London E17 ranked at 5,745 out of 32,482
Leyton, London E10 ranked at 7,479 out of 32,482
これは、「小さければ小さいほどその地域がdeprivedである(貧しい)」ということを示す統計数値です。これら3地区のなかで最も貧しいのは、E17のウォルサムストウ、次がE10のレイトン、その次がLS11のビーストン、ということになります。
分布図を探したけれど見つからないので正確なところはわからないのですが、総数32000あまりの中で、ウォルサムストウとビーストンは3600ばかり離れているということは、けっこうな差があると考えてよいでしょう。言い換えれば、ビーストンと比べてウォルサムストウはかなり貧しい。
ちなみに、失業率(2001年センサスによる)は、ビーストンは3.8%、レイトンは5.6%、ウォルサムストウは4.3%となっています。
さて、ビーストン、ウォルサムストウ、レイトンというこれらの3つの地名は何であるか・・・ウォルサムストウとレイトン(ロンドン郊外)は、2006年8月に発覚した航空機爆破計画の容疑者たちが何人も住んでいるところです。ビーストン(リーズ郊外)は2005年7月7日のロンドンでの自爆の実行犯が住んでいたところです。
日本での報道によると、ウォルサムストウは裕福な移民が多いそうです。ビーストンは貧しい労働者街だそうです。
「裕福な」とか「貧しい」とかってのは、何なんですかね。
私はロンドンではハックニー(参考までに、the Index of Multiple Deprivation 2004で堂々の1位)やハリンゲイ(同、10位)にいたことがありますが、そういうところから見ると、カムデン(同、21位)に住んでるなんていわれると、「あらま、お大尽ね」とか思ったものです(主に家賃の問題ですが)。高級なエリアにお住まいの方から見れば、カムデンは「あたくし、あそこには住めませんわ」でしょうけれどね。
ま、堂々の1位のハックニーは絶対的に「貧しい」わけですから(何しろ小学校の前の歩道が陥没してても直す費用がないので放置という自治体、危険すぎ)、私がそこを基準にすること自体、ほんっとに意味がないんですが。
あとで別の記事でもっと詳しく書きます。
産経さんの「移民社会の『影』 英テロ未遂犯は裕福な2世」08/13 14:05にはトラバ送信。
なお、昨年のは東京新聞さんです。新聞の名前であれこれ判断しないようにね。
ちょっとだけネタを明かすと、ウォルサムストウについて「裕福な」と言われているのは、「移民のわりには裕福な」ということです。ビーストンについて「貧しい」と言われているのは、「全体的に見て貧しい」ということです。そうとしか考えられない。
※この記事は
2006年08月18日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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