http://nofrills.seesaa.net/article/193640181.html
英デイリー・テレグラフが「トップ10」を選んで掲載。自分のところのはややスベった感じで(労働党党首が手続き的に結婚していないという話……そんなのネタにするほうの頭の中がくだらない)、今年のベストはやはりガーディアンということになるらしい。作りこんでたもんなあ……。
http://www.telegraph.co.uk/news/newstopics/howaboutthat/8421249/Top-10-April-Fools-Day-hoaxes-2011.html
1位はガーディアン、続いてグルーポン、YouTube、Gmail Motion(これは笑った)……あれ、Googleの「Comic Sansデフォルト化計画」がない(笑)。GoogleがComic Sansを標準にするので、手始めにHelveticaが放逐されている、という衝撃的な光景。右にキャプチャをはっておきます(クリックで原寸表示)。
テレグラフのほかにも2本くらい、英語圏で「エイプリル・フールのまとめ」の記事は見たんだけど、特に何か、というのはなかったような……BBCはラジオで何かしたらしい(国内芸能ネタ系でわかんなかった)。新聞ではガーディアンのとインディペンデント(クリスチアーノ・ロナウド)と、あとミラーが何かやってるというのがあって……。それとニュースでは、日銀短観の発表しなおしの件が、TEPCOの度重なるデータ修正に人々が連日ずっこけているときにはちょっとあれよねー、「おーい日本、大丈夫か?」的な。
北アイルランドは異様に静かだったらしいのだが(でもナショナリストのメディアは相変わらず、ばりばりの分離主義ジョークだというのがもうね)、格の違いを見せ付けたのがアイルランド共和国のメディアで、特にRTEの「下院のバーが生まれ変わります」ネタとか(昨年、首相がラジオのインタビューでぐだぐだになってて、「酔っ払ってんじゃねぇの」疑惑が出た)、「英女王訪問中は昔の(植民地化されていた時代の)名前に戻す条例案が通った」とか、あのライアンエアが「子供の搭乗を禁止して快適な旅を」とかいうのをやりだしたとか(しかも真に受けたアメリカ人がいたとか)、息を吐くようにネタを飛ばす人々の余裕が。(笑)
余裕といえばジェレミー・スカヒル氏の「The Nation(リベラル左派)からThe Weekly Standard(ビル・クリストル&ネオコンのみなさん)に移籍しますた」ネタだ。
これ、The Nationまでグルになって展開し、あまりにすごかったのでついつい「まとめ」てしまった。何人騙されていようと、そのまま続けるのがマッチョですごい。元CIA(バリー・アイズラー)まで「もうやめて、あなたのフォロワーのライフはゼロよ」的なことを言ってきてるのにかまっちゃいない。きゃー、オトコマエ。RTの文言もうまく編集し、すべてが「ネタ」であることを隠蔽。あんまり徹底しているので、私も途中で一瞬、軽く不安になったほどだ。
なお、ジェレミー・スカヒルはTwitterでは常にこんな方向性のノリだが、まとまった文章はすごく真面目なので安心して読んでいただきたい。というかめちゃくちゃ重いです。
Blackwater: The Rise of the World's Most Powerful Mercenary Army
Jeremy Scahill
ほかに見てておもしろかったのがMashable掲載のインフォグラフィックス。アンケートに回答した人の何パーセントが、職場の上司に4月馬鹿を仕掛けるか、など。
さて、以下は今年のベストのガーディアンのprankの解説(のようなもの)。
元ジャーナリストの牛津の姐御は「わかりやすすぎて4月1日っぽくない」と評していたが、ガーディアンは毎年わかりやすい(去年のゴードン・ブラウンの「坊ちゃま育ちのもやし野郎が上等だ、かかってきな」ポスターとか)。今年は、今月末に迫ったウィリアム王子の結婚式を前に過熱するメディアの躁状態(主にタブロイドの)を、全力でおちょくるという内容。ガーディアンが得意とする「ライヴ・ブログ」の形式で、画像や音声を取り込みつつ、午前7時半から11時半まで、全部「ネタ」。(笑)
7時半に「おはようございます。今日から毎日、ロイヤル・ウェディングについてライヴ・ブログでお届けします!」云々で始まり、途中、いつも通りに「記者からのツイート」や「ニュース速報」を挟みつつ(何も起きていないのに!)、実際にこんなのずっとレポートしてたらどんだけくだらないか、ここまでのリソースを割いて見せてくれる。
というかこれ、日本ではあれよね、元アイドルが薬物でパクられたとか、歌舞伎役者が飲んで暴れたとかで独占されたテレビのニュースそのもの。(歌舞伎役者のほうは私は一切見てなかったのだけど、元アイドルのときは夕方のニュースを時々つけてたので、どういう状態だったかは、まあ知ってる。)
可笑しかったのが、7:53の「フランスが鵜の目鷹の目で狙っている」(リビア情勢、日本の原発処理への皮肉)の項目で、"Paris-based political analyst Avril de Poisson" が出てくるところ。その後は8:15の更新の過剰さとか(やりすぎw)、8:24のメラニー・フィリップス(の文体模写)とか、立て続けすぎて疲れる。
10:06ではなぜか、インディペンデントのロバート・フィスク(中東のベテラン記者)がケイト・ミドルトンのドレスのレポートをしていることになっているし、一方でデイリー・メイル(王室ネタと健康ネタと女性ネタで食ってる、みのもんたの番組のような新聞)が「ロイヤル・ウェディングで交通渋滞が引き起こされる」と批判的キャンペーンを張ってることになってるし、10:29にはTrutherが登場(意味わからん)、10:37では「武装アナーキストが占拠」。
そして10:52にはついに……
Speak of the devil, here's an intriguing couple of tweets from Wikileaks:
@wikileaks Guardian royal wedding story is CIA-funded lie. We will be suing for malicious libel.
@wikileaks Looking for spare sofabed in the Stockholm area in coming weeks, any offers?
さらに11:29には……(これほぼ実話だろw)
Prince Andrew, meanwhile, has negotiated some cobalt mining rights in Azerbaijan for William and Kate, though it's understood that they'll have to front up some of the cash themselves. More soon.
そして最後は11:38で(英国では、エイプリル・フールの冗談は午前中に終わらせることになっている):
Well, this is rather awkward. It seems we're going to have to interrupt the live blog, perhaps indefinitely. We've received a communication from Buckingham Palace suggesting that some of the contents of this blog could contravene the Treason Felony Act of 1848.
また歴史と伝統の、「100年以上前の法律のせい」か!(大爆笑)
そしてコメント欄でも、ひっかかった人とか悪乗りする人とかが相次いでいるのだが、お茶ふいたのが:
Hope you'll also be reporting on the honeymoon in San Seriffe....
BBCの「スイスでは今年もスパゲッティの収穫が最盛期を迎えています」に次ぐ歴史上の大名作、「サン・セリフ島」(1977年、ガーディアン)!
オナカイッパイっすw
一方で、「ロイヤル・ウェディング」のネタでは、Twitter上でこんな感じのがいくつか。(@fieldproducerだけじゃなくて、何人かジャーナリストが「挙式まで1ヶ月を切っているのに!」という調子でURLをペタリしてツイートしてた。)
※この記事は
2011年04月02日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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