「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

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2010年05月08日

英総選挙結果:誰が首相になるのかまだ決まっていない、という状況のクリップ。

投票の後にいろいろあって長い選挙というのは、最近の例ではイラクの総選挙があるが(スンニ派が僅差で現政権を上回ったら、選挙後になって「旧バアス党員は失格」の物言いで当選が取り消されるという変な転がり方をしている)、欧州で長くなるのは物言いの類ではなく、「どの党も単独では過半数に行かないので他党と連立を協議することになり、そこから先が長いこともある」という事情であることがほとんどだ。といっても欧州では「中道右派」か「中道左派」かで大体の枠組があるので、そんなに長くなることはない。

今回の英国の場合、市場は過敏に反応しているが、大体の方向性としては「保守党+LibDems」の連立ということで、それがどのような形で実現するかについての調整を進めている段階になっているらしい。連立協議がうまくいかなければ、保守党のマイノリティ・ガバメントになる可能性が現実的だが、セオリー上の可能性としては「労働党+スコットランド、ウェールズの民族主義政党+SDLP+Lib Dems」という方向性もまだ死んだわけではない。しかし後者の目はもう「セオリー上」でしかなく、事実上ゴードン・ブラウンの労働党はもう蚊帳の外ということになっているようだ。日本時間で今日の午後に私が見た各メディアのトップページ(BBC News, ガーディアン, タイムズなど)でも、トップにキャメロンとクレッグの写真(別々に撮影された写真)を並べるという見せ方をしていた。

しかし、今日の夜(日本時間)になると、こうなっている。



確かに、引き継ぎが済むまではブラウンは「現職の首相」だけど…… (^^;)

今日はVE Dayの65周年記念式典があり(ロシアではこんなことになっているらしいんだが、ゴードン・ブラウンは選挙で過半数を取れていたら式典でモスクワに行っていたということか)、ロンドンのウォー・メモリアルの追悼式典に、ゴードン・ブラウン(引き継ぎまでは「首相」)と、デイヴィッド・キャメロン(たぶん「次期首相」)と、ニック・クレッグ(……第3党党首)が揃って献花を行なった。上記BBC Newsのページの写真はそのときのものだ。

イングランド国教会、軍、王室の人々に続いて、3人の「政治トップ」が建物から出てくるところ:
The three main party leaders appear together for VE Day
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/8669822.stm

イングランド国教会の聖職者による祈りの言葉とFor the Fallenの一節の朗読と、退役軍人の方々の献花が行なわれるところ:
Veterans mark 65th anniversary of VE Day
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/8669856.stm
※政治家3人の献花の場面はこの映像にはありませんが、3人の表情はとらえられています。

今朝のUK全国紙の一面(タブロイドもクオリティペーパーも)。
http://www.guardian.co.uk/media/gallery/2010/may/07/general-election-2010-front-pages

LibDems支持新聞であるインディの浮きっぷりが痛々しいが、保守党支持メディア(The Sun, the Times, the Daily Express, the Daily Fail, the Daily Telegraph etc) も痛々しい。サンはあまりに下品、タイムズは「希望」を感じさせる写真を使っているけど、現実が伴っていないところが痛々しい。保守党でもものすごい右派(特に何も深く考えていなくて印象論で判断するから右派になる人たち、特に「生活者の実感」的なことで何でも正当化されると思っている主婦層)を相手にするメイルが「キャメロンが過半数取れなかったからこんなことに」というふうなのが痛すぎる。あんなにがんばってネガティヴ・キャンペーンやったのに、保守党はだめでちゅね。

労働党系のガーディアンとミラーは冷ややかというか、もはや他人事。

ガーディアンの今のトップページ:



3人それぞれ別の方向を見た瞬間を意味ありげに…… (^^;)

賭け屋のサイトをみたら「次の首相は誰でしょう」の賭けがあったけど、そんな単純な賭けではなく、《ここで北アイルランド流の「エクストリーム交渉」が始まって、いつまで経っても首相が決まらず、円/ポンドで50円くらいになって、ユーロ圏が「よかった、英国がユーロ圏じゃなくて。こっちはギリシャで手一杯ですから」とコメントを出す》という可能性に1ポンド賭けられたら……的中したらミリオネアになれそうな気がする。

※この記事は

2010年05月08日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼















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