「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2003年07月21日

The Wrapについて。

11日に「有料化」と書いたthe Wrapについて。

別に宣伝を頼まれたわけでもないし,宣伝したところで私に具体的にメリットがあるわけでもないのです。

これまで無料サーヴィスだったThe Wrap(the Guardian提供)ですが,今月30日から有料化されます。29日までに申しこむと1年分で£10(30日からは£12),だいたい2000円です。興味のある方はhttp://www.guardian.co.uk/wrap/で,click here to find out moreとあるボタンをクリックして申しこめます。(今購読していない人は申しこみ前にユーザー登録=メールアドレス&パスワードが必要。)
実は私は購読登録をしたんですが,カード番号を入れる前の画面でBilling Addressの入力があったり(その入力画面は暗号化されてない……)何かちょっと面倒でした。料金を徴収するシステムが外部委託になっているためかとも思いますが(カード番号の入力は暗号化されています,もちろん),とりあえず入力フォームを埋めてcontinueを押して進んでいったら,subscription successfulとなりました。

というわけで,「登録したいがよくわからん」ということなどおありの方がいらしたら,ここで「ライトバック」の機能を使って(「コメントする」でメッセージ入力)ご質問ください。わかることならお答えできると思います。

ここから下には「The Wrapとはどういうものか」をメモしておきます。

The Wrapというのは,英国の新聞,the Guardianのサーヴィスのひとつで,月〜金の毎日,その日のニュースについて「何がどう伝えられているか」を簡潔にまとめてくれています。

日本で私が知っている範囲で言うと,平日早朝(5〜6時台)の民放のニュース・情報番組の「新聞チェック」に似ています。同じニュースを伝える各新聞の記事を横に並べてみる,という意味で。

The Wrapは,発行者であるThe Guardianだけでなく,クオリティ・ペーパー(高級紙,日本で言うところの「普通の新聞」)すべてと主要タブロイド(全国展開しているもの)の記事のグロッサリーです。続けて読んでいると「どの新聞にどういうカラーがあるのか」といったことも実感としてわかるようになります。

よく言われることですが,英国では(←英国でも)各新聞のスタンスの違いはとてもハッキリしています。同じ件を取り上げるにしても,各紙の書き方が全然違います。

例えば「労働党大物議員への不正献金疑惑」というニュースがあった場合,単に「これこれこういう議員にかくかくしかじかの企業から不正に献金があったのではないかといわれている」ということだけを書くのではなく,「新聞Aでは『この議員にはかねてから黒い噂がついてまわっていた』として80年代の“黒いチェスナッツ”事件を改めて振り返っている。一方新聞Bでは『政界の汚職は深刻である』として,ほかに疑惑のある議員を列挙している。また新聞Cでは『問題はそこにはない』として,政治資金に関する問題点を語っている。タブロイドDは『奴を引きずり下ろせ!』と煽っている。最もウィットがきいているのはタブロイドEで,『次は誰だ?』と1面にでかでかと書いている」というようなことを書き,それぞれの記事のURLをつけてくれます。

# ↑の疑惑は私が説明のために思いついた例であり,実際の疑惑の有無とは一切関係ありません。(“黒いチェスナッツ”なんていう疑惑はないと思います。多分。)

というわけで,つまりはThe Wrapがなければ各紙をチェックし比較しなければわからないようなことが,毎日メールでやってくる,ということです。ありがたやありがたや。

っていうか,「英国のメディアはこう伝えた」みたいな記事が日本の新聞に載っていたとしても,それがThe Timesなのか,The Independentなのか,果てはThe News of the Worldなのかでは,「こう」の部分の見方がそもそも全然違っていて当然なので,それこそ「明日にでも地下鉄テロの可能性」というセンセーショナルな記事があったとして,それどのくらい深刻なものか,日本の新聞(特に夕刊の2面)はほんとに検証してるのかどうかよくわからないことがあるので,可能な限り判断の根拠になりそうな情報を広げたいという場合には,the Wrapはかなり有益と思います。

ちなみに,the Wrapという名前は,「全体をくるっと包む」という意味もありますが,かつてフィッシュ&チップスの包み紙に新聞紙が利用されていたことから,即座に「新聞」を連想させるものなのだそうです。

# インクが体によくないということがわかってから,フィッシュ&チップスの包み紙はわら半紙みたいなものに変わり,現在は新聞紙は使われていません。


※この記事は

2003年07月21日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼















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