「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2010年06月12日

ミック・カーンが癌で闘病中

ニュースがやたらと多い。スレブレニツァ虐殺でのICTY判決、ブラディ・サンデー調査報告書リーク(このリークはちょっと面倒な感じ)、イラン(昨年の選挙から丸1年)、中東、ウィキリークスに対する米政府の圧力、ワールドカップ開幕、などなど。まさに「とにかく動き続ける」という感じ。

MovingGot a low, low feeling around me,
And a stone cold feeling inside,
And I just can't stop messing my mind up,
Or wasting my time

...

So I'll keep moving, just keep moving,
Well I don't know who I am,
No need to follow,
There's no way back again

--- Supergrass, Moving

4月に「解散する」と宣言したSupergrassが、英国での3日間の日程を終え、大陸に渡ってパリで最後のライヴがもうすぐ始まるとメンバーの一人がtweetしたとき、南アフリカのヨハネスブルクではアフリカ大陸初のワールドカップの開幕戦で開催国南アが先制した後に追いつかれて最終的にドローという結果になった試合が終わったばかりで、テレビの画面には、黒人と白人が互いに隔離されていない「南アフリカのサポーター」が試合後の興奮の中まったりおしゃべりなどしながらややチルアウトしている観客席の光景があって、そんなのを見ながらTwitterのタイムラインを見ると……え、何これ。



「ミッジ・ユーロが資金集め:癌にかかった元Japanのベーシストを支援するためにアーティストが集結」。

それが、「ミック・カーンが癌で闘病中」ということを伝えるニュースだということがはっきりわかったのは、6MusicのtweetにあるURLをクリックしたあとだった。

Midge Ure's fundraiser
Artists to support former Japan bassist who has cancer
11/06/2010, Adrian Larkin
http://www.bbc.co.uk/6music/news/20100611_midge.shtml

「Ultravoxの……というより、Band Aid, Live Aid, Live 8などのチャリティ(資金集め)目的の企画で知られるミッジ・ユーロが、またもや資金集めの企画だ」という方向性の記事だが、中心的なトピックはミッジ・ユーロではない。

... the recent news that Mick Karn, former bass player with the band Japan, has been diagnosed with terminal cancer.


つまり、ミック・カーンが最近、末期がんと診断された。

頭の中でフレットレスベースのべよーんべよーんという響きとカニ歩きが。

さらにこの記事は、カーンは近年経済的には厳しい状況にあり、彼自身のサイトには、妻子の生活のことを案じていると書かれている、と続いている。ミッジ・ユーロは、そのような状況なのでみんなで一肌脱ごうと呼びかけを行なっている。

"When it comes to a situation like Mick's who is in dire straits, he needs help, financial help and emotional help," he said.
「ミックは苦境に置かれている。そういう状況になれば誰だって支援が必要だ。金銭的にも精神的にも」


この呼びかけでのコンサートは年内に実施される見込みだが、まだ具体的なことは何も決まっていないとのこと。「ずっとご無沙汰していた人たちから次々と連絡をもらっている」が、会場がなかなか決まらないらしい。「O2アリーナでは大きすぎるし」という感じ。

で、ミック・カーン以外のJAPANのメンバーの再結集もありうるらしい。JAPANじゃなくても、カーンはいろんな人たちとコラボしてレスペクトされているミュージシャンだから、誰が出演するにせよすごいことになるだろう。

でもそれが「80年代ニューロマ懐メロ大会」じゃなくて、末期がんのミック・カーンを支えるためのチャリティ・ライヴだなんて……(;_;)

90年代以降にカーンとコラボし、非常に仲のよい友人となったギタリストのDavid Tornは次のように語っている。
"The situation is not very good, he is in treatment for these cancers and we will have more idea in 2 weeks, but appears the cancer has spread, he is going through chemo right now - but surrounded by family and friends, he has a positive attitude."

「状況はあまりよくない。今は癌(複数)の治療を受けている最中で、2週間くらいでもっといろいろわかるのだろうが、ともあれ転移はしているようだ。今は化学療法を受けている。本人は、家族や友人に囲まれて、前向きな気持ちは保っている。」


ミック・カーンのサイト:
http://www.mickkarn.net/

6月4日付で次のような告知が出ている。
MICK KARN APPEAL - Posted 4th June 2010
With great sadness we regret to inform you that Mick has recently been diagnosed with advanced stages of cancer. Mick is currently in a positive mood and undergoing further tests and treatment. His family and friends are close with him, supporting him in practical ways, and surrounding him with their love, friendship and care.
【大意】残念なお知らせをしなければなりません。ミックは進行した癌と診断されました。現在は前向きな気持ちで、さらに検査と治療を受けています。家族と友人が側にいていろいろと支えています。

Mick has been struggling financially for some considerable time now and we are hoping that this appeal may help to raise funds for any necessary treatment and perhaps go some way towards providing a small degree of financial support whilst Mick's immediate family provide the care and comfort we would all wish for him. We are hoping that his friends, fans and musical colleagues will, over the coming months, offer any support they feel capable of giving. Quite aside from the sheer brunt of daunting medically-related costs, Mick's clear and major concern is for the security and well being of his wife and young son.
【大意】もうかなりの間、ミックは財政的には決して楽な状況にはありませんでした。今回私たちがこのアピールをしているのは、必要な治療のための資金を集めることができるのではないかと考えてのことです。また、ご家族がミックの闘病生活を支える間、何らかの形で少しは経済的な支援ができるのではないかということもあります。ミックの友人たち、ファンの皆さん、そして同業のミュージシャンの方々から、この先数ヶ月にわたって、できる範囲での支援をお願いしたいと思います。直接の医療費のほかに、ミックにとって気がかりになっているのは、夫人と幼いお子さんの生活のことです。

If you would like to make a donation whether as an individual or as a group, you can do so via the paypal link below which has been set up for this sole and express purpose. Any support you are able to give, no matter how small, could make a difference in helping Mick cope during this difficult period. His friends will be looking at a variety of ways to raise funds.
【大意】(リンク先の)文章の下にあるPaypalのリンクから、個人またはグループでのご寄付ができるようになっています。このPaypalは今回のこの目的のためだけに開設されています。金額的にどんなに小さくてもかまいません、ご支援いただければそれはミックがこの大変な時期を切り抜けていくのを支える上で大きな力となります。ミックの友人たちは資金を集めるためにいろいろな方法を検討しています。

If you would simply like to leave your kind messages of support for Mick, please do so, here: Messages
【大意】ミックへのご支援のメッセージは、右記リンク先にお送りください。Messages

We will keep you all updated as often as we can.

Please do note that news is released with Mick's full approval.

【大意】なるべく頻繁に最新状況をお知らせしたいと思います。なお、この件についてはミック本人が完全に同意した上でお伝えしています。


サイトではこのあと、スティーヴ・ジャンセンが「サイトでプリントを販売しているJapan時代に撮影していた写真で、被写体がミック・カーンのものは、売り上げ全額ミックの闘病支援のために寄付します。他の写真も代金は寄付してほしいと書き添えていただければそうします」と告知している件、イタリアのPrometeus Guitarsがチャリティ・オークションを行なう件を挟んで、下記のメッセージが掲示されている。
Message From Mick Karn
Mick would like to thank each and every one of you who have sent messages of support and donations or who are fundraising in some way. It really means a great deal and he is drawing a lot of strength from the love that surrounds him. Thank you all so very much.

To update you, Mick has been referred to a cancer specialist hospital and yesterday discussed treatment with them. Two weeks of extensive therapy begin next week before his case is re-assessed.

【大意】ご支援のメッセージをお送りくださった方、ご寄付いただいた方、資金集めにご協力くださっている方、皆様に、ミックからあつく御礼申しあげます。本当に大きな意味を持つことです。こういった愛情を寄せてもらうことで本人は大いに励まされています。本当にありがとうございます。

ミックの最新の状況ですが、癌の専門病院への紹介を受け、昨日、治療方針について話し合ってきました。来週から2週間の集中治療が始まります。その後、再度診断が行なわれることになっています。

Posted: 9th June 2010


ミック・カーンについて:
http://en.wikipedia.org/wiki/Mick_Karn

ミック・カーンの音楽:
http://www.myspace.com/mickkarn
↑下記(公式)でDLできる曲が聞ける。DLする前に一応聞いてみたいという場合に。

http://www.mickkarn.net/Pages/downloads.htm
↑彼のアルバム5枚から2曲ずつ、192kbpsのmp3で無料でダウンロードが提供されている。これらの楽曲について非商用での個人間譲渡はOKという許可が出ている。

http://www.emusic.com/artist/Mick-Karn-MP3-Download/11717377.html
Yoshihiro Hannoとのコラボ作品だけカタログに入っている。

ミック・カーンの彫刻:
http://www.mickkarn.net/Pages/sculpture.htm

ミック・カーンのベースといえばJapanの "Gentlemen Take Polaroids":



※この記事は

2010年06月12日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼















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