モンタゼリ師は1979年革命で指導的な役割を果たした宗教指導者のひとりで、ホメイニ師のあとを継ぐと思われていたけれども、ホメイニ師が亡くなる直前に反体制派虐殺をめぐって意見したことで仲違いし、最高指導者には今のハメネイ師が選ばれた。しかしながら、宗教家としてはモンタゼリ師(大アヤトラ)のほうがハメネイ師(アヤトラ)より上。「イスラム共和国」というスタンス的には、普通に考えれば、モンタゼリ師は最大限に敬ってしかるべきなのだが、師が亡くなったことはイラン国営では、当初ごく短く、「大アヤトラ」という位に言及せずに伝えただけだという話だ。(一応複数ソースで確認しているが、相変わらず英語圏を含む外国のメディアの取材活動が厳しく制限されているので、ぼやーんとしている。)
モンタゼリ師の葬儀は月曜日に聖地ゴム (Qum) でいとなまれ、大勢の人々が最後の別れに訪れたとのことだが、例によって国営は「集まったのは5000人」などと大嘘を書いているそうだ(実際にはどう見ても数万人単位だったらしい)。ムサヴィ、カルヴィの両氏(大統領候補)も弔問に訪れたとのこと(ラフサンジャニ、ハタミの名前は私は見ていないが、記事を見た数が少ないので見落としかもしれない)。
そして水曜日、全国各地での追悼の集まりで衝突、という記事がBBCに出ていたのだが、これがいつの間にか、BBC News全体のサイトのトップニュースになっている。キャプチャ。
これまで見てきた経験上、BBCがイランの反体制デモ関連のニュースをこういうふうに大きく(BBC News全体のトップニュースにするほどに)扱っているときは、その衝突の中身がかなり大規模であるか、弾圧がかなり深刻であるか、といった事情があることが多いので、非常に気になる。
気になる人はここをチェック。live blogで英語。
http://enduringamerica.com/2009/12/23/the-latest-from-iran-23-december-this-time-no-pause/
今年はアシュラの日が12月27日なのね。
http://en.wikipedia.org/wiki/Day_of_Ashura
※この記事は
2009年12月24日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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