kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2010年11月15日

ジェリー・アダムズがアイルランド共和国の議会選挙に立候補の予定

14日夜(日本時間)、シン・フェインのジェリー・アダムズがこの次のアイルランド共和国の議会選挙に立候補するとのニュースがあった。

アダムズは北アイルランドの人だが、アイルランド共和国は基本的に「島全体でひとつの国」としているので、北アイルランドの人にもアイルランド共和国の国籍・市民権がある。(宗派の別を問わない。実際、ロイヤリスト武装組織幹部がアイルランド共和国のパスポートを持っていたりする。)

そして、シン・フェインは南北の境界関係なく、全島規模で政党として活動している。アイルランド共和国の国会や地方議会に議員を擁し、北アイルランドでも自治議会、地方議会に議員を擁し、また英国の国会(下院)にも議席を持っている。(ただし、abstentionism、つまり1918年選挙でのアイルランド国会こそ「正当なアイルランドの国会」であり、それ以外のアイルランドの国会は正当なものではないとの考えから、かつてはいずれの議会でも「議席を取るだけとって議場には出ない」という方針を採っていた。いろいろあって現在その方針が採られているのは、英国の国会についてだけである。アダムズやマーティン・マクギネスは英国下院に議席を持ってはいるが、議場には現れない。)(よくわからない?ぶっちゃけわたしもよくわかりません。)

だから、「《英国の一部》であるはずの北アイルランドの人がアイルランド共和国の議会に立候補すること」自体は、まあ別に、という感じである。ただしアダムズの場合、ずっと「西ベルファストの代表者」としてふるまってきたのだから(生まれ育ちも住まいも、ほにゃららのほにゃららだったのも、政治家として活動してきたのも西ベルファスト)、今さらダブリンで何かできるのだろうかという気はものすごくする。

http://www.belfasttelegraph.co.uk/news/politics/sinn-fein-president-gerry-adams-to-stand-down-as-mp-and-run-for-seat-in-irish-parliament-15003867.htmlところでこの件について、報道が真っ二つに割れていて、何がなにやらよくわからない状態になっている部分がある。それは、英下院(ウエストミンスター)にアダムズが有している議席がどうなるのか、という点だ。

ベルファスト・テレグラフ(左の図 via kwout)は、「アダムズはウエストミンスターの議席は返上する」と断言している(stand down as MP)。BBC Newsも同じで、"Sinn Fein president Gerry Adams is to step down as an MP and Stormont assembly member to stand for election in the Irish Republic." と書き始めている。

しかしガーディアンは違う。北アイルランドと英国とアイルランド共和国の何かいろいろ絡まった事情に詳しいヘンリーー・マクドナルドの記事だが、"Adams will retain his West Belfast Westminster seat even though he does not attend the House of Commons. He will, however, step down from his seat in the Northern Ireland assembly." としている。

こういうふうに報道が割れている場合どうするか。

そう、一次ソースに当たる。そして普通は、一次ソースに当たればどっちの報道が合っててどっちの報道が間違っているのかは判断できる。(ただし、例えば今のアイルランド共和国のEUベイルアウトに関する態度のように、あっちに向かって言うこととこっちに向かって言うことが違う場合はしっかりとは判断ができない。)

この場合、アダムズのスピーチが一次ソースである。それはシン・フェインのサイトやシン・フェインの機関紙のサイトで誰でも読める。
http://www.sinnfein.ie/contents/19514
http://aprnonline.com/?p=79769 ←機関紙(こっちのほうが見た目が読みやすい)

で、読んだんですよ。例によって何を言っているかよくわからないエクリチュールだけど、かなりがんばって重要そうなところを見つけて、読んだ。でも「MPを辞するのか、そうでないのか」がよくわからない。(笑)

いつものことだわー。(この人の言語明瞭意味不明は本当にすごい。"The game is up, but not over" とか、誰も正確な意味がわからない発言の宝庫。)

引用:
... after thoughtful consideration, and with the support of colleagues, I have decided to put my name forward for the Louth constituency. If elected for this constituency I will work and stay here and travel home when possible.

This means that I will be stepping down as an MLA for west Belfast. My replacement will be chosen this week. I am proud and honoured to have represented the people of west Belfast in the Assembly. I will remain as MP until the next Leinster House election.

つまり、「MLA(=北アイルランド自治議会議員)は辞する」と明言しているのだが、「MPとしては、次のレンスターハウス(=アイルランド国会)の選挙までは、留まる」と述べている。上記の3件の報道では、ガーディアンの記述が正確ということになる。

じゃあ、ベルテレさんやBBCの "Adams is stepping down as MP" は「誤報」なのかというと、そうとは言い切れない。なぜなら「未来形」だから。

おそらく、アダムズは次のレンスターハウスの選挙(いつ行なわれるか、現時点では不明)が始まると同時に、ウエストミンスターの議席を返上するのだろう。Slugger O'Tooleには、2000年の英国の法律で「コモンウェルスとアイルランド共和国の国会議員は、英国の国会議員と兼職できる」ようになっている(アイルランドについては、当時のNI担当大臣だった闇の王子、ピーター・マンデルソンがねじこんだ、的な書き方をしているが、そこらへんは法案審議のログを見ないとわからない……Sluggerのすごいところは、そのログへのリンクがあるところだが)という説明があるが、アダムズ自身の言葉に照らして、アイルランド共和国で議員になったら英国の議員という地位からは下りるということは間違いない。

では、アイルランドでの選挙に落選した場合はどうだろう……そのへんがぼや〜んとしているのが、「いかにも」だ。

もうちょっとURLだけはっておこう。

Sluggerのピートさんの辛辣な記事。
http://sluggerotoole.com/2010/11/14/international-representative-for-west-belfast-to-contest-irish-seat/

アイリッシュ・タイムズ(アダムズの文を読んだあとだと、天国のように読みやすい)。
http://www.irishtimes.com/newspaper/ireland/2010/1115/1224283325411.html

なお、アイルランドの下院議員は任期は最大で5年で、前回の選挙は2007年である。
http://en.wikipedia.org/wiki/Elections_in_the_Republic_of_Ireland

だから普通に計算すれば次の選挙は2012年なのだが、経済崩壊で今の政権はもうもたないのではないかという観測もあり、もしその通りになれば数ヵ月後には選挙になるかもしれない。

シン・フェインはアイルランド下院には現在4議席を有している(選挙時には5議席で、1人離党した)。フィアンナ・フォイル(今の連立与党の中心)とフィナ・ゲールの二強体制のアイルランドでは5番目の政党だが、「二大政党」が微妙になっている現在、議席数が少なくても連立に参加すれば政権に加われるとの計算はあるだろう。実際、現在もアイルランドの与党はFFとグリーンズの連立である。というか、ウィキペディアの表を参照すると、アイルランドの与党が連立でなく単独だったのはFFのジャック・リンチ政権が最後だ。つまりだいたい40年前。

アダムズが立候補を予定しているLouth選挙区にはシン・フェインは現在も議席を有しているが、その議員が次の選挙には立候補しないことを言明しており、アダムズはその後任としてパラシュートで入る。

しかしアイルランド共和国ではシン・フェインというのは「北部の化石」みたいなもので、アダムズがいくら「左派の結集」を訴えようと、むにゃむにゃ。というか、地方議会レベルでSFから(よりによって)Eirigiへ移る人が2人もいるような状態では……。


※この記事は

2010年11月15日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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