現在英国で特に大きく取り上げられているニュースは2つ。
1)ドクター・ケリーとBBCと政府(過去記事の1,過去記事の2)
2)サダム・フセインの息子殺害(過去記事)今ニュース系のサイトをあけると,トップページにもれなくフセインの息子の死体写真がついてくる予感がするので(Independentは絶対に大丈夫と確信できるが),直接情報は拾いに行けませんが,現在のいろいろをちょこっとメモ。参考資料はメールニュースThe Wrapなど。
追記:本日(25日)配信されてきたThe Wrapより,
The Mirror, the Telegraph and the Guardian all lead with the promised pictures of the bodies of Qusay and Uday Hussein. A rather more squeamish Times crops Uday's picture to show his closed eyes and warns readers that the photos are reproduced on page 15. "READERS MAY FIND THEM DISTURBING."
つまりThe Mirror, the Telegraph, the Guardian, the Timesは確実に死体写真あり。
ついでに同じThe Wrapより,Robert Fiskの見解。
The Independent hands over its front page to Robert Fisk, who believes the decision to release the photos "will prove to be either a stroke of genius or a historic mistake of catastrophic consequences."
つまり「写真公開は吉と出るか凶と出るか,どちらか極端な結果になるだろう」と。
1)ドクター・ケリーとBBCと政府
話の焦点は,「誰がドクター・ケリーを名指ししたのか」になっている。BBCは情報源を明かしておらず,ドクター・ケリーの名前が出たのは,国防省サイドからである。そして事は国防省責任者=フーン国防大臣の責任問題に移っている。フーン大臣は,どうやら首相からのサポートもなくなっているような雰囲気。
同時に,The TimesとThe Sun(つまりニューズ・コーポレーション)は「BBCに責任あり」を強烈に主張。(これについてはいかようにも読めると思います。)
この件について独立した立場で調査する委員会(責任者はロード・ハットン)の公聴会は,中身はテレビ・ラジオでの放送禁止(公開できるのは委員長の冒頭と最後の演説のみ)とのこと。つまり証言者の表情や声音は一般人にはわからない。形式だけの調査委員会に終わらなければよいが。
さらに話は一気に進んで,キャンベル補佐官が辞意との報道も。
反ブレア政権の色をいよいよ日増しに強めているTelegraph(保守系)は「支持率下がる」を連日報道,日本の通信社もそれをそのまま(Telegraphがどういうメディアかの説明なく)流している。(Yahoo! JAPANより時事通信社記事。英系ですがロイターもあり。)
最後に,ブレア首相について興味深い視点。
自分も日本のメディアが「米英は」とひとくくりにして,さらに米国の方に大きな比重を置いて報道するのはいかがなものかと感じていて,それをちょろっと書いた記憶があるのだけれど,いつどこに書いたのか覚えていない。自分のところのここのどこかか,そうじゃなければ掲示板(休眠中)。
2)フセイン兄弟殺害
http://www.asahi.com/international/update/0725/005.html にラム爺の見解あり。
ルーマニアの独裁者チャウシェスク大統領(当時)が処刑された際、民衆の政権に対する恐怖が実際に遺体をみるまで消えなかったことなどを指摘
処刑と暗殺の違いもわからないとしたら,爺は重症です。
そもそも法を守る気など一切ないのだろうけれど。ていうか「オレが法律だ」状態なのですが。
※この記事は
2003年07月25日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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