「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2010年01月14日

IRA (= Iris Robinson Affair) のとばっちり。

北アイルランドを舞台とする壮大なメロドラマ(主演:アイリス・ロビンソン)は、予想外の範囲にとばっちりを飛ばしている。

アイリスの件が具体的に判明し始めたころ(BBCのSpotlightが放送されたあと)、北アイルランドの政治系ブログで「ピーター・ロビンソン」という作家のことが話題になった。(このブログでもIris Robinson Affair [=IRA] の初期のころに少し書いている。)

北アイルランド自治政府首相と同じ名前のその作家さんは、「バンクス刑事」シリーズのミステリーを多く書き、かなり売れている人のようだ。

で、この作家さんのミステリー作品の題名がなぜか状況にぴったりくるというので、Alan in Belfastというブログが作家のピーター・ロビンソンさんの著作を並べてにやにやしていたりした。BBCによって明らかになったことがあまりにすごすぎて、みんながまだゲラゲラ笑っていたときだ(その一方で、自治政府と自治議会というシステムが崩壊しつつあるという危機感が強かったときに←こういう「ゲラゲラ」とものすごい危機感が共存するのが北アイルランドらしい……)。

そうやって、にやにやとかげらげらとかしてる間はよかったのだけど、ご本人、つまり自治政府首相ではないピーター・ロビンソンさんにはとんだとばっちりが行っているそうだ。

Author Peter Robinson writes back over scandal emails
Page last updated at 13:41 GMT, Wednesday, 13 January 2010
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/northern_ireland_politics/8457076.stm

つまり、作家のピーター・ロビンソンさんをNI自治政府のピーター・ロビンソンさんだと勘違いしたメールが大量に送りつけられている。そのメールが……

BBCはさすがにディセンシーを示して、ロビンソンさん(作家)の元に送りつけられるメールの文面は一部しか示していないが、作家さんのサイトには:
http://www.inspectorbanks.com/2010/01/10/im-not-that-peter-robinson/
Many thanks to all of you who have offered me your support in my time of difficulty - especially the person who said my wife was a homophobic slut who needed a good slapping around, and the other who suggested that I turn to Jesus Christ as my Saviour - but I must stress that I AM NOT Peter Robinson the politician, Norther Ireland's First Minister. ...
私が大変なときに励ましてくださる皆様にお礼を申しあげます。特に、私の妻がホモフォビックなあばずれでびしっとけじめをつけてやらんといかんとか、イエス・キリストにおすがりなさいとかいうアドバイスを下さった方に。しかしながら、はっきりと申しあげておかねばならんようですが、私は政治家で北アイルランド自治政府首相のピーター・ロビンソンではありません。……


「ピーター・ロビンソン」なんて平凡な名前だし、作家のロビンソンさんのメールアドレスは「ピーター@バンクス警部・ドット・コム」の形式で(サイトのURLが「バンクス警部・ドット・コム」)明らかに別人、別人だということがわからない人がいるとは思えないような別人具合なんだけど、それでも、作家さんが「頼むからやめてください」と言わねばならないようなメールが送りつけられている。気の毒すぎる。

そもそもの始まりのアイリス・ロビンソンが「ミセス・ロビンソン」だったので英国全体がツボってしまったのはお笑いだけど、作家さんは完全にとばっちり。次回作に「何かというと宗教を薦めてくる人」とか「相手が誰なのかろくに確認もせずに罵倒する人」を出すなどすれば、ストレス解消……とか、ならないか。

※この記事は

2010年01月14日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 23:50 | TrackBack(0) | todays news from uk/northern ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼