「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


2005年06月05日

The Power of Nightmares――『「テロとの戦い」の真相』:5日夜NHK-BSで放映

The Power of Nightmaresというドキュメンタリーがある。タイトルは「人々に悪夢だ悪夢だと言い続けることの持つ力」という意味だろう。

このドキュメンタリーが,「『テロとの戦い』の真相」という題名で,今日6月5日夜,NHK-BS1で放映される。
放映時間:5日(日)22時10分〜0時59分(<日付上は6日)

さて,このドキュメンタリー,制作は英BBC。というわけでBBCサイトから過去記事。
Part I: Baby It's Cold Outside
Part II: The Phantom VictoryICHのトランスクリプト
Part III: The Shadows In The Cave →ICHのトランスクリプト

このフィルムはBAFTA賞のTV部門を獲り,カンヌ国際映画祭でも上映された。

BBCが行なった「監督との一問一答」企画によると,DVDのリリースは各種の権利をクリアしてからになる,つまり非常に大変な作業が必要で,すぐにはできないとのこと。

監督の回答にこんな一節がある。
The problem with it though is that it does undermine one of the fundamental principles of our legal system and democracy, the ability to prove your innocence.


まさにこの点である。

昨年10月にBBCで放送されたときのガーディアン記事。(かなり長いけど気合入った記事です。)
http://www.guardian.co.uk/terrorism/story/0,12780,1327904,00.html

お約束のごとく,ウィキペディア。
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Power_of_Nightmares

このページの記述も非常に興味深い。
http://www.wanttoknow.info/powerofnightmares

----------------------

カナダでも4月にCBCでオンエアされたようですね。
http://www.cbc.ca/passionateeye/powerofnightmares/one.html

米国でも,今年のサンフランシスコ国際映画祭で上映され, Golden Gate Persistence of Vision Awardを授賞したそうです。この授賞式の模様が,ベイエリアの人のFlickrサイトに上がっています。

しかし米国でのテレビでのオンエアはまあなさそうだということで,米国にお住まいの方は↓などを。
http://www.archive.org/details/ThePowerOfNightmares
もちろん英語版で字幕なしですが。(アラビア語のところとかフランス語のところとかも少しだけあります。)

※私の持っているファイル(mpeg1)は途中から音声だけになります。今上がってるファイルはmpeg2なので,内容が違うのかもしれません。1GBくらいのファイルが3つあります。あと,検索すればいくつか手がかりが。

私はまだ冒頭の5分くらいを見ただけなのですが,「“テロの脅威”のほとんどはエクザジャレイトされディストートされたファンタジーである」,「いかにして政治家がファンタジーをクリエイトしたか」,「ナイトメア・ファンタジーを広めるために政治家が何をしたか」(<リアルタイムで聞きながらメモってるので,カタカナ部分はスクリプトの英語をそのまま使いました)というのがアウトラインです。

その後本編に入って,「ソ連の脅威」が「テロの脅威」に置き換わっていった過程を扱っているようです。レーガン政権内のレオ・ストロース一派(ネオコン)の動きなど。

音声は,ナレーションはイギリス英語(RP)。ただしインタビューの音声が多いので,全体としてはさまざまです。

--------------------
■トラックバック:
NHK・BS1「BS世界のドキュメンタリー」 『「テロとの戦い」の真相』(6月2日,「60年、そして今・・・」さん)

---------------------
■追記(6月9日):
さっき書いた記事からトラバしようとして失敗したので手動トラバ(=リンク)。
nine inch nailsがMTV AWARDSをボイコットした理由。

-------------------------------------
転記前URL:
http://ch.kitaguni.tv/u/917/i_dont_think_i_am_a_pacifist/words_at_war/0000226041.html

コメント&トラバ:
うおー忘れてた
予約録画!!
記事にしてくれてありがとうですにゃ。

投稿者:
DoX
at 2005 年 06 月 05 日 13:34:44

展覧会や映画を見に行けば「最終日」でほとんど役に立ちゃしない私のウェブログも,たまには実用的なことができる。こんな自分を褒めてあげたい。(笑)

冗談です。スクリプトとかざっと読んであるのですが,これはかなり濃い内容ですので,じっくりと見てください。見るときは,傍らに歴史年表を用意しておくといいかも。

投稿者:
nofrills
at 2005 年 06 月 05 日 14:44:12

Chihiro
Trackbackありがとうございました
先週末はNHKにかじりつきでした
私はまだ1話しか見ていませんが、
物質主義、正当化・・・・アメリカの生き様を通し、これからの日本を見ているような気がして、とても恐ろしくなりました


投稿者:
ゲスト
at 2005 年 06 月 06 日 18:31:44

>Chihiroさん
わざわざコメントをありがとうございます。

私は録画だけ人に頼んで,まだ見ることができていません。(T_T)
(英語版は半分くらい,仕事とかしながら音声は聞きましたが。)

-------------

この番組のPart IIIに出てくるジェイソン・バークさんの著書『アルカーイダ』は日本語に翻訳されています。英ガーディアンの記者(主筆といったクラスだと思いますが)です。この人の記事は,私はよく拝読しています。

Jason Burkeで検索すれば,2003年9月のインタビューなど,いくつもの記事がヒットしますので,興味のおありの方はどうぞ。

投稿者:
nofrills
at 2005 年 06 月 07 日 22:15:50

自分用のメモ
マイケル・ポーティロ,The Sunday Times, 13 March 2005から1パラだけメモ。
記事のタイトルはA brief history lesson shows Blair's terror talk is hollow
http://www.michaelportillo.co.uk/articles/art_nipress/hollow.htm

Murder by the IRA was an almost daily event, claimed many lives, disrupted the economy and was directed at the heart of the state. By comparison, Al-Qaeda terror is mercifully infrequent, though massive when it occurs. The contrast between the dangers from the IRA and Al-Qaeda is much more complex than Blair admits.

こういう比較,全面的にそうだそうだと言う気にはなれないけれど(IRAのことを言うならUDAやLVFも言え,みたいなことも自分的にはあるし),「アルカーイダの脅威がいかほどのものだというのか」という主張としては,ひとつの典型ではないかと。

※英国では「IRA」ではなく「アルカーイダ」を理由に「反テロ法」が作られた,という経緯が,こういった主張を読むときには極めて重要なコンテクストだと思います。

投稿者:
nofrills
at 2005 年 06 月 09 日 12:42:05

ネオコンって
すごいのねって感じで感心してみてましたが。。。
クリントン事件ではさすがのネオコンも上手くいかなっかたのが笑えました。
しかし、うそで世界を引っ張っていくのだからねぇ、私らはどうしたらいいのかな。
MLで流して、nofrillsさんが反応してくれると嬉しいでガス。

投稿者:
kuronekokotoshan
at 2005 年 06 月 10 日 09:18:45

何が嘘で何が嘘でないかを・・・
↑は某有名発言の一部ですがそれはおいといて。

ネオコンが「嘘」で押し切ることは変えられるものではないと思います。だけど,個人個人が「嘘ではないもの」とか「事実」とか「真実」を見つける努力をすることができるんじゃないかと。

私は残念ながら日本語と英語しか読めないのですが,英語はアメリカ人が使っている言語だから,英語で書かれたウェブログとかには,アメリカからの反応がダイレクトに寄せられてますよね。で,アメリカ人がスクラム状態で「それはpolitically motivatedだ!」などと過剰な反応をしているものは,「なるほど」という具合に判断できます。こうやって,膨大な情報から「嘘ではないもの」を見つけるようにしてます。そして,その一部を日本語にしてます。

なお,英語を使うのはアメリカ人だけではないのですが,ウェブログのコメントとかでは「私はアメリカンである」と声高に叫んでる(=大文字で書いてる)人も多いし,あるいはそうでなくともスペルや語彙でだいたいレコグナイズできます。素人の書いたものはね。(新聞の文章とかだと難しいですが。)

以上,記述を単純化しているので,「アメリカ人」は「アメリカ国籍を持つ人々の一部」というように読んでください。

投稿者:
nofrills
at 2005 年 06 月 11 日 03:23:54

トラックバック
トラックバック from flapjackのbookmarks


id:flapjack:20041104#p2で少し詳しく紹介した、BBCで放映されたドキュメンタリー番組 The Power of NightmaresがNHKBS1で昨夜三部一挙に放映されたことを no frillsさんのところでしる。知らんかったよー。ぜひ日本でもやってほしいと思っていたので、とりあえずNHK、well done といっておこう。再放送はあるとしたらいつなのだろう。  とりあえず番組の内容は以下で詳しく書かれている。 http://groups.yahoo.co.jp/group/T ...

2005 年 06 月 06 日 12:50:40

トラックバック from today's_news_from_uk+


※大筋,teanotwar.blogtribe.org/とのダブルポスト。 6月5日の「『テロとの戦い』の真相」に続き,NHK-BS1の日曜夜10時ごろからの「BS世界のドキュメンタリー」で,7月2日(土)と3日(日)にイラク/対

2005 年 07 月 02 日 02:06:16



※この記事は

2005年06月05日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 11:45 | Comment(1) | TrackBack(1) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ウェブログの記事を移動している最中なので、自サイト内トラバの日付が無茶苦茶になっていますが、下のトラバ@2006-08-22の記事(NINがMTV Awardsをボイコットした理由)は、2005-06-09に書いたものです。
Posted by nofrills at 2006年08月22日 04:36

この記事へのトラックバック

nine inch nailsがMTV AWARDSをボイコットした理由。
Excerpt: うわー,投稿するのを忘れていた! 5月末に書いた記事。 「すべてが茶番であるとすれば 流された血の代償がその裏にあるとすれば その上で安穏と暮らしているのが自分たちだとすれば すべて聖なる戦いの名前..
Weblog: tnfuk [today's news from uk+]
Tracked: 2006-08-22 04:25

【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

……全文を読む
▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼