kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2010年05月13日

英、新政権発足で――失敗したLib-Lab構想から、「ニックとデイヴ」の爆笑記者会見まで。

やっと、ニュース速報とかBBCのウェブサイトでの実況ストリーミングとかを気にしなくてもよくなった。
Premiership of David Cameron
http://en.wikipedia.org/wiki/Premiership_of_David_Cameron

そんなこんなで、6日に投開票、結果判明が7日で、首相の辞任・新首相に対する国王(女王)からの組閣依頼が11日、組閣の作業が12日という具合にえらく時間がかかっていた今回の英国の総選挙も、これでようやく一件落着となった。65年ぶりの連立政権を率いるのは40代前半の正副首相だ。(前回の連立政権がいつかなどはこちらで簡単に確認できる。)

英首相官邸(ダウニング・ストリート10番地)がネット上に開設していた各種ソーシャルメディアのアカウントが新政権発足で変更となった、という告知が、ダウニング・ストリートのflickrアカウントに出ている。
http://www.flickr.com/photos/downingstreet/4581163978/

Flickrはdowningstreetのユーザー名からnumber10govのユーザー名に変わっている。

写真はCreative Commons BY-NC-ND 2.0のライセンスで公開されている。11日に新首相のキャメロンが車で到着するところから、翌日の記者会見、初の閣議まで、早速何点かアップされている。左に貼り付けたのは12日、10番地の庭(ローズ・ガーデン)での記者会見に向かう正副首相の姿。これからの季節、この庭からはきれいな花の写真などが届けられるはずだ。(ブラウン政権でもflickrのアカウントで庭の写真が公開されていた。旧アカウントで見られるはず。)

また、Twitterのアカウントも、YouTubeのチャンネルも、Flickrと同じ "number10gov" となっている。Twitterはふつうにユーザーネームを変更しただけなので、以前フォローしていた人はそのままフォローが続いているはずだ。YouTubeは "number10gov" としての新規のチャンネル開始になっている。

YouTubeから、12日に行なわれた今政権初の記者会見。
http://www.youtube.com/watch?v=piLSYORso8U


この2人、ともにええとこのぼんぼんで、パブリックスクール出(それを言うならトニー・ブレアもそうなんだけどね)。だから「保守党とLibDemsの連立政権発足」とか「ニック・クレッグが副首相に」というニュースが流れた次の瞬間には、「デイヴィッド・キャメロンがニック・クレッグをfagにする」(パシリにする、的な意味)という内容の、お笑いを意図したエクリチュール、カリカチュア、その他いろいろなものが出てきたが、実際にはこの2人はタメなので(キャメロンが1966年10月生まれ、クレッグが1967年1月生まれ)、fagにはならんでしょう。それになりそうなのは財務大臣かな、年齢的に(1971年生まれ)。

なんてどうでもいいことを思いつつ、この数日を振り返る。

12日、ゴードン・ブラウンがダウニング・ストリート10番地でスピーチをする様子を、BBCのストリーミングで見ながら、あーあ、ついに「保守党政権」だよと思いつつ、それでも党首・首相がゴードン・ブラウンであれ誰であれ、ピーター・マンデルソンだのアリスター・キャンベルだのに牛耳られているあれは、ラスキとかベバリッジとかの「ブリティッシュ・レイバー・パーティ」の残骸でしかないということを改めて思っていた。

その頃に、英語圏のネット空間で一般の有権者によって、どんなことが語られていたのか、本当にごくごく一部でしかないけれども、書きとめてある。Twitterで "Lib-Lab" (詳細後述)で検索した結果から、かなりランダム気味に拾ったものを一覧できるようにした(Togetterを利用)。

【英総選挙】Lib-Lab coalitionをめぐるtweets(同時進行:ブラウン首相辞任 etc)
http://togetter.com/li/20495

私はリアルタイムではこれらの言葉にはほんのわずかしか接していないのだけれど(私が英国の政治関係でフォローしている人たちは、BBCなどのジャーナリスト以外は、「労働党を支持してる程度でleft-wingヅラすんなボケ」的なことを言いそうな左派がほとんどである)、Togetterでこれをまとめながら「Lib-Lab支持の意見がこんなにたくさんあったのか」と驚愕した。いったい、Lib-Lab coalitionを支持している人たちは、日本の55年体制・自民党政権のようなものが望みなのだろうか、と、かなりうんざりした。「選挙はあれど政権交代はない」状態がずるずると続くのがいいんだろうか。それも、まともに過半数を取ってるならそれはそれなんだけど、今回のように、議席数最大の党を上回るためだけに無理やり数合わせをしてまで。

この「議席数最大の党を上回るための数合わせ」が、11日から12日に大波乱を起こしていたLib-Lab coalition(の企て)である。

それが始まったとき既にもう、自分にとってはニュースソースが増えすぎていた(各種ニュースサイトのニュース記事、ニュースサイトが「まとめ」的に伝えるジャーナリストや政治評論家、政治家のブログ&Twitter、ストリーミング放送されているBBC News……などなど)。で、今回のようにニュースソースばかりが多くて、何も起こらない状態がずるずると継続すると、もういちいち、どこで何を読んだのかを覚えておこうとか記録しておこうという気力もなくなる。仕事とは別に片手間で見てるだけだからね。

ずるずる長引いても、ニュースソースが限定的ならまだいい。北アイルランドのヒルズバラ合意前のあのマラソン交渉(「エクストリーム交渉」)のときのように、何も公開できる段階でなければ、「お伝えできることは何もありません」で終わる。しかし北アイルランドのような小さな地方の政治ではなく、ウエストミンスターの政治ともなれば、観測気球が飛び交い、プレイヤー全員がフィールドに出てきてあっちでもこっちでも声を挙げる。あんたもプレイヤーだったんか、という人まで出てくる(BBCはジョン・メイジャーのインタビュー映像も出てくれば、トニー・ベンもスタジオに出てくるという有様だった。パディ・アシュダウンも出てきたし)。

その声が最もやかましくなったのが11日だった。労働党のスピンドクター、アリスター・キャンベルが直接フィールドに出てきて、例によって(「イラクの大量破壊兵器は45分以内で」と同じように)大した話ではないものを大きく大きく見せて吹聴した。

そしてそれに踊らされた人々の声がマスコミとネットという装置で増幅され(個人のTweetなら「ふーん」で済んでいても、BBC Newsで放送時間を埋めるために記者が「〜という話もあります」的に取り上げればそれでは済まなくなる)、耳をふさぎたくなるようなフィードバック音。どう考えても無理ありまくりで実現の目などない話(実現したところで半年も持たなさそうなプラン)を、なぜみんなこんなにマトモに取り上げるのか、という。

BBCのストリーミングでは、常に「私は〜と考える」で語られるかなり無責任な言葉が垂れ流されていて、Lib-Lab coalitionについての話がだーっと流れていたときにトークのゲストとして出演した労働党の政治家たち(ベン・ブラッドショウ文化・メディア大臣など)は吐き気のするような自己正当化を展開していた。いわゆる「労働党左派」の大物でずっと前に政治から引退しているトニー・ベンは、博物館で眺めている分にはすばらしいような「左派政権」支持の見解を披露(今の労働党がトニー・ベンがdefendしてきた「左派」ではないことは、むしろ全体主義的、権威主義的で、民主主義にとって非常に危険な存在になっていることは、トニー・ベンはよく知っているはずであるが、それでも「数合わせ」を支持する。欺瞞もいいところだ)。

情報が入ってくる回路をONにしている限り、ますます「労働党」というものにうんざりさせられなければならないというのは、とても消耗することだった。

今回の選挙に「起承転結」をあてはめれば、「起」は投開票&明確な勝者はないという結果(ただし過半数には及ばずとも最大議席を取ったのは保守党)だった。それはみんな「ふーん」とか「そうだろうね」的に見ていた。

次の「承」が誰が次の首相になるのか決まらないままの週末LibDemsと保守党との協議(サイドストーリーとして、保守党強硬派の「少数でも単独政権」の方向性)、そしてLibDemsニック・クレッグによる「選挙制度改革」論と大衆運動。ここでは「基本的にみんな静観、行動派は行動する」みたいなことになっていたと思う。

そして「転」が11日の、アレスター・キャンベルとピーター・マンデルソン(労働党のスピンドクター)による「非保守陣営によるプログレッシヴな連立 progressive coalition」、「多様性の連合 rainbow coalition」の喧伝。ここで情勢を見守っていた人たち(観客であり主権者である人たち)がアンプリファイアーとなった。

労働党は「保守党は過半数を取れなかった」=「国民は『非保守』を選択した」との理屈で、労働党とLibDemsを中心に、ウェールズやスコットランドのナショナリスト政党も計算に入れた(スコットランドのナショナリストと労働党はとても仲が悪いのに!)「LDと労働党の連立(Lib-Lab coalition: FBのグループのバナーがわかりやすい)」の実現に向けた協議を行なっているということを派手に宣伝した。

これに対し、ネット上でもメディアでも(カギカッコつきの)「左派」(の一部)は期待を抱いた。市場はそんな予測不能な展開にはネガティヴに反応した(Lib-Labが取り沙汰されていた間はポンドがおもしろいように下がったというグラフをtweet経由で見たが、URLを控えていない)。

冷静なメディアは、Lib-Lab案にはあまり反応しなかったし(Twitterで全世界に伝えられた昨年のイランの総選挙後の混乱が「革命になる・ならない」で、英国のメディアが、Twitterに流れてくるものに過剰反応しなかったことを思い出す。あの時は、英語で見てる限り、BBCもほかのメディアも、「政権による国民に対する人権侵害を非難する」という域を超えることはしてなかった。ただし米メディアのことは知らん)、保守党陣営のメディアは労働党を冷笑していたと思う。(保守陣営のメディアは積極的に見に行かないので詳細はわからないが、BBC Newsのストリームに出てきていたスペクテイターの編集長とかタイムズの人とかは、労働党に対する冷笑か、もしくは保守党内の強硬派のプロパガンダ――「単独政権でいくべき」論――だった。)

そこらへんで、Twitterに流れてた個人個人の反応をいくつか拾ったのが上のほうで言及したtogetterでのまとめだ。タイミング的には、保守党強硬派(マーガレット・サッチャー系)の「少数でも単独政権で行くべき」との論と、労働党が画策したLib-Lab coalitionのどちらもつぶれ、保守党とLibDemsの連立政権で行くという結論が固まって、幹部がキャビネット・オフィスで最終調整の協議を進めている一方で、ゴードン・ブラウンの辞任の手続が同時進行していたときのものだ。

ちょうどその頃、ダウニング・ストリート10番地では、ガーディアンのカメラマンが、ゴードン・ブラウンの「ダウニング・ストリートでの最後の数時間」に密着していた。下記URLに写真14点がアップされている。首相官邸のめったに見られないところが見られるという点でも貴重だ。(ゴードン・ブラウンの執務用の机だと思うけど、横にお子さんの描いたものと思われる絵が何枚も貼り付けてある。ブラウンは、財務大臣だった2000年に結婚し、その後生まれた最初の子を生後何ヶ月かで亡くしていて、その後生まれた男の子2人の1人も遺伝性疾患を抱えている。)
http://www.guardian.co.uk/politics/gallery/2010/may/12/gordon-brown-labourleadership

ゴードン・ブラウンのほか、ピーター・マンデルソン、アリスター・キャンベル、エド・ボールズ、エド・ミリバンド(ミリバンド兄弟の弟)……こういった一握りのfaithfulsが部屋にいる。ブラウンはLibDemsのニック・クレッグの電話を待っている。クレッグは最終決断を伝えてくることになっている。

この日、マンデルソン、ボールズ、ミリバンド弟らはLDの議員団と会い、「Lib-Labの連立」の可能性を協議した。いや、「協議した」というのは形式的なことで、実際には労働党からLDに対する「今回はやむを得ず頭数をそろえるために必要なだけで、ほんとならお前らなどいらんのだ」と言わんばかりの労働党の「上から目線」の態度がはっきりと出ていたのだそうだ。つまりLDの政策に対する譲歩などなぜする必要があるのだ、的な態度。これによって、LDの中に根強く残っていた「プログレッシヴ」派――「保守党と連立するのは思想として筋が違う、連立するなら労働党」と主張していた人たち――も、完全にうんざりしてしまったのだとどこかで読んだ。(今となってはソースがわからない。)ちなみに、Lib-Labは1998年にも何かをやろうとしていて、ピーター・マンデルソンはそのときの蓄積を頼りにしていたらしい。(竜宮城にこもっていればいいのに。)

で、結局ブラウンのところにかかってきたクレッグの電話は、Lib-Labの可能性を全面的に否定する内容だった。ブラウンは自身が党首(すなわち首相)を退くことで労働党を生かそうというカードを切っていたが、それも無駄だった。というかたぶん逆効果で、ブラウンが有権者の信任を得ていない首相だったのに(トニー・ブレアのもとで選挙を行なった後、党首が交代してブラウンが首相となった)、ここでさらにまた、労働党という党の党首の交代で有権者の選択が絡んでいない首相が誕生するなどということは、受け入れがたい話だということは誰にでも考え付くだろう。しかし労働党は相手をナメくさっているので、そういうまともな論理的思考よりも「反保守党」という恣意的枠組のほうが優先されると計算していたらしい。バカだ。「反保守党」って言ってるおまえらが保守党よりひどく保守的な政治をしたからこうなっている、ということがまるでわかっていない。このバカどもと、このバカどもにお墨付きを与えている引退した大物が消えれば、少しは労働党はまともになるかもしれない。

こうして、「起承転結」の「転」は「転」らしく終わった。

最後の「結」は、11日夜、大きなおなか(妊娠5ヶ月くらいだそうだ)をしてピンヒールに近い靴を履いた妻(テレビを見ている女性たちは必ず感心する)をともなって10番地のドアを開ける43歳の若々しい首相の姿(実際1812年のロード・リヴァプール以来の若い首相だそうだ)。そして、翌12日に10番地の庭で、首相と首相と同じくらい若々しい副首相が並んで行なった記者会見。テレビでの党首討論でガチガチとやりあっていた2人が、旧友のように和やかな雰囲気で並び立つその様は、ある意味拍子抜けでもあり、ある意味「新たな幕開け」でもある。(キャメロンは「新たな幕開け」をしきりに強調している。)

で、このエントリの上のほうに貼り付けた記者会見の映像だ。この会見についてのBBCの解説。

Rose garden was like the 'Dave and Nick Show'
By Gary O'Donoghue
Political correspondent, BBC News
Page last updated at 15:32 GMT, Wednesday, 12 May 2010 16:32 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/politics/election_2010/8678370.stm

11日のブラウンの首相辞任からキャメロンのダウニング・ストリート入りまでを伝えるBBCの中継に見えていた寒そうなロンドン(気温10度とかで、記者もインタビュイーも屋外で立っている時間が長い人たちはマフラーにコートという真冬の格好だった)に比べて、12日は明るく日差しがあって暖かそうで、そしてマスコミの記者たちの前で「これから」を語っているのは、若々しいリーダー2人だ。

たぶん、1997年の総選挙結果(トニー・ブレアの勝利)もこんなふうに「さわやか」なものだったのだろう。(今のようなネットの環境がなかったので1997年のことは間接的にしか知らないのだけど、現地の人たちから「とにかく、メイジャー保守党政権のグレイなものがぱっと晴れた、色が戻ってきた」という感想を複数聞いている。)

ただ、「選挙」の起承転結はここで終わったにせよ、物語はこの先も続いてゆくわけで。

今回のこの政権のタームを「5年」と設定した彼らが、同時にこんなことを決めたことは、そのほかの大きなトピックに埋もれてしまい、あまり大きくは報じられていないそうだ。
A small detail that's escaped the attention of many is that both these parties have agreed that their government can't fall on a vote of confidence unless 55% of MPs vote against them.

For hundreds of years, votes in the Commons have been based on simple majorities - you get one more than the other lot and you win.

It's no longer the case - a little tweak of the system aimed at securing the current regime in its place.

http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/politics/election_2010/8678370.stm


つまり、内閣不信任案を通すためには、50パーセントではなく55パーセントが必要だという決まり。(定数650の55パーセントは357.5なので358人だ。)英国の議会の決まりごとの根本が、こんなふうにさくっと変更されてしまってよいのかどうか。両党の合意で決められたことであって、議会の審議を経てもいない。

「まあ、初日はそんなこといいじゃないか」というふうになるとよくないと思うのだが、キャメロン&クレッグのポッシュボーイズ漫才はなかなかのものなので、それはぜひ。1分程度の映像です。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/politics/8678196.stm

記者がキャメロンに、「首相、かつて『好きなジョークは』との質問に『ニック・クレッグ』と答えてましたよね」(He's a joke. などというと「あいつはまともに取り合う必要はない」という意味)と問う。キャメロンが「うは」という態度で言葉数を多く費やしてぺらぺらと答えようとすると、クレッグが「マジで?」的にツッコミ、キャメロンが「すいません、本当です」と応じ、記者一同爆笑、クレッグが「そっか、じゃあね」、キャメロン「行かないでー!」。(笑)

そのあと、「私たちはこれから、いろいろと意見が違うところも多いLDの政治家と一緒に、安定した政権を5年間続けていく。謹んで前言撤回する」というようなことを、eat one's word, eat humble pieといったセットフレーズできれいにまとめる。

タイムズのポリティカル・スケッチはこの会見の様子を「新婚カップル」になぞらえている。

Happy couple Dave and Nick pledge conjugal devotion ― for five years
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/politics/parliamentary_sketch/article7124607.ece
"Today we are not just announcing a new Government," beamed Dave as Nick beamed back, eyes steady, body turned towards him. "We are announcing a new politics."

OMG, as they say, not just a wedding but a birth too. "I came into politics to change it, to change Britain," beamed Nick as Dave beamed back. "Together -- that job starts today."

Together for ever! I have to say they suit each other. Indeed, both looked more relaxed together (for ever) than they do with their own parties. They are both 43 but Nick makes Dave look a bit older, which, as he is now Prime Minister, is good. ...

何だこれ。(笑)

まあ、実際この連立政権は「保守党とLibDemsの結婚」のようなものだから。

そして、ConDemとかConDemmedとか言われている(これはもちろんcondemnのことでもある)この連立政権は、本人たちからは "Lib-Con coalition" であるとのアナウンスもあった。「リブコン」というより「リベラル・コンサーヴァティヴ」と読む。単なる言語として見ると、全然意味がわからないね。(類例に、Democratic Unionist PartyとUnited IrelandとTrade Union, などがある。)

ああ、それと、労働党は「労働者階級のなんちゃら」って喧伝してるけど(いまだに)、トニー・ブレアはこの2人と同じくらいポッシュだからね。イートン校はダメでフェテス校ならいいってのは、スコットランド・ナショナリズムの文脈ででもなければ意味不明なことで。(ブレアはフェテス校→オクスフォード、キャメロンはイートン校→オクスフォード、クレッグはウエストミンスター校→ケンブリッジ。)

それと、ニック・クレッグはもともと「左翼」畑の人ではなく、その彼が今回の選挙で――今後どうなるかはわからないけど――選挙制度改革を訴えて「左翼」畑からのサポートを得たというのは、ブレア政権下で崩れかけていた「トライバリズム」(学生運動や労働運動の出身者を無条件に支持するような)が本当に崩れることになる兆しかもしれない。

※この記事は

2010年05月13日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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