「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2010年12月26日

Gorillazの新作、The Fall全曲ストリーム開始 #lovemusic_cpn

Gorillazのラスト・アルバムになるのではないか、など、しばらく前から(たぶんEMIのキモ入りで)英メディアで話題になっていたGorillazの新作アルバム、The Fallが、バンドのサイトで全曲ストリームされている。

これが、「見せ方」に対するアーティスト・コントロールも含めて、すごくいい。

Gorillazはビジュアルも含めてひとつのバンドなので、ショートカットせずに順路を説明すると:

http://gorillaz.com/
↑ここで画面を下の方にスクロールすると、左向き矢印で「Listen Now」と書かれたポスターがある。これをクリックするとアルバムThe Fallの特設サイトが開く。



ここで、ページ右側のフォームに必要事項を入力してゴリラズのメーリング・リストに登録すると、全曲ストリームができる。

フォームの記入必須事項は上の2つ(アステリスクがついている)、「名前」と「メールアドレス」だけ。その下の「性別」、「郵便番号」、「国」、「携帯」、「生年月日」は任意。

フォームの下の "We may use information ..." 云々は、「入力されたメールアドレスに弊社からのご案内をお送りしてもいいですか」というEMIグループ(ゴリラズの所属レーベル)からのメッセージ。不要な場合はチェックボックスをクリック。

その下にあるパラグラフは、「このフォームの送信をもって、弊社プライバシーポリシーに同意いただいたものとします」という注意書きで、その右下にある "Sign Me Up" のボタンをクリックすれば完了。メールチェックする手間なく、その場でプレイヤーが表示される。

なお、いったん上記フォームに入力したあと、ブラウザを閉じるなどしてログアウト状態になってしまっている場合は、Sign Me Upのボタンの左側にある "I'm on the mailing list" をクリック。

これで全15曲のストリームが聞ける。内容はまさに、2010年の北米ツアー中に訪れたそれぞれの場所での音楽日記、という感じ。ゴリラズのサイトのプレイヤーでは右の縮小キャプチャのように、1曲ごとにその場所での写真を見せてくれる(写真撮影としては、Jamie Hewlettらがクレジットされている)。かつて12インチのアナログ盤の時代、大判サイズのブックレットでこういう「音以外のおまけ」を見るのが当たり前だったときの感覚。(デイモン・アルバーンも、ジェイミー・ヒューレットも、そういう経験をしている世代だ。)

ツアーはカナダから米国東海岸に入り、五大湖の方にいって、まっすぐ南下してテキサス、そこから西海岸へ……というルートだ。詳細は下記で確認できる。
http://gorillaz.com/tour-dates#NA

制作にはiPadを使ったとのことで、まさに、ツアー中のデイモン・アルバーンの「音&音楽日記」がベースなのだろう。かなりパーソナルな感じ。例えば、Flickrで東京観光に来たアメリカ人が、東京在住者では気付かないような、「へぇ」という写真をアップしてくれていることがあるが、そういう「パーソナル」さに近いというか。

デイモン・アルバーンの言葉:
Albarn ... has called The Fall a love letter to America. "I used to be very baffled by this place, and I guess I still am in some ways. But right now, with all that's going on, this is a good place to be."

アルバーンはこのアルバムはアメリカへのラブレターだと言っている。「昔はアメリカには非常に大きな違和感があって、今もまだいくらかは違和感を覚えるんだけど、でも今のところは、いろいろとあるんだけど、居心地は悪くはないと思う」
http://www.guardian.co.uk/music/2010/dec/25/damon-albarn-fall-gorillaz-ipad


自分が北米に行ったことがあったりすればもっと重ね合わせられるイメージは明確なのだろうが、私の中にはバクゼンとしたイメージしかなく、それゆえに「イギリスっぽいというよりアメリカっぽい感じ」といったよくわからない相対論だとか、曲名を見て「なるほどねー、デトロイトねー」と納得するという印象論だとか、いわば雑念とか煩悩のようなものも出てくるのだが、単におもしろいよ、このアルバム。訪れた場所で採録された音もかなり使われてるようだし(例えばラジオのテキサス訛り……もちろん、God bless Texasのフレーズも入ってる。あと、LAで録音された駅の案内の音声)。

ストリーミングのページ内に、15曲のそれぞれについて詳し目のクレジットがあり、何月何日にどこで作った、ということも書き添えられている。(ツアー中にこれできるんだから、すごい制作エネルギー。)ゲストはミック・ジョーンズ、ポール・シムノン、ボビー・ウーマックなどなど。

制作に使用されたiPadのアプリの一覧も、同じページに。

惜しいのは、ボリューム・コントロールがないんだよなあ……こちらのパソコンで調整すればよいのだけど。。。こういうflashベースのプレイヤーにはよくあることだけど。

なお、このアルバム、当初は「クリスマス・デイ(12月25日)にゴリラズのサイトで無料配布」と伝えられていたし、ガーディアンではいまだにそういう扱い (Gorillaz give away their new album) になっているけれど、それはたぶん所属レーベルと業界コンサルによる話題づくりのフカシ(←憶測だけど)をろくに確認せずにそのまま書いているだけで(記事では「新しいビジネスモデルが」何ちゃらと語る人が出てきて、正直しらける)、今無料でDLできるのはゴリラズのファンクラブ(会費£30……普通にCD買うなら£5〜7の範囲)の会員だけ。一般人は今はウェブ・ストリーミングで聞くだけで、iPodなどで聞きたければ2011年の正式なリリースを待て、とのこと。

しかしガーディアン記事、記事も提灯記事で概ねくだらないが、コメント欄もひどい。「iPadなんかでマトモな音楽作れるわけねーじゃん」みたいなのは炎上マーケティングのサクラか?

同じ記事から、iPadについてのアルバーンの言葉(明らかにAppleの「宣伝マン」をやらされているわけだが):
"I've never been someone who's embraced technology particularly," frontman Damon Albarn told a New Zealand TV station this month ... . "I've always tried to keep true to my roots, which was just a four-track and a guitar, but I got given an iPad and I suddenly found myself in a position where I could make quite a sonically sophisticated record in my hotel room."

「これまで特に最新のテクノロジーを使ってみました、的なことはしてこなかったし、自分のルーツ、つまり4トラック+ギター1本っていうやり方にはこだわっていきたいと思ってきたんだけど、iPadをもらって、触ってみたら、あ、これならホテルの部屋にいてもけっこう音的にちゃんとした作品が作れるんじゃないのっていうことに気づいた」
http://www.guardian.co.uk/music/2010/dec/25/damon-albarn-fall-gorillaz-ipad

※この記事は

2010年12月26日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 17:00 | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼















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