「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2010年04月24日

#suchtweet ウィリアム・シェイクスピアの誕生日に

Such Tweet Sorrow 
http://suchtweetsorrow.com/

ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー (RSC) によるTwitter上での現代版『ロミオとジュリエット』の上演が始まって2週間が経過した23日(セント・ジョージズ・デイ)は、ウィリアム・シェイクスピアの誕生日で命日で、物語は前半の佳境に入りました。

ジュリエットの16歳の誕生日パーティ当日。それぞれに仮面をつけた来客が次々と到着する中、ジュリエットは緊張の極み。キャピュレット家の3人のきょうだいは3人の絆をあらためて確認します。町のネットカフェの店長で若者たちのお目付け役のような立場にあるローレンスは音楽を準備します(英国向けにはSpotify, 米国向けにLast.fmを使っている)。一方、先日ついにティボルト(キャピュレット家の息子)をぼこぼこにしたモンタギュー陣営の野郎2人(特にマキューシオ)は、半ば「荒らし」のような目的でパーティに忍び込もうと出発します。ゲストのもてなしに忙しいジェシー(ジュリエットの姉)から変な人物が入ってこないよう見張っている係をおおせつかったローレンスは、頭の中が花畑というかウィードの畑みたいなおっさんなので、何の役にも立ちません……というあたりを、Togetterでまとめました。

SuchTweetSorrow: Juliet's 16th Birthday Party - Prologue-
http://togetter.com/li/16343

そして……

緊張してどうしようもなくなっているジュリエットは、少しお酒を飲むことにします(英国では16歳は人前での飲酒OK。あの国は、家の中で大人が監督している場では5歳から飲んでいいことになってるのですが)。一方で、まんまと忍び込んだ野郎2人。「歩く性犯罪」(<ロミオの評価)ことマキューシオは、ローレンスから「おまえらどっから紛れ込んだんだ、いいか、おとなしくしてろよ、わかったな」とtweetされてもなお、いつものごとくのふるまいます。一方でジェシーはパーティに「スカンク」(→このBBC記事Urban Dictionaryなどを参照。私は詳しくは知りませんが、交配種で非常に強い作用(しかも長時間続く)を持ったもののようです。その臭いのきつさからこう呼ばれているとのこと)が持ち込まれていることに気づき、ローレンスがそれに対処すると言うのですが……orz。そんなこんなしているうちに緊張から解放されたジュリエットは、来客の中の一人の男子に気づきます。そして、この前の晩、オンラインで知り合ったアメリカ人のロザラインにふられて落ち込んでいたロミオは、ひとりの綺麗な女子に気づきます。一方、先日ロミオにボコられたティボルトは、ロミオとマキューシオが忍び込んでいることに気づき……というあたりも、Togetterでまとめました。

SuchTweetSorrow: Juliet's 16th Birthday Party - Excuse me but who is this -
http://togetter.com/li/16357

ティボルトはパーティの前に誰かから鉈を奪っていたので、観客は「マキューシオ、逃げてーーー」と思っていたと思います。うちらが「逃げてーーー」と言わなくても、マキューシオは「ガキばっかりのお誕生日会」に飽きてしまい、探しても出てこないロミオを残し、町に出て、綺麗なおねえさんたちに囲まれて楽しく過ごすことにします。(このマキューシオのやってることが、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーなのかと思うと…… ^^;)

そのあたりのサントラ:

Last.fmをある程度使い込んでる人ならわかると思いますが、ローレンスのLast.fmのアカウントはすごく作りこまれています。ここから、ローレンスが普段聞いている(ことになっている)音楽に接することもできます。ただしLast.fmは今月、オンサイトでのオンデマンドのプレイヤーを撤廃したとかで(去年の「ラジオ有料化」で使うのやめてなかったらえらくイライラさせられてただろうな。退社した創業者が、オンデマンド配信のロイヤリティが高額なので、ラジオを有料化せざるを得ないとかって説明してなかったっけ。記憶違いかもしれんけど)、その場ですぐに聞くというわけにはいかなくなっていますが。

そして24日の朝。



さあ、今日の舞台はこれから始まります。

※出だしのところだけ、少しまとめておきました。
http://togetter.com/li/16480

キャスト全員(と全体の進行役と、何か絡んでいそうな謎の人)のtweetsは、下記のリストで一覧できるようになっていますので、よろしければご参照ください。
http://twitter.com/nofrills/such-tweet-sorrow

日本語話者がわいわいやってる場所:
http://twitter.com/#search?q=%23suchtweet_jp

全世界的にわいわいやってる場所:
http://twitter.com/#search?q=%23suchtweet



ところで、「ジュリエットの16歳の誕生会」という山場をセント・ジョージズ・デイ(シェイクスピアの誕生日&命日とされる日)にぶつけたのは企画サイドの計算でしょうが、人々の関心を集めることは間違いのないこの日に、ジュリエットがパパからもらった携帯電話についておおはしゃぎするという一幕がありました。これが明らかに「宣伝」だったことで不快感を覚えた人もいます。


確かにちょっとcrassでした。どうなってたかというと……。(下記画像クリックでどうぞ。)
... on Twitpic

この商品名の連呼……米国の安い通販番組(インフォマーシャル)をそのままふきかえてるのを見たときと同じ感覚。あるいはテレビの料理番組で「マヨネーズを大さじ3杯」というときに「○○社のカロリーハーフ・マヨネーズ風を大さじ3杯」といってるのをふふんといって見ている感覚。

おそらく日本でも「メディアミックス」的な仕掛けをする時に、先例のひとつとしてSuch Tweet Sorrowを参考にする方々がこれから出てくると思いますが(でも日本では2ちゃんねると「電車男」みたいなおもしろい先例が何年も前にある)、あまりにあからさまな商品宣伝は興ざめです。テレビドラマで出てくるビールが特定のメーカーのビールだという程度なら何ら気にならないし、主人公が飲んで「風呂上りの一杯は格別だな」と言ったときにラベルが大写しになるとかいうのも気にならないけど、「風呂上りの《商品名》はたまらないな」という台詞があったら興ざめになるという感じ。

「パパからジュリエットへの誕生日プレゼント」も設定に入っているという点ではジェシーのサポートするチャリティ団体と同じようなものだろうけど、ジェシーのチャリティ団体のは気にならなかったんですよね……例えばこんな感じのTweetがあって。……うむ、これは「チャリティ団体の立派なcauseがあるから」というわけではなく、話の流れとは別のCMタイムですよってことがはっきりわかるからでしょう。しつこくもなかったし。
www.winstonswish.org.uk - the Charity I'm running the Marathon for. Put your hands in ur pockets people & support a bloody brilliant cause.

http://twitter.com/Jess_nurse/status/11988454307


しかし昨日のパーティの音楽のプレイリスト、SpotifyやLast.fmは話をつけて使ってたのかな。日本だと何をするにしても「(特に同業の)他社の宣伝になるようなリンクは貼らない」というのがお約束なので、こういう自由さ(それがあるべき形だと思うけど)はいいなあと思います。



※この記事は

2010年04月24日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼