# 上にリンクした日本語記事は,益岡賢さん のサイトの一部です。
このスペースを借りる前にもサイトで書いたことですが,私は中南米については極端に知識が不足しています。何も知らないも同然。さらにまた,仕事がお盆進行(お盆の休暇に入る前にあれもこれも片付けるというスケジュールのこと)のため,英国のニュースをチェックすることも不十分にしかできず,「先週ロンドンで開催されたコロンビア国際支援会議」(出典)のこともまったく知りませんでした。
米英の連携というと,今年の対イラク武力行使(軍事侵攻,政権転覆)が最も大きく取り上げられていますが,日本で見聞きすることのほとんどすべてが,「米国が」という視点であり,「英国」は“米国に協力する立場である”という印象を受けます。私もそうなんだろうと思っていました。
しかし,米国が主,英国が従という関係(「ブッシュのおとなしい飼い犬(プードル)であるブレア」という比喩)では,つじつまが合わないことがたくさんあります。そもそも「イラクはWMDを持っている」ということを書面で(←ここ重要)出したのは英国です。(その書面が,「45分で使用可能なWMD」情報を含むものでした。そしてそれはもちろん,先日のドクター・ケリー死亡に深く関わっています。)さらに,湾岸戦争直前の米国の大学院生の論文をパクって“イラクの脅威”を説いた書類をでっち上げたのも英国です。
英国はそこまでした。これを,米国を“サポート”したと表現するのは,あまりに過小評価ではないかと思うわけです。もちろん,米英の関係というものはいろんな角度から見ないとわからないわけで,7月29日の田中宇さんの「国際ニュース解説」の視点もあると思います。尽くして尽くして尽くしたのに,期待していた見返りは得られず,ついには自国の国防省の顧問を死なせて(殺して)しまった失意の元超大国という像も導き出せると思います。
しかし,米国についての情報の量(普通にテレビ見てても「ネオコン」が出てくるほどに豊富)と,英国についての情報の量とにものすごく差があるから――特にブレアについては,いまだに「労働党を刷新したニューリーダー」「若き指導者」という97年当時の顔が先に立っているような気が――,「ブッシュのプードルとしてのブレア」という見方が定着して,それで納得してしまうのも無理はないとは感じますが,ブレアはほんとにプードルなのか?という疑問が日々大きくなりつつあるのが個人的なところです。
頭を整理しながら(これでも一応)書いているので,話が長くなりましたが,コロンビア国際“支援”会議についての記事を読むと,「英国って何なのさ」という思いがますます深くなるわけです。まあひとつ確実に言えることは,『紳士の国』 というのは,それが正確なところ何を意味するのか理解されることのない美辞麗句,広告のコピーに過ぎないということです。イギリスで何かよいことがあったら「さすが紳士の国!」というレッテルを貼ってまとめておこう,みたいな。前を歩いていた人がドアを押さえて待っていてくれた,さすが紳士の国!スーパーで走り回っている子供がいない,さすが紳士の国!信号のない横断歩道で待っていたら車が止まってくれた,さすが紳士の国!行列が乱れない,さすが紳士の国!などなど。
サッカーのイングランド代表の試合で,観客が相手チームの国歌にブーイングするのを「さすが紳士の国!」といってまとめることはできません。『紳士の国』というフレーズを使う側も,都合のよい時だけ使う。便利なキャッチフレーズです。
ちなみに,gentlemanというのは社会的階級を示すに過ぎません。
話がまとまりませんが,とりあえず,コロンビアで準軍組織を雇って労組指導者を殺害したり脅迫しているという多国籍企業は,個人のレベルで不買続行していきます。
※この記事は
2003年08月01日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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