kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2011年06月24日

インターネットに何ができるか〜エジプトの女子の場合

こんな記事を見かけた。

The revolution might be crowdsourced
By Kate Heartfield, Ottawa Citizen June 23, 2011
http://www.ottawacitizen.com/technology/revolution+might+crowdsourced/4990981/story.html

体裁としては、マルコム・グラッドウェルの、ほとんどまったく事実確認をせず自分の言いたいことだけ並べて、それを肯定する証言だけを採用した、読むに値するとは思えない論考に対する反論だが、1年以上前のグラッドウェルのあれに今さら反論ってのもないわー、と思いつつ目を通してみたら、2011年の今の空気をとらえたなかなかいい記事だと思った。

焦点は「アラブの春」にあわせられているのだが、メインは「革命」にネットがどう役立ったか(←この点、グラッドウェルに反論している)、などというベタな話ではない。

... Weak ties, of the sort that people make on Twitter and Facebook and blogs, can absolutely help them persevere in the face of danger. In the words of that great activist Steve Biko, "the most potent weapon in the hands of the oppressor is the mind of the oppressed." The oppressor wants the oppressed to believe she's alone and helpless. The Internet tells her different.
TwitterやFB、ブログで実現されるようなゆるいつながりは、危険に直面しながら耐えるのを支えることができる。偉大な活動家Steve Bikoの言葉を借りれば、「抑圧する側の手にある最も強力な武器は、抑圧される者たちの精神である」。抑圧する側は、抑圧される側には、孤立しており力もないと思っていてもらいたい。しかしインターネットは別のメッセージを示す。

...

A new project called Harass-Map in Egypt demonstrates the way communications technology can amplify traditional social activism. The reporting function at harassmap.org is itself empowering ...
エジプトで「ハラスマップ」という新たなプロジェクトが開始されたが、これが通信テクノロジーが旧来の社会活動を増幅することができるということを示している。harassmap.orgの「報告」の機能は、それ自体が(セクハラの被害者に)力を与えるものだが…略…。

... Rebecca Chiao, one of the volunteers behind the project, says the core function of HarassMap is community outreach. ...
このプロジェクトのボランティアのひとりであるRebecca Chiaoさんは、「ハラスマップ」の中核的機能は、コミュニティ・アウトリーチであると述べる。…略…

So new media transform the isolating experiences of individuals into a social phenomenon that's harder to ignore. That in itself is powerful. The busy volunteers at HarassMap - which has no funding - have been approached by all kinds of government agencies and NGOs looking to use this information.
このように、新しいメディアが個々人の別々の経験を、無視しがたい社会現象に変容させているのだ。そのことは、それ自体パワフルなもので、「ハラスマップ」(このプロジェクトは資金を得ていない)のボランティアたちには、この(サイトの)情報を使うことを検討している政府機関やNGOからの接触がある。


エジプトの社会問題のひとつが「セクハラ」であるというのは、「革命」の最終日に、カイロのタハリール広場で、CNNの女性記者が性的暴力を受けて以降特に語られるようになった。私は英語を使ってツイートしているエジプトのツイッタラーさんたちを多くフォローしていたのだが、その半分くらいは女性だった(今も彼女たちのフォローは外していないが)。20代前半の大学生から50代の弁護士まで、年齢はわからないが考古学者やジャーナリストもいて、イスラム教徒もいればキリスト教徒もいて(これは「革命」が終わってから気づいたのだが)、さらには無神論者もいる。

彼女たちは抗議行動が開始されてすぐの頃からよく、口々に、「女子も安心して参加できる」という情報を発信していた。いわく、「普段のカイロだとやらしい目でじろじろ見られたり、『よぉ、ねぇちゃん』と口笛を吹かれたりするけど、タハリールではそんなこともない」など。

アルジャジーラで毎日中継されていた広場の映像のなかには、「保守的」な服装の女性たちも多く見られた。女性は女性で固まっていた彼女たちは、おそらく英語話者ではない(英語話者の人たちとは社会階級と受けている教育が違う)ので、直接声(意見)をきくことは私にはできていないと思うが、タハリール広場のテント村で子供にごはん(コシャリ)を食べさせていたり、広場でスローガンを叫んでいたりしていたあの女性たちは、ムバラク政権側が言っていたような「夫や父親に命令されて仕方なく出てきただけの、ムスリム同胞団の女たち」ではなかっただろう(そういう人もいたかもしれないが)。

そしてホスニ・ムバラクが政権を明け渡し、「革命の最も簡単な部分」が終わったあと、あのとき声を上げていた女性たちにとって、また別の闘いが始まった。「女は家に」という因襲的な社会を、どう変えていくか、どうやったら変えていけるのか、という問題だ。(エジプトがどのくらい「因襲的」、つまり保守的であるかは、別の話題だが、「ゲイ・ライツ」についての拒否反応もひとつの指標にはなるだろう。多かれ少なかれ「啓蒙主義的」な何かに接している、または関わっているであろう英語話者の、Twitterという場での発言、つまり英語を理解するオーディエンスを明確に意識した発言でこの反応である。これらの発言は、本当に拒否しているというより、激しく拒否するというポーズを示すためのように見えるが、主義主張ではなく、こういうマッチョな態度そのものが抑圧の力になる。ただし「わかってるだろう」的なお約束として身内の連帯を強化することもあるが。)

それと同じく語られだしたのが、「本人がいやがっているのに常に性的な存在として扱われること」、つまりセクシャル・ハラスメントのことだった。

電車で痴漢の被害にあって憤慨していると「ワタシ、イケテルでしょっていう自慢?」と返されたり、新宿でスカウトについてこられて迷惑したと言えば「ほんとは嬉しいんでしょ」と言われたりするような「社会」、コンビニでやけにピンク色の肌をした女子の素裸の絵が描かれた雑誌の表紙が、小学生の目の高さに並べられているような「社会」を知ってるから、その「ハラスメント」がどのくらい真剣にいやなものか、《他者》に伝える難しさというのは知ってるつもりで、その点、実は私はまったく楽観していない。

楽観はしていないのだけれど、冒頭に引いたオタワの新聞の記事にあったような「発言の場を作る」、「泣き寝入りで終わらせない」ための取り組みは、ものすごく大きな一歩だし、それによって救われる人たちが大勢いると思う。

ほんの少しでも、拡声器の威力を増す手伝いができれば、ということで、ハッシュタグ #endSH (end sexual harassment) と #stopSH (stop sexual harassment) のツイートと、「ハラスマップ」のツイートをアーカイヴした。

Sexual harassment and the Internet #endSH #stopSH
http://chirpstory.com/li/1838


アラビア語だから(ウェブ翻訳に投げないと)内容はわからないけど、男の人がずいぶん発言している。

「ハラスマップ」が呼びかけた「6月20日のブログ投稿キャンペーン」で、これは普遍性あるなと思ったサーカスティックなブログのエントリ:

I'm an Egyptian Woman and I Like Being Sexually Harrassed
http://diaryofadeskgirl.wordpress.com/2011/06/20/im-an-egyptian-woman-and-i-like-being-sexually-harrassed/

「エジプトの女子だから、セクハラされないと満たされない気分」、「スキニー・Tシャツは私のナイスバディをひけらかし男を誘うための服」云々という皮肉に続き、本音での不満が軽快に綴られる。最後のアラビア語の部分は私は意味は取れないが……。

※この記事は

2011年06月24日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 14:01 | TrackBack(0) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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