このドキュメンタリーが,「『テロとの戦い』の真相」という題名で,今日6月5日夜,NHK-BS1で放映される。
放映時間:5日(日)22時10分〜0時59分(<日付上は6日)
さて,このドキュメンタリー,制作は英BBC。というわけでBBCサイトから過去記事。
Part I: Baby It's Cold Outside
Part II: The Phantom Victory →ICHのトランスクリプト
Part III: The Shadows In The Cave →ICHのトランスクリプト
このフィルムはBAFTA賞のTV部門を獲り,カンヌ国際映画祭でも上映された。
BBCが行なった「監督との一問一答」企画によると,DVDのリリースは各種の権利をクリアしてからになる,つまり非常に大変な作業が必要で,すぐにはできないとのこと。
監督の回答にこんな一節がある。
The problem with it though is that it does undermine one of the fundamental principles of our legal system and democracy, the ability to prove your innocence.
まさにこの点である。
昨年10月にBBCで放送されたときのガーディアン記事。(かなり長いけど気合入った記事です。)
http://www.guardian.co.uk/terrorism/story/0,12780,1327904,00.html
お約束のごとく,ウィキペディア。
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Power_of_Nightmares
このページの記述も非常に興味深い。
http://www.wanttoknow.info/powerofnightmares
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カナダでも4月にCBCでオンエアされたようですね。
http://www.cbc.ca/passionateeye/powerofnightmares/one.html
米国でも,今年のサンフランシスコ国際映画祭で上映され, Golden Gate Persistence of Vision Awardを授賞したそうです。この授賞式の模様が,ベイエリアの人のFlickrサイトに上がっています。
しかし米国でのテレビでのオンエアはまあなさそうだということで,米国にお住まいの方は↓などを。
http://www.archive.org/details/ThePowerOfNightmares
もちろん英語版で字幕なしですが。(アラビア語のところとかフランス語のところとかも少しだけあります。)
※私の持っているファイル(mpeg1)は途中から音声だけになります。今上がってるファイルはmpeg2なので,内容が違うのかもしれません。1GBくらいのファイルが3つあります。あと,検索すればいくつか手がかりが。
私はまだ冒頭の5分くらいを見ただけなのですが,「“テロの脅威”のほとんどはエクザジャレイトされディストートされたファンタジーである」,「いかにして政治家がファンタジーをクリエイトしたか」,「ナイトメア・ファンタジーを広めるために政治家が何をしたか」(<リアルタイムで聞きながらメモってるので,カタカナ部分はスクリプトの英語をそのまま使いました)というのがアウトラインです。
その後本編に入って,「ソ連の脅威」が「テロの脅威」に置き換わっていった過程を扱っているようです。レーガン政権内のレオ・ストロース一派(ネオコン)の動きなど。
音声は,ナレーションはイギリス英語(RP)。ただしインタビューの音声が多いので,全体としてはさまざまです。
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■トラックバック:
NHK・BS1「BS世界のドキュメンタリー」 『「テロとの戦い」の真相』(6月2日,「60年、そして今・・・」さん)
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■追記(6月9日):
さっき書いた記事からトラバしようとして失敗したので手動トラバ(=リンク)。
nine inch nailsがMTV AWARDSをボイコットした理由。
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転記前URL:
http://ch.kitaguni.tv/u/917/i_dont_think_i_am_a_pacifist/words_at_war/0000226041.html
コメント&トラバ:
うおー忘れてた
予約録画!!
記事にしてくれてありがとうですにゃ。
投稿者:
DoX
at 2005 年 06 月 05 日 13:34:44
展覧会や映画を見に行けば「最終日」でほとんど役に立ちゃしない私のウェブログも,たまには実用的なことができる。こんな自分を褒めてあげたい。(笑)
冗談です。スクリプトとかざっと読んであるのですが,これはかなり濃い内容ですので,じっくりと見てください。見るときは,傍らに歴史年表を用意しておくといいかも。
投稿者:
nofrills
at 2005 年 06 月 05 日 14:44:12
Chihiro
Trackbackありがとうございました
先週末はNHKにかじりつきでした
私はまだ1話しか見ていませんが、
物質主義、正当化・・・・アメリカの生き様を通し、これからの日本を見ているような気がして、とても恐ろしくなりました
投稿者:
ゲスト
at 2005 年 06 月 06 日 18:31:44
>Chihiroさん
わざわざコメントをありがとうございます。
私は録画だけ人に頼んで,まだ見ることができていません。(T_T)
(英語版は半分くらい,仕事とかしながら音声は聞きましたが。)
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この番組のPart IIIに出てくるジェイソン・バークさんの著書『アルカーイダ』は日本語に翻訳されています。英ガーディアンの記者(主筆といったクラスだと思いますが)です。この人の記事は,私はよく拝読しています。
Jason Burkeで検索すれば,2003年9月のインタビューなど,いくつもの記事がヒットしますので,興味のおありの方はどうぞ。
投稿者:
nofrills
at 2005 年 06 月 07 日 22:15:50
自分用のメモ
マイケル・ポーティロ,The Sunday Times, 13 March 2005から1パラだけメモ。
記事のタイトルはA brief history lesson shows Blair's terror talk is hollow
http://www.michaelportillo.co.uk/articles/art_nipress/hollow.htm
Murder by the IRA was an almost daily event, claimed many lives, disrupted the economy and was directed at the heart of the state. By comparison, Al-Qaeda terror is mercifully infrequent, though massive when it occurs. The contrast between the dangers from the IRA and Al-Qaeda is much more complex than Blair admits.
こういう比較,全面的にそうだそうだと言う気にはなれないけれど(IRAのことを言うならUDAやLVFも言え,みたいなことも自分的にはあるし),「アルカーイダの脅威がいかほどのものだというのか」という主張としては,ひとつの典型ではないかと。
※英国では「IRA」ではなく「アルカーイダ」を理由に「反テロ法」が作られた,という経緯が,こういった主張を読むときには極めて重要なコンテクストだと思います。
投稿者:
nofrills
at 2005 年 06 月 09 日 12:42:05
ネオコンって
すごいのねって感じで感心してみてましたが。。。
クリントン事件ではさすがのネオコンも上手くいかなっかたのが笑えました。
しかし、うそで世界を引っ張っていくのだからねぇ、私らはどうしたらいいのかな。
MLで流して、nofrillsさんが反応してくれると嬉しいでガス。
投稿者:
kuronekokotoshan
at 2005 年 06 月 10 日 09:18:45
何が嘘で何が嘘でないかを・・・
↑は某有名発言の一部ですがそれはおいといて。
ネオコンが「嘘」で押し切ることは変えられるものではないと思います。だけど,個人個人が「嘘ではないもの」とか「事実」とか「真実」を見つける努力をすることができるんじゃないかと。
私は残念ながら日本語と英語しか読めないのですが,英語はアメリカ人が使っている言語だから,英語で書かれたウェブログとかには,アメリカからの反応がダイレクトに寄せられてますよね。で,アメリカ人がスクラム状態で「それはpolitically motivatedだ!」などと過剰な反応をしているものは,「なるほど」という具合に判断できます。こうやって,膨大な情報から「嘘ではないもの」を見つけるようにしてます。そして,その一部を日本語にしてます。
なお,英語を使うのはアメリカ人だけではないのですが,ウェブログのコメントとかでは「私はアメリカンである」と声高に叫んでる(=大文字で書いてる)人も多いし,あるいはそうでなくともスペルや語彙でだいたいレコグナイズできます。素人の書いたものはね。(新聞の文章とかだと難しいですが。)
以上,記述を単純化しているので,「アメリカ人」は「アメリカ国籍を持つ人々の一部」というように読んでください。
投稿者:
nofrills
at 2005 年 06 月 11 日 03:23:54
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id:flapjack:20041104#p2で少し詳しく紹介した、BBCで放映されたドキュメンタリー番組 The Power of NightmaresがNHKBS1で昨夜三部一挙に放映されたことを no frillsさんのところでしる。知らんかったよー。ぜひ日本でもやってほしいと思っていたので、とりあえずNHK、well done といっておこう。再放送はあるとしたらいつなのだろう。 とりあえず番組の内容は以下で詳しく書かれている。 http://groups.yahoo.co.jp/group/T ...
2005 年 06 月 06 日 12:50:40
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※大筋,teanotwar.blogtribe.org/とのダブルポスト。 6月5日の「『テロとの戦い』の真相」に続き,NHK-BS1の日曜夜10時ごろからの「BS世界のドキュメンタリー」で,7月2日(土)と3日(日)にイラク/対
2005 年 07 月 02 日 02:06:16
※この記事は
2005年06月05日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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