ここではCPJのブログのこの記事の内容を見ていこう。
Freelance, online reporting discouraged on nuclear threat
By Madeline Earp/CPJ Senior Research Associate
April 14, 2011 6:42 PM ET
http://www.cpj.org/blog/2011/04/japan-discourages-freelance-online-reporting-on-nu.php
少し説明を加えておくと、これはブログで、筆者のMadeline EarpさんはCPJのアジア・プログラムのシニア・リサーチャーである。中国と台湾で中国語を学び、ハーバード大で東アジア研究で修士号取得。(そんな経歴とは関係なく、単に、ファクトの確認が甘すぎると私は思うのだが。)
記事はまず、発生から1ヶ月経過してから、福島第一原発の事故について日本政府が「レベル7」への引き上げを発表した(4月12日火曜)という事実の提示から始まる。
そこはよいのだが、第2文がいきなり……:
It was not yet clear whether the administration or the Tokyo Electric Power Company, which runs the plant, withheld the extent of the risk.
「日本国政府または東電がリスクの程度を知らせずにいたのかどうか、その点はまだわからない」と、「当局は情報を隠している」との想定が前提となっている。
それは「疑惑」や「疑念」であって、論を立てるときの前提とすることができる「事実」ではないのだが。
その次が:
But the local media's habitual allegiance to officials who arrange press conferences and companies that buy advertising makes it hard to tell, and freelancers who are eager to probe deeper say their questions have been suppressed.
つまり、「日本のメディアは、習慣的に、記者会見の手配をする当局者/役人(←英語のofficialsという語の曖昧さの罠)や、広告枠を買ってくれている企業に対し機嫌を損ねることはしない。そのことが上述のことについて断定しづらい状況をもたらしている。そして、より深い調査をしようとしているフリーランスの人々は、自分たちの質問はもみ消されている suppressed と言う」。
いくつもの「問題」がいっしょくたにされた語り。頭痛いです。。。(例えば「イスラム世界の女性に対する抑圧」などを語るときにもよく見られるパターンだよね。「それ、別にイスラムに限らないから」ということを「イスラム世界の女性たち」にとっての決定的要因と見なしてしまうなどの誤謬があっても、「より大きな善なる目的」のもとでの「論」のためにはつっこまない、というような。)
まあ、これでもファクトの確認をしっかりやってくれてればいいのだけど、そこが……。
そもそもフリーランスの質問、別にsuppressされてないでしょ。「プルトニウムの測定ができてない」ことがはっきりわかったのはフリーの上杉隆氏の質問のおかげだし、上杉氏自身その「手柄」を語ってたじゃん、インタビューで。それに、大手メディアが、他人の「手柄」を自分たちの媒体での記事にするかどうかは別の問題。もし大手が記事にしていないのなら、記事にしなかった理由を朝日なり読売なり毎日なりに尋ねるのが筋。
続くパラグラフで、日本のマスコミの保守的構造の問題点について、CPJが過去に指摘していたこと(2010年に、「2009年版、東京におけるメディアに対する攻撃 2009 edition of Attacks on the Press in Tokyo」という報告書か何かを出しているとのこと)を説明している。具体的には「記者クラブ」なるものの存在と、フリーランスの排除。これは2009年時点での指摘としてはきわめてまっとうなものなのだろう。
ところがこの「2009年版、メディアに対する攻撃」なる文書、記事本文からリンクもされてないし、サイト内検索して当該頁を見つけ、目次を見ても、JapanもTokyoも見当たらないし、Other Countriesのところにも入ってないので確認ができないんですが……これ以上、費やせる時間もないので先に行く。
http://cpj.org/2010/02/attacks-on-the-press-2009.php
次のパラグラフは「記者クラブ」というシステムの問題点の指摘。取材する側とされる側がなあなあの関係なので、記者会見でまともなやり取りがなされないとか、大手メディアの記者(conventional reporters)のすることは大本営発表の受け売りばかりだとかいうのは、もっと精密な記述を要するにしても、まるっきり外れているわけではない。
問題は、まずはこの記事自体が「ソースは?」状態であることだ。下記に示す部分など、上杉氏のサイトやTwitterやNew YorkerやTimeOut Tokyoにリンクはれるんなら、international news reports sayのところにもリンクはれるはずだよね。でもリンクされてない。ウィキペディア以下。

Freelance, online reporting discouraged on nuclear threat - Blog - Committee to Protect Journalists via kwout
それから、それ以上に問題なのが、記者クラブ制度に異議ありとする「フリーランスの記者」たちが、何やら「真実を告げる正義の戦士」みたいに扱われている点。
そして、3月17日に官邸が記者会見を記者クラブ加盟者以外(外国の報道機関やフリーランス)にも開放した(→詳細)あとになって、まだ、会見がクローズドだという前提で考えている点。
で、「真実を告げる正義の戦士」のような扱いをされているひとりが、言うまでもなく、上杉隆氏なのであるが、前の記事において述べた通り、このCPJ記事が参照しているNew Yorkerのインタビューは地震発生から数日後の取材と考えられる。つまり3月17日に氏が暫定代表を務めている自由報道協会が「首相官邸への申し入れ一時休止のお知らせ」(3月16日)を出すに至った進展がみられる前の取材だろう。4月14日に出すブログ記事のソースとするには、いくらなんでも情報が古すぎる。
Time Outのインタビューも、4月1日にアップされているということは取材は3月中で、私は最初に読んだ時(多分4月2日)に「情報古くないか?」という印象を受けたことを記憶しているのだが(斜め読みしてスルーでいいやと判断したものなので、詳細は覚えていないが)、ともあれ、4月14日に出す記事の素材とするには情報が古すぎる。
で、CPJも上杉氏にメールで取材しているそうだが、その中身が:
"I have been frustrating TEPCO, government and all the Kisha Club media," Uesugi told CPJ by email. Appearing in his weekly guest slot on the local TBS radio station on March 15, he launched into a strong criticism of the power company. The station asked him not to come back. "I was removed from my slot on the TBS program permanently," Uesugi wrote.
つまり、TBSのラジオ番組から上杉氏が降ろされたとの件だ。(その語りっぷりが「僕はTEPCOや政府や記者クラブをいらだたせてきたので、クビになったんですよ」という「業績自慢」にしか見えないのだが。英文としてね。ライターの職務経歴書か、みたいな。)
氏は「TEPCOを批判したので」と述べているが、これについては「(TEPCOではなく)TBSに対する発言が原因だ」、「地震の前にその決定がなされていた」と、同じ番組をやっている
http://togetter.com/li/112151
もうね。。。
そしてこの次に、CPJのブログ記事は、別の「日本人ジャーナリスト」の話を参照している。マキコ・セガワさんという方で、2010年にCPJのために翻訳をしており(ひとりの人がジャーナリストと翻訳者の二足のわらじということは、英語圏以外では別に珍しくはない)、現在はシンゲツ・ニュースという日本と中東の関係に焦点を当てた新しいメディアで書いているとのこと。そしてそのセガワさんは「(大手メディアの)記者は東電の巨額の広告費を失いたくないのだ」と書いている、という。下記参照。
Why the caution? Japanese journalist Makiko Segawa writes that journalists are hoping to preserve their portion of the $120 million TEPCO lays out annually in media advertisements.
Segawa translated for CPJ in Tokyo in 2010 and now writes for the recently established Shingetsu News Agency, which focuses on Japan-Middle East relations. ...
その論拠としてセガワさんが挙げているのは、3月11日に津波のニュースが伝えられているころ、日本の大手メディアの重役何人かがTEPCOの勝俣会長に同行し、中国に旅行していた(経済交流団の名目で)が、そのときに東電が費用を一部出していたという件。これも、CPJは「セガワさんがシンゲツ・ニュースに書いた記事によると」と書いていながら、リンクしてくれていない。(ちなみにシンゲツ・ニュースさんはjugemブログで運営されているが英文である。)
その件はこれなんだけどね。検索したら、3月30日に2ちゃんで話題になったログが出てきた。
http://unkar.org/r/newsplus/1301480302
【東京電力】勝俣会長、中国旅行の際にマスコミ関係者の一部旅費を負担したことを認める★3
1 :帰社倶楽部φ ★[sage]:2011/03/30(水) 19:18:22.78 ID:???0
東京電力の勝俣恒久会長が、福島第一原子力発電所事故について30日に記者会見し、日本インターネット新聞社田中龍作記者の「事故当時マスコミ幹部を引き連れての旅行に行っていたという報道があったが東電持ちか」という質問に対して、「旅行については一部は持っているのではないか。マスコミの現役幹部というよりかはOBで研究会のような人たち。具体的なメディアの名前や人についてはプライベートなので私から明かすわけにはいかない。」と答えた。
<参照>津田大介氏のツイート
http://twitter.com/tsuda/statuses/52990314297831424
http://twitter.com/tsuda/statuses/52990840255156224
http://twitter.com/tsuda/statuses/52991019607789568
「東京電力の勝俣恒久会長が……記者会見し、日本インターネット新聞社田中龍作記者の……質問に対して……答えた」というこの情報が正確にCPJに伝わってたら、「4月14日に出す記事で、日本では大手メディアしか会見に出ることができないなんて書くのは事実としておかしい」と気づくはずだけど。
これはさすがに面倒がらずにシンゲツ・ニュースさんで記事を探してみたが、シンゲツのセガワさんは「田中さんというフリーのジャーナリストの質問に勝俣会長が答えた」ことは明示している。
しかし「フリーを締め出している」という結論を用意して記事を立てたCPJには、こういう単純なファクトはうっかり見過ごされるのだろう。あるいは意図的に華麗にスルーなのかもしれない。そういうファクトはどうでもよくて、「カネでマスコミを接待漬け」という、やけにバブルな香りのする(「MOF担」って覚えてる?)「汚職 corruption」的なネタには目が行く、と。
そしてCPJのブログは次のパラグラフで、「セガワさんによると、TEPCOに対するご機嫌取りは今に始まった話ではない (longstanding)。セガワさんは、元ジャーナリストの発言を引いて、2007年に福島の議員がTEPCOに対し、より高い津波防護壁を作るよう要請したが、それを報道した大手メディアは皆無だったと報告している」と……。longstandingっていうから正力松太郎の話でもでてくるのかと思ったら、2007年。(^^;)
それに、何でこういうのにリンクもつけないのかな。上杉氏のTwitterにはリンクする必要性はないけど、こっちは必須でしょ。第一、「福島の議員」って何議会の議員よ。国会か。ならば大手メディアが取り上げないのは政治的な意図があるかもしれない。しかし県議会や地元の市議会・町議会なら、地元の新聞は別として、大手(在京メディア)は気づきもしないだろう。いや、大手でも地方面には載るかもしれないけれど、そういうのはその地方に住んでいなければ目にしない。(うちら東京の住民が、名古屋市議会のあのすったもんだについてどんだけ聞いてる?)
ともあれ、これはセガワさんの記述を見てみないとわからないので検索してみたら、さっきのと同じエントリだった。セガワさんが参照しているという「元ジャーナリスト」はヒズミ・カズオさんで、「議員が東電に要請」というのは下記引用部分中の太字のところ:
http://shingetsublog.jugem.jp/?eid=73
Kazuo Hizumi, a journalist-turned-lawyer based in Tokyo, notes that TEPCO is in fact a bureaucrat-protected monopoly ...
As a former reporter for the Sankei Shinbun in the Osaka area, Hizumi recalls being instructed by his editors not to pursue stories that reflected badly on either TEPCO or the automobile industry (which carries similar economic and political weight).
"You know, it is a deeply rooted culture in the media not to say anything against them," he observes.
Hizumi also points out the fact that, in 2007, a local lawmaker of the Fukushima Prefectural Assembly warned against the potential danger of tsunamis and demanded that TEPCO construct a higher breakwater. Since no major media took up the story, however, the warning went unheeded
"The Fukushima disaster is partly the media's fault," Hizumi concludes.
本筋とは関係のないところで、「大阪地区の新聞記者」が「東京電力や自動車産業について悪く書かないように上から指示された」というのはどういうことなのだろうと思うが、今はその疑問は流して、「福島の議員」の件。「県議会議員」だそうだ。で、議会での要請が「メディアに注目されなかったので」流れてしまった、というのは、たぶん違うと思うよ。県議会でしょ。全国紙(=大手メディア)がどうのこうのという話じゃない。
ほんで、このセガワさんの記事を読んで、Kazuo Hizumiさんというおもしろいことをしている人がいるのだなあと思ってウェブ検索したら……

Japanese journalist-turned-lawyer fights media control - Blog - Committee to Protect Journalists via kwout

Japanese journalist-turned-lawyer fights media control - Blog - Committee to Protect Journalists via kwout
つまり2010年3月2日に、CPJの同じMadeline Earpが書いたブログ記事で、カズオ・ヒズミさんが特に取り上げられた記事がある、と。
なんだ、そういう「構造」なの?
……そおゆうことならはやくいってよ (^^;)
ともあれ、先に行こう。
この後は、「ネット上の流言蜚語についての対策」の件。これも、CPJが事実と中身をろくに把握していないようで……。(本気で「日本は中国のように言論を統制している」と考えてるんだろうか。)
まず、実際にどういう要請が出されたかという点について、日本語圏での報道から見てみよう。
もう1件、CPJのこの記事でいう「メインストリーム」ではないと考えられる専門的な媒体での記事も見ておこう。
「震災関連のデマは自主的に削除して」総務省がWebサイト管理者などに要請
2011/04/07
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110407/359198/
総務省は2011年4月6日、東日本大震災に関連してインターネット上に流れている流言飛語(デマ)について、法令や公序良俗に反すると判断したものを自主的に削除するなどの措置をとるようWebサイト管理者などに要請した。
電気通信事業者協会(TCA)、テレコムサービス協会(TELESA)、日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)、日本ケーブルテレビ連盟(JCTA)の4団体に対しての要請という形になっている。
同省によれば、震災発生後、地震や原子力発電所事故などについての「不確かな情報」や「国民の不安をいたずらにあおる流言飛語」が電子掲示板への書き込みなどによって流布しており、被災地における混乱を助長することが懸念されているという。
……
あくまでも要請という形になっているものの、具体的に震災や原発事故に関してどういう書き込みが流言飛語に当たるのかなどの基準や例は示されていないため、今後様々な論議を呼びそうだ。
「要請」の内容についてはここでは検討しない。見るのは単にファクトのみである。
明示されている通り、総務省からのこの要請があったのは「4月6日」である。そのことはCPJの記事にも正確に書かれている。しかし、「ガイドラインを施行するためのタスクフォース」? 何の話ですか。
On April 6, she [= Segawa] told CPJ by email, the Ministry of General Affairs announced a task force to enforce guidelines for Internet sites deemed to be spreading false rumors. ...
上の引用部分のリンクは原文にあるままで、これは総務省の告知の文書そのものだ。
報道資料 平成23年4月6日
東日本大震災に係るインターネット上の流言飛語への適切な対応に関する電気通信事業者関係団体に対する要請
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban08_01000023.html
ここに「タスクフォース」的な文言は見られない。ただ、元が悪文で(「東日本大震災後、地震等に関する不確かな情報等、国民の不安をいたずらにあおる流言飛語が、電子掲示板への書き込み等により流布している状況に鑑み、インターネット上の流言飛語について関係省庁が連携し、サイト管理者等に対して、法令や公序良俗に反する情報の自主的な削除を含め、適切な対応をとることを要請し、正確な情報が利用者に提供されるよう努めること」の主述の関係が曖昧でなおかつ複雑で行為主体が不明確)、翻訳不能だったのかもしれない。日本語話者のセガワさんが長々と説明したのが、「タスクフォース」と単純化されたのかもしれない。いずれにせよ、ファクトに照らして不正確だ。
で、CPJのブログは、TELESA(テレサ協:CPJでのテレサ協についての説明が「日本最大のインターネット・プロバイダーのひとつ」とあるのはご愛嬌ということで流して)が「そのタスクフォースの要請のいくつかに従ったことを4月8日に開示した」と書いて、TELESAのページにリンクしているのだが:
http://www.telesa.or.jp/taisaku/
ええと、もう一回見直しておくと、「総務省の要請」があったのが4月6日なので、それに応じてテレサ協が動いたということなら、4月6日以降の日付でなければならない。だが、このページにある4件は3月中の日付と4月1日である。
ちなみにこのページに掲示されているものは、“関係の事業者等が、「インターネット上の違法な情報への対応に関するガイドライン」や約款に基づき、自主的に削除等の対応を行ったもの”だと説明されている。約款は各業者の定めたものだろう。「ガイドライン」は、4月6日の総務省の「流言飛語への適切な対応に関する電気通信事業者関係団体に対する要請」なのだろうか。不明。てか調べてない。
その上、このページに掲示されている4件は:
・3月17日=「人工地震だ」という記述@ブログ→会員が削除
・3月24日=原子炉のメーカーについての不正確な記述@コミュニティ→確認の上、削除せず
・3月28日=「人工地震だ」という記述@ブログ→確認の上、措置は講じず
・4月1日=ご遺体の写真@ブログ→約款に照らして禁止事項と判断し、送信防止措置(「非公開画像」としたのだろう)
「人工地震」っていうのは、「陰謀論」系の思考回路を持つ人々の間でまことしやかに囁かれる「地震兵器」のことだろう。あまりにばかばかしいのでほとんどの人がスルーしている結果、そんな説があることも知らない人もいるかもしれないので少し状況の説明をしておくと――Togetterでまとめてくれていた人がいるので私も確認できるのだが――地震が起きた直後からわらわらと沸いている。しかも「海外では……皆つぶやいている」などという、上杉氏のような大雑把な「皆」という用語での語りもある。(ちなみに、私のTwitterの画面は7〜8割が英語だが、「地震兵器だ」などと言ってる英語話者は1人もいなかった。)こんなのでも、サービス運営者は削除はしていない。その程度に「言論の自由」は保障されている。「地震兵器」に興味を持った人がネット検索すれば、情報は得られる(中身はトンデモだけど)。中国などの圧制国家ならそれを禁止ワードに指定しているか、それを検索した人物を追跡しているだろう。
原子炉のメーカーについて書かれたことが事実に反しているとの「通報」でのサービス運営業者の対応も、極めてありふれたものだ。注目すべき点など何もない。「当事者間で解決してください」ということだろう(昔のニフティのフォーラムとか、古くからのはてな利用者には特におなじみのフレーズだと思う)。
一方、ご遺体の写真は、今回の地震での写真でなくとも、規約上問題があると判断されることもあるだろう。そしてそういう規約があるのは日本の業者だけじゃない。最近問題になっていたのだが、リビアやバーレーンの記録映像(かなりショッキングなもの)がYouTubeでログインしていないと見られなくされていたりした。Flickrだって強制非公開のシステムはある(publicの範囲から外される)。
で、CPJのブログは、原文(総務省とかテレサ協とかの)を参照してもいないし、ファクトチェックもしていない。その代わりに、「ご遺体の写真など、禁止された情報のネットからの削除という結果になった、とセガワさんは書く」と、まったく間違ったことを書いている。(テレサ協のページにある4例のうち、唯一「見られない状態」にされたご遺体写真も、「ネットから削除」されたわけではない。単に「非公開」扱いにされただけである。)
その上:
"The media has not covered this story," she told CPJ.
「メディアはこれを取り上げていない」って、当たり前だ。どこの大手メディアが、「地震兵器がどうのこうのと書いたブログに、運営業者が削除要請」とか、「ご遺体の写真が非公開措置に」といったことを書くか。そこまでヒマなメディアは、大手に限らず、ないだろう。2ちゃんでもスルーされるレベル。CPJはそんなことをいちいち質問して何がしたいんだ。
正直、CPJに幻滅した。元々日本については質は期待できないということは把握していたのだが(「フリーライターがヤクザに脅される」ことは問題だが、それが「報道の自由」の問題だとは私は思っていないので……)、ファクトの把握がここまで杜撰だとは思っていなかった。
CPJの記事の締めは:
It is to be hoped that this step toward controlling online information does not solidify into a long-term censorship policy. The people on the ground are the ones the government should be working to protect--not TEPCO's interests, or its own grip on information.
まあ、これ自体は今回の総務省の要請を受けての反応としては、妥当な範囲だと思う。
あー、疲れた。あとはCPJブログのコメント欄でも見てください。CPJブログについて何か意見のある方はあっちのコメント欄へどうぞ。(私に言わないでください。もう疲れたので。)
http://cpj.org/blog/2011/04/japan-discourages-freelance-online-reporting-on-nu.php
※この記事は
2011年04月20日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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