「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2010年11月25日

アイルランドが笑っていない (;_;)

今日のアイリッシュ・タイムズ:


さて、先日、アイリッシュ・タイムズがTwitterで「アイルランドのよいところ」の投稿を呼びかけ、50点のtweetsを記事として掲載した。
Ireland: the good stuff
http://www.irishtimes.com/newspaper/features/2010/1117/1224283516687.html

「お通夜や葬式がお祭り騒ぎになる」とか、「世間一般は六次の隔たりだと言うが、アイリッシュに限っては隔たりは二次」とか、「パブで『いや、俺はそろそろ』と言いつつ、『んでもおめーがもう一杯いくんなら俺も付き合わんでもない』と言うというお約束」とか、「(イングランドのテレビのニヤけた野郎には)発音不能の人名」とかいう感じのおもしろいものがずらずらと並んだ締めくくりの50件目が:
50 @colettecaddle Laughing at our misfortunes even when it looks like the boat might be .......... glug

乗ってる船が沈みかけているときでも、「いやア困ったことになりましたナ」的な話をネタに爆笑している、それがアイルランド人気質である、と。

……のはずが。

ここ数日、つまりすったもんだの末、カウエン首相がEUとIMFの「救済」を受け入れると発表してからは、アイルランドから笑いが聞こえてこない。抗議デモも「ミケンにシワ」とか「警官相手に一触即発」といった雰囲気だ(私が確認できた範囲では、デモってるのはシン・フェイン。この記事の写真とか)。

アイルランド人から、言葉を奪ったわけでもないのに、笑いが起きないなどという事態が生じることは、たぶんめったにない。言葉を使わせたら必ずお笑いになってしまうのがアイルランドだ。誰かが冗談を言わなくても、彼が冗談を言わないことがネタになる。誰かの冗談がスベっても、それがスベったことがネタになる。

それもそろそろ限界のようだ。ところどころ、笑いの要素が見えてきているような気がする。(「EUの支援を受けることになりそうだ」的なことを英メディアが書きたてるようになってから10日くらいか。)

例えば、財政再建4カ年計画(内容は増税、というか徴税対象の拡大と税率引き上げと、パブリックセクターの支出削減)のあおりを食うことになっている大学生(学費値上げ)の抗議行動では:
'NO fees, no cheese, no Fianna Fail TDs' -- that was the protest chant from hundreds of students who brought traffic to a standstill in Limerick city centre yesterday.
http://www.independent.ie/national-news/students-march-over-euro500-fee-hike-2434789.html

特に脈絡なく、例の「チーズ」が。(^^;)

アイルランド共和国の秘策は『チーズ給付』!!(ジョークではなく本当に!)
http://togetter.com/li/66643



あと、北アイルランドのベルファスト(こちらも厳しい公共事業カットにさらされている)では既に、Give a whistle! になってる(なんだかんだいって北アイルランドって基本的に明るいんだよなあ……)。もうちょっと時期がずれてたらゴルファーのマキロイの話が出てただろうな。

Cheer up folks! It’s not all doom and gloom
http://www.belfasttelegraph.co.uk/news/local-national/northern-ireland/cheer-up-folks-itrsquos-not-all-doom-and-gloom-15013336.html

ともあれ、現地からのフレッシュな情報は、Twitterの @thejournal_ie が充実してます。

※この記事は

2010年11月25日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 23:00 | TrackBack(0) | 雑多に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼