これが、「見せ方」に対するアーティスト・コントロールも含めて、すごくいい。
Gorillazはビジュアルも含めてひとつのバンドなので、ショートカットせずに順路を説明すると:
http://gorillaz.com/
↑ここで画面を下の方にスクロールすると、左向き矢印で「Listen Now」と書かれたポスターがある。これをクリックするとアルバムThe Fallの特設サイトが開く。
ここで、ページ右側のフォームに必要事項を入力してゴリラズのメーリング・リストに登録すると、全曲ストリームができる。
フォームの記入必須事項は上の2つ(アステリスクがついている)、「名前」と「メールアドレス」だけ。その下の「性別」、「郵便番号」、「国」、「携帯」、「生年月日」は任意。
フォームの下の "We may use information ..." 云々は、「入力されたメールアドレスに弊社からのご案内をお送りしてもいいですか」というEMIグループ(ゴリラズの所属レーベル)からのメッセージ。不要な場合はチェックボックスをクリック。
その下にあるパラグラフは、「このフォームの送信をもって、弊社プライバシーポリシーに同意いただいたものとします」という注意書きで、その右下にある "Sign Me Up" のボタンをクリックすれば完了。メールチェックする手間なく、その場でプレイヤーが表示される。
なお、いったん上記フォームに入力したあと、ブラウザを閉じるなどしてログアウト状態になってしまっている場合は、Sign Me Upのボタンの左側にある "I'm on the mailing list" をクリック。

ツアーはカナダから米国東海岸に入り、五大湖の方にいって、まっすぐ南下してテキサス、そこから西海岸へ……というルートだ。詳細は下記で確認できる。
http://gorillaz.com/tour-dates#NA
制作にはiPadを使ったとのことで、まさに、ツアー中のデイモン・アルバーンの「音&音楽日記」がベースなのだろう。かなりパーソナルな感じ。例えば、Flickrで東京観光に来たアメリカ人が、東京在住者では気付かないような、「へぇ」という写真をアップしてくれていることがあるが、そういう「パーソナル」さに近いというか。
デイモン・アルバーンの言葉:
Albarn ... has called The Fall a love letter to America. "I used to be very baffled by this place, and I guess I still am in some ways. But right now, with all that's going on, this is a good place to be."
アルバーンはこのアルバムはアメリカへのラブレターだと言っている。「昔はアメリカには非常に大きな違和感があって、今もまだいくらかは違和感を覚えるんだけど、でも今のところは、いろいろとあるんだけど、居心地は悪くはないと思う」
http://www.guardian.co.uk/music/2010/dec/25/damon-albarn-fall-gorillaz-ipad
自分が北米に行ったことがあったりすればもっと重ね合わせられるイメージは明確なのだろうが、私の中にはバクゼンとしたイメージしかなく、それゆえに「イギリスっぽいというよりアメリカっぽい感じ」といったよくわからない相対論だとか、曲名を見て「なるほどねー、デトロイトねー」と納得するという印象論だとか、いわば雑念とか煩悩のようなものも出てくるのだが、単におもしろいよ、このアルバム。訪れた場所で採録された音もかなり使われてるようだし(例えばラジオのテキサス訛り……もちろん、God bless Texasのフレーズも入ってる。あと、LAで録音された駅の案内の音声)。
ストリーミングのページ内に、15曲のそれぞれについて詳し目のクレジットがあり、何月何日にどこで作った、ということも書き添えられている。(ツアー中にこれできるんだから、すごい制作エネルギー。)ゲストはミック・ジョーンズ、ポール・シムノン、ボビー・ウーマックなどなど。
制作に使用されたiPadのアプリの一覧も、同じページに。
惜しいのは、ボリューム・コントロールがないんだよなあ……こちらのパソコンで調整すればよいのだけど。。。こういうflashベースのプレイヤーにはよくあることだけど。
なお、このアルバム、当初は「クリスマス・デイ(12月25日)にゴリラズのサイトで無料配布」と伝えられていたし、ガーディアンではいまだにそういう扱い (Gorillaz give away their new album) になっているけれど、それはたぶん所属レーベルと業界コンサルによる話題づくりのフカシ(←憶測だけど)をろくに確認せずにそのまま書いているだけで(記事では「新しいビジネスモデルが」何ちゃらと語る人が出てきて、正直しらける)、今無料でDLできるのはゴリラズのファンクラブ(会費£30……普通にCD買うなら£5〜7の範囲)の会員だけ。一般人は今はウェブ・ストリーミングで聞くだけで、iPodなどで聞きたければ2011年の正式なリリースを待て、とのこと。
しかしガーディアン記事、記事も提灯記事で概ねくだらないが、コメント欄もひどい。「iPadなんかでマトモな音楽作れるわけねーじゃん」みたいなのは炎上マーケティングのサクラか?
同じ記事から、iPadについてのアルバーンの言葉(明らかにAppleの「宣伝マン」をやらされているわけだが):
"I've never been someone who's embraced technology particularly," frontman Damon Albarn told a New Zealand TV station this month ... . "I've always tried to keep true to my roots, which was just a four-track and a guitar, but I got given an iPad and I suddenly found myself in a position where I could make quite a sonically sophisticated record in my hotel room."
「これまで特に最新のテクノロジーを使ってみました、的なことはしてこなかったし、自分のルーツ、つまり4トラック+ギター1本っていうやり方にはこだわっていきたいと思ってきたんだけど、iPadをもらって、触ってみたら、あ、これならホテルの部屋にいてもけっこう音的にちゃんとした作品が作れるんじゃないのっていうことに気づいた」
http://www.guardian.co.uk/music/2010/dec/25/damon-albarn-fall-gorillaz-ipad
※この記事は
2010年12月26日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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