「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2010年12月28日

ノルウェーの『アフテンポステン』がウィキリークスの米公電全点ゲット、との件 #WL_JP

欧州がクリスマス休暇に入る直前の12月22日、日本時間の夜9時過ぎに、「ノルウェーの新聞社が、ウィキリークスが持っている米国の外交公電25万点超をまとめて入手した」との報があった。

私が見た最初の報のひとつはこれだ(英タイムズのアレクセイ・モストラス記者):


日本語では@transleaksさん:


ここらへんの英語tweetsを、http://togetter.com/li/81857 にまとめてある。

http://togetter.com/li/81857 でページ内検索を使っていただくなどすればここらへんの話は簡単に見つかるだろう。

ウィキリークスについて最も情報の早いエフゲニー・モロゾフは、この日は大統領選挙後の混乱(彼はベラルーシの人)もあり、ロシアでの妙な動き(ホロコースト否定論者がWLに絡んできた件)もありという中で、この「ノルウェーの新聞が全部ゲット」の件について、次のように述べている。
Doesn't anyone care that the entire cable database has now ended up somewhere in Norway? That's a major screw-up, WikiLeaks
2010-12-22 22:40:47
http://twitter.com/evgenymorozov/status/17575276951117824

@aaron** well, there is no word of any "deal" from WL. If they confirm they gave access to Norwegians, they yes, no difference...
2010-12-22 23:53:08
http://twitter.com/evgenymorozov/status/17593487708921856

@aaron** true but then The Guardian acknowledged that they gave access to NYT. Who gave access to Norwegians? Once we know, it's ok
2010-12-22 23:55:17
http://twitter.com/evgenymorozov/status/17594025800372224

@aaron** now imagine someone gives access to Pravda. wouldn't you want to know the details?
2010-12-22 23:55:47
http://twitter.com/evgenymorozov/status/17594150455091200


ああ、私これまとめた時には見落としていたけど、ロシアのウィキリークス担当新聞、つまり『ノヴァヤ・ガゼータ』も全面アクセス権ゲットしてるという情報(既に何箇所かで報じられている)もある……エフゲニーの12-22 22:47のtweetを参照。(このツイートの意味がわかんないという方、さらにそれがどういうことか調べられない方は、この件のつっこんだ追及は無理です。)(まったく、すげー情報量だな。。。)

閑話休題。エフゲニーはこの時点で、ウィキリークス側から「アフテンポステンと取引をした」という話は聞いていない、と述べている。

その後、彼はこの話題についてはtweetしていない(28日時点)。彼のTwitterのページでこの日付の後で「ノルウェー」への言及がみられるのは、第三者のtweetをRTしたもので、そのtweetは「VISAとMastercardに対し、ノルウェー政府とアイスランド政府が調査」のニュースの紹介で、本件とは関係がない。

ともあれ。

ああ、先に行く前にもう少し日本語での情報……12月22日から23日分の #wl_jp のまとめから。







……とまあこんな感じで、アフテンポステンが入手したというのはガセではない、ということはつかめてきていたのだけど、この時期(23日)、私は特に明文化していないかもしれないけど、Twitter英語圏での懐疑論者(というか「慎重派」)からは「(英語の)報道記事に、公電そのものへのリンクがはられていないし、公電の文書番号が記事中に記載されていない。よって、捏造でなく本物だとの確証がない」という声が出ていた。

そうなのよねー、とか言いつつ、圧倒的な物量に流されて気づけば24日、欧州はクリスマス休み……。

で、あちらがクリスマス休暇入りしたあとも、個人的にはGoogle Newsで"aftenposten wikileaks" で新情報が出ないかどうかチェックしていたのだが、24日を最後に、現地英語メディアThe Foreignerもお休みに入っていたようで何も情報なし。(なお、24日の記事でも文書番号などなし。これ、検証可能性という点から非常にまずい公開方法なんだけど。。。)

そして今日28日、やっと来たわよ!――というのが本エントリの本題。

Google Newsのキャプチャ@12月28日午後4時半ごろ(日本時間):

※画像クリックでフルサイズ。

キャプチャ画像で「16時間前」のタイムスタンプがついているのは、ノルウェーのThe Foreignerの記事。ノルウェーの国内問題として取り上げている(アフガニスタン派兵)記事だが、ウィキリークスについて触れている部分では12月1日の記事(NYTからの伝聞記事)が参照されており、12月1日の時点でわかっていたことについて、その後ノルウェー国内での進展というか展開の話題。個人的に完全に関心外なので飛ばす。
http://theforeigner.no/pages/news/huge-norwegian-afghan-defence-bill-mounts/

「13時間前」のタイムスタンプのハアレツ記事は、ええとさっき書いたんだ。話題は、2006年の「ムハンマド戯画騒動」の背後で糸を引いていたのはシリアだったんだよ!な、なんだってーー。
「ウィキリークスの持ってる公電全部ゲットした」と豪語するノルウェーのAftenpostenからの孫引き英語記事 by DPA (ドイツェ・プレスか?) on ハアレツ。例によって文書番号が記事中にない。 / Syria h… http://htn.to/NSzihH
http://twitter.com/#!/nofrills/status/19652719086145536


この時期、シリアが米国によってどういう存在として仕立てられていたか、どのような大きな物語が描かれようとしていたか、ということと、あわせて読みたい。

ていうかあの戯画騒動って、英国では「パキスタンの組織が背後に」とか言われていたんじゃなかったかしらん。

……なんてことをやってると進まないので次。

「11時間前」のタイムスタンプのアルジャジーラも、上記ハアレツ掲載DPA記事と同じお題。
#wl_jp 先ほどのDPA on ハアレツの記事と同じ件、AJE記事。これにも文書番号など詳細なし。Aftenpostenで英語でパブリッシュされたとある。問題のケーブルはダマスカスの米大使館発。情報源実名入り(伏字)。/ C… http://htn.to/DVPXua
http://twitter.com/#!/nofrills/status/19653954635833344

というように、AJEは多少は詳しいのだけど、肝心の文書へのリンクもなければ文書番号もない。

その次の「10時間前」は……えーっと、トリポリ・ポスト! 初めて見た!! っていうか言いづらいし打ちづらいぞ>トリポリ・ポスト。
http://tripolipost.com/articledetail.asp?c=1&i=5256

でも大佐、今日の日付で出ているこの記事の内容は……ええと、メイン扱いになってるのが先週のニュースです……。「先週木曜日に、ジュリアン・アサンジは『これからイスラエルの文書、出していきますよ』と述べた」というもの。AJEのインタビュー(サー・デイヴィッド・フロストの番組)かな。つまり「この1週間のまとめ」的なもの。

最後。「8時間前」のエルサレム・ポストはこれ。
http://www.jpost.com/DiplomacyAndPolitics/Article.aspx?id=201206

バイアス強すぎて、私にはぱっと見ても意味が取れない。じゃあっつって本腰入れて読むか、というヒマはない。基本的にイスラエル右派が「ノルウェーがわが国をdisっていた、連中は陰謀の一部だ」と言ってるだけに等しいので。それに、これにも文書へのリンクも、文書番号もない。

ほんで、あらまーこまったわね、そういうところどーなってんのかしらねっつって、Twitterで検索すると:
http://twitter.com/#!/search/aftenposten

するとこういう方がいらして:
More #wikileaks #cablegate http://bit.ly/flPZ0Y Now 37 cables from Aftenposten including 09OTTAWA874
http://twitter.com/#!/anev2010/status/19579769653821442


これはいいリスト:
http://www.win.tue.nl/~aeb/soc/wl/aftenposten/aftenposten.html

しかし!!!



……ていうか、ほんと、どこを見たら何がどの程度わかるのでしょーか。もう誰も「全てを追う」ことはできてないような気がするけど。(例えばニュージーランドはニュージーランドでやってるということは、キウィ方面から流れ着くtweetでわかるのだが。)

それでも、一番まとまってるのは多分ここっすよ。Creative Commonsで BY-SA のライセンスなので、翻訳と公開も好きにやっちゃってー、というサイト。日々の報道のリンク集&その他進展あれこれ。



WL Central
An unofficial WikiLeaks information resource
http://wlcentral.org/


※この記事は

2010年12月28日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼