そんな彼から数時間前に入ってきた速報。
つまり、「@GreatDismalこと、ウィリアム・ギブソン氏が書いてくれるとのこと!」
マ ジ で す か
#QuakeBook FTW!
しかも:
The first oneって、い い の か 俺 で
というかおそれおおい。
そんなこんなで、先日書いた原稿(英文)の日本語版。自分で書いた英文を自分で翻訳するという非常に苦しい作業ですが……。
http://nofrills.seesaa.net/article/191378668.html
今まで知らなかった地名
これらの地名を、私はほとんどまるで知らなかった。仙台とか石巻とか陸前高田のような「より著名な」地名はもちろん知っているが、小さな町となると何も知らない。そう、ちょうど北アイルランドのオマーという地名を知ったのもこんな感じだった。1998年Real IRAの爆弾で29人が殺されて、それでその地名を認識したのだ。どうせならもっと違うきっかけで知りたかったのに。
ともあれ、私が地名を知っていようがいまいが、その土地にはそこで暮らしている人々がいる。一枚の写真がある。日付は3月13日。地震と津波の後、最初に入った独立ジャーナリストのひとりである冨田きよむさんの撮影だ。「家族を亡くし、うずくまる女の子。野蒜にて」。
http://twitpic.com/49ug0u
いくつだろうか。11歳か12歳か? 涙が出てきた。地震後、初めての涙。少ししてよく見ると、写真にはもう1人写っている。女の子の隣に、黒い靴下の人がいる。ということは、この子はひとりではない。少なくとも、誰かがいる。私は合掌し、「野蒜」という地名を記憶した。そしてネットで検索し、その町が宮城県のよく知られた海水浴場だということを知った。言うまでもなく「野蒜」は植物の名前でもある。そういえば、女の子の着ていたパーカーは緑色だったな……私はコンピュータの電源を落とした。それから、「福島県の双葉」という地名。3月12日の土曜日、私は地元の複数のスーパーに行った。大資本の大規模店舗のほうはほとんど何も棚にないような状態だった(でも生姜は買えた)。もう1軒の、地元にしか展開してないような店はパニクって買占めに走る客が少なかったようで、特に青果のコーナーは普段とほとんど変わらない品揃えだった。ほっとしながら見ていると、「福島」の文字。ごくありきたりの春菊の袋だった。そのとき既に、「部分的メルトダウン」は報じられていた。私は春菊を買って帰り、これを作ってくれた農家の方々の無事を祈り、調理して、美味しくいただいた。
http://twitpic.com/49m8gj
あとから確認したのだが、双葉町では最初の被曝の事例が報告されていた。うちの地元のスーパーで「双葉の野菜」を見ることは、この先ないだろうと思う。
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 3.0 Unported ライセンスの下に提供されています。
私が書いた部分と私の写真(春菊)についてはCreative commonsのライセンス(BY-NC-SA)です。再利用・リミックス(翻訳含む)自由です。販売は禁止。著者クレジットは「nofrills」もしくは「いけだよしこ」で。(オンラインの場合nofrillsのほうがいいです。)
※冨田きよむさんのアカウント(冨田さんも非商用で情報を広めることを目的とする場合は、著作権者「冨田きよむ」さんの名前の表示で利用可とおっしゃっておられます):
Twitter: http://twitter.com/KiyomuTomita
写真: http://twitpic.com/photos/KiyomuTomita
ちなみに、春菊はえのきと一緒にさっと茹でて、ゴマをふってめんつゆで簡単な和え物にしました。
アップデート:ウィリアム・ギブソンさまの仕事が早すぎる件。まさにgodspeed.
この「東日本大震災救援 電子ブックプロジェクト」についての詳細は、「敏腕エージェント」をフォローで!
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※この記事は
2011年03月21日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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