「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

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2010年11月20日

私はいかにして、心配するのを止めて、スルーするようになったか

2年前のことだ。当時利用していた「はてなハイク」というサービスで、明らかに機械翻訳で英語から日本語にされた文章で、まるっきり意味をなさないもの(解読不能なもの)を見かけた。投稿主は英語圏の人のようだった。

その当時も今も、英語から欧州の言語(例えばフランス語やドイツ語)への機械翻訳は、「全体的にぎくしゃくしているし、ところどころひどく滅茶苦茶だが、全体が意味をなさないほどではない」程度には「使えるツール」だ。で、日本語をまるっきり知らない英語話者が、それと同程度には使えるのだろうと考えて、英語→日本語の機械翻訳文を日本語話者へのメッセージとして送信する、ということがときどきあった(ある)。

しかし、英語→日本語の機械翻訳というのは、「文章としては不恰好な出来になるが、機械的に単語を置き換えるだけで基本的に意味は通る」というわけではない(例えばフランス語→英語の場合、Je suis 20 ans. → I am 20 years. とするだけで、文としては未完成だが意味は通る)。日本で提供されている機械翻訳(Yahooやexciteなどで提供されているもの)は、開発に日本語話者が関わっているので、「単に機械的に単語を置き換えればtranslationになるわけではない」というところから出発しているからまだよいのだが(それでも「使える」レベルにはない)、開発に日本語話者が関わっていない、もしくはろくに関わっていない機械翻訳の場合はひどい。特に、「素人にはちょっと手を出せない言語」をノベルティ的に、ある意味客寄せパンダ的に「サービス提供言語」に入れちゃってるようなサービスは悲惨である。

日本語話者相手なら説明するまでもないのだが、英語圏で、英語しか話せないような人に「日本語への機械翻訳は使える代物ではない、なぜなら……」としてこのことを説明するのは、実はかなり手間がかかる。「具体的に何がどう変なのか」まで踏み込まずとも、漠然と「何かよくわかんないけど一筋縄ではいかないんだね」ということをわかってもらうだけでも、けっこう面倒だ。

例えば下記のような例。この「翻訳結果」について、「日本語がまったくわからない(文字も読めない)英語話者」に対し、どこが日本語として通じないのかを説明する(あるいは単に「これは日本語としては意味をなさない」ということを伝える)ことを想定しつつ、眺めていただきたい。
I doubt it really means that much to the guys in OpenOffice.org that use #ooo - I'll post to the ML and see if #oofc is good for everyone

私はそれが本当にみんなにその使用#OOO OpenOffice.orgの多くの - 私はMLに投稿があるということと #oofc は誰にとってもであるかどうか疑問
http://togetter.com/li/47613


参考までに書き添えておくと、これは普通に「逐語的に翻訳」すれば、「#OOOを使っているOpenOffice.orgの人たちにとって、これが重大なことなのかどうか、私は疑問に思う。私はMLに投稿し、#oofcがみなにとって都合がよいかどうか確認しよう」という意味だ。こんな不恰好でぎこちない文は「翻訳」として認められないかもしれないけれども、「意味」は通る。(英語とフランス語などの間の機械翻訳は、一般に、このレベルの手前くらいには達している。だから「書かれていることを知る」くらいには使える。)

このように、説明するのはしちめんどくさいのだが、誰も言わなければその人はずっと機械翻訳の奇妙な「日本語の文」を(「通じている」と思って)投稿し続けることになる可能性が非常に高いので、オンラインでそういうのを見かけると、余裕の許す限りにおいて、「日本語については、機械翻訳は使えるものではない」ということを伝えてきた。

多くの場合は何の反応も返ってこないのだが、「やっぱりそうなんだ。翻訳された結果の日本語文を再度英語に翻訳させたら途方もないものが返ってきたから、これはダメなんじゃないかと思っていた」というレスをもらったりしたこともあった。また、Google翻訳が否定文を肯定文として返すという致命的な欠陥(これよくネタっぽく扱われるけど笑っていられなくて、つい最近も、中国語の「事故沒有造成人員傷亡」を「事故は死傷者が発生初めてだ」と返すという本当に言語道断の欠陥が「デマ」の元のひとつとなったと考えられる事例が生じている)については、日本語だけでなくポルトガル語などでも確認されているということを教えてもらったこともある。

しかし、「はてなハイク」での相手は、真性の○○○○だったようで……2年以上前(多分2008年の夏)のその出来事について、数日前、いきなり、何の脈絡もなくあたかも昨日のことを話しているような調子で、「前にハイクで話、しましたよね」的な、ほとんど意味不明のメールが送られてきた。このブログの「フォーム」経由で。

「はてなハイク」ってのは、「お題(トピック)」があって、それに沿ったメッセージを人々が投稿するということで成り立っているのだけれども、件の人物は「英語でリレー小説」の「お題」にいきなりみょうちきりんな日本語を投稿してきたのだったと思う。で、「機械翻訳を使っているようだが、その文章は崩壊していて意味をなさないので」とか「スレ違い」とレスしたら、書いた内容をバカにされたとでも思ったらしく、意味のわからないキレ方をしてきた。(ここで私は「ハイク」のほかのユーザーさんたちにもヘルプを求めたので、ひょっとしたらこの出来事をご記憶の方もおられるかもしれない。)

その後しばらく、先方は私に、あまり意味のわからない言いがかりをつけてきていて(「ハイク」だけでなく、はてなダイアリのコメント欄や、flickrでのコメント欄)、ウザいからユーザーネームでブロックし、それっきり2年以上の間、忘れていた。

で、数日前のメールだが、最初、意味不明の英文メールだなあ、何かの間違いだろうと思って放置していた。あとから送信主のメールアドレスを見たら、そういえばこれは「ハイク」で機械翻訳による意味不明の「日本語文」を投稿してきた英語圏の人物のハンドルだ。それで合点がいった。

正直、とても薄気味悪い。薄気味悪いので一応、そういうメールがあったことだけ公にしておきます。文面は公開しないけど、「あんたはおれのことくそさよくっておもってるのかもしれないけど、おれさよくとかじゃないしw」というようなことが書かれている。なぜ左翼の話になっているのか、まるで不明で、最近話題になった「プリントアウト」っていうんですか、そういう感じ。

なお、相手の居場所は国単位では把握しています。「地球の反対側」くらいに離れていることは確認済み。

ほんで、この一件以降、私は奇妙な機械翻訳の日本語を見ても、もとから知ってるコミュニティ(特定のミュージシャンのファンサイトなど)でない場合(例:YouTubeのコメント欄)は、スルーするようになりました。英語圏で、「日本に興味がある」を通り越し、実は知ってるのはイメージだけで(日本にイタリアン・レストランが普通にあることも知らない)、言語もできないのに「日本に詳しい自分」をアピールしたがる人(これみよがしに機械翻訳の日本語文を貼り付けているような人……そういうのは、同郷の人たちに「俺はお前らと違うんだ」とアピールするためのこけおどしだったりする)は、ちょっとアレな可能性が高いということがよくわかったので……。



表題ネタ元:
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※この記事は

2010年11月20日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 07:30 | TrackBack(0) | 雑多に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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