fairlyとveryも、これら「程度の差を表す副詞」に含まれる語だが、次の例では、fairlyとveryの違いははっきりわかる。
a majority thought it fairly likely Britain would suffer a terrorist attack in the next year, while a third thought it very likely.
-- source: Majority believe west is losing 'war on terror'
http://politics.guardian.co.uk/foreignaffairs/story/0,,1852228,00.html
fairlyの定義:
http://dictionary.cambridge.org/define.asp?key=27658&dict=CALD
fairly
adverb
1 more than average, but less than very:
She's fairly tall.
I'm fairly sure that this is the right address.
We get on fairly well.
I saw her fairly recently.
つまり、fairlyは「平均以上」を表すが、veryほど大きな程度のことは表さない。例文を見ると、「けっこう」とか「わりと」とか「そこそこ」とかいう日本語が思い浮かぶ。
こういう表現のバリエーションは、5段階評価のアンケートなどを見るとよくわかったりする。(「○○はどうですか」に対する「5 とてもよい」「4 どちらかというとよい」「3 可もなく不可もなく」「2 どちらかというと悪い」「1 悪い」。)
ちょっと違うけど、BBCのfootballのplayer raterもこういう表現のバリエーションの1つだ。ただし言葉遣いはそれなり(サッカーだからね)。参照先は一番近い試合で、イングランド対ギリシアの試合のページ:
http://news.bbc.co.uk/sport1/hi/football/internationals/4798591.stm
10 Pure perfection 言うことなし
9 Outstanding 最高
8 Very good 非常によい
7 Good よい
6 Average 平均点
5 Off colour らしくない
4 Poor 悪い
3 Woeful ひどい
2 Embarassingly bad 見てて恥ずかしくなるくらいひどい
1 Give up the game もうやめちゃえ
話がまた変わるけど、日本語でも「相当」「かなり」「とても」「すごく」などの使い分けは難しい。というかそういう細かいこと考えてたら、喋ったり書いたりが、「とても」めんどくさくなる。それでも違いはあるわけで、そこがややこしい。
以前、日本語を外国語として習得した人に聞かれたことがあるのだけど、「とても難しい」と「すごく難しい」と「かなり難しい」はどこが違うのか、「相当難しい」はどうか、って、文脈がないと判断できなくない? 話者がどういうつもりで発言しているのか。
「それはすごく難しい作業ですが、やってみましょう」は「それはかなり難しい作業ですが・・・」と言っても自然である。
「それはかなり難しい作業ですが、やってみましょう」は「それはとても難しい作業ですが・・・」と言うと、ちょっとぎこちない。
「それは相当難しい作業ですが、やってみましょう」は・・・どうだろ? 「です・ます」じゃなくてタメ口にするとちょっと色というかクセのある雰囲気になる。(<「それ、すごく難しいけど、とりあえずやってみよう」vs「それ、相当難しいけど、とりあえずやってみよう」)
「それはすごく難しい作業ですから、当方ではできません」は・・・通常これは「当方では難しいですね」などと言うだろう。
ってな具合に、自分が自然言語の中でどうやって「とても」「すごく」「かなり」「相当」を使い分けているのかを考え出すと、ぐるぐるぐるぐると止まらなくなる。
でも英語でfairlyよりもveryの方が大きいってことは、覚えておいて損はないので。
冒頭に引用したガーディアンの文は、
過半数が、英国が次の年にテロ攻撃にあうことはかなり確率が高いと考えており、3分の1がその確率は非常に高いと考えている。
※この記事は
2006年08月17日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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メールで答えたらうれしくなります。
お返事が遅くなってすみません。
私は「日本語」の専門家ではないので(native speakerではありますが)、あまり正確なことはわからないのですが、「相当かなり」はおもしろい例ですね。その小説を読まないと正確にはわかりませんが、強調したい場合に同義語を重ねることはよくありますよね。その一例ではないかと思います。
というわけで、結論を言えば、「相当かなり」は話し言葉では可能だと思います(あまり聞きませんが)。「相当、かなり、難しい」というように同義語を重ねて強調しているのだが、「、」が落ちて表記/発話されている、と考えられます。この「相当かなり」が一種の口癖のようなものになっている人もいるかもしれません。意味は「相当 fairly」と同じか、「非常に very」の意味か、2通りの場合があると思います。
検索してみたら、総務省の「消防審議会」の議事要旨に用例がありました。「市町村の消防の広域化の推進に関する答申(案)」について、の議事録だそうです。
http://www.fdma.go.jp/html/singi/180201giji.html
[quote]
基本的にはそういう方向で私どもやらせていただきたいと考える。30万(人)というのを打ち出したのは、その30万程度の消防を想定したときに【相当かなり立派な】消防が想定できて、いろいろな面から見ると、これぐらいの規模というのがいいのではないかというようなことであるが、これは市町村合併のときにもいろいろ言われていたが、地域地域で、30万人集めようと考えても集まらないというのは当然あるわけで、……
[/quote]
※話をしているのをそのまま書き起こしただけの文で、とても読みづらいですね。
この例の場合は、話者は会議の場で「30万人規模」という数字に疑問が出されたのに対応しているのですが、ここの「相当かなり」は:
1)単に「立派な」と言うだけでは何か言い足りないものがあるので前置きのことばがくっついた
2)「立派な」ということばを頭の中で考えている間に、とりあえずしゃべっておく(時間稼ぎのために)ときに「相当かなり」が出てきた
3)「相当立派な」の「相当」を強調したかった
といった可能性があると思います。いずれにせよ、「相当かなり」に確固たる「意味」があるとは言えないように思えますが、単に「立派な」と断言してしまうよりずっと遠回しに聞こえます。英語でいうと現在形ではなく過去形を使っているような感じ。
財務省でも用例がありますね。「塩川財務大臣閣議後記者会見の概要」で、塩川大臣(当時)の発言です。
http://www.mof.go.jp/kaiken/my597.htm
[quote]
一般歳出のほうは、要求は非常に抑えております。けれども、 5,300億円増という【相当かなりな】要求が出まして、これは一般の概算要求の段階においては各省、創意工夫を凝らしたものを、独自性のあるものを、積極的に要求で出してくれということ、メリハリをつけたいためにこういう要求をしたものでございますので、これは相当あると思っております。
[/quote]
この「相当かなりな」は「びっくりするような」、「金額の大きい」ということを遠回しに言うものでしょう。(日常会話では、「相当大きい」とか「かなり大きい」の「大きい」を言わなくても了解されるような場合には、「相当」とか「かなり」だけが残ることがあります。)
でも、この例では、正直、大臣が何をおっしゃっているのかが私にはよくわかりません。はっきり「無理だ」とか「こんなにたくさん要求しやがって、とんでもない話だ」とか言えないのだろう、という雰囲気だけは感じ取れます。
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