ガーディアンのギャラリーで、ロンドンの地下鉄路線図の100年の歴史を12点の画像で説明している。上のキャプチャ画像は、1930年ごろのロンドン地下鉄マップ(4点目)。現在に至るまで使われている、ハリー・ベックの地下鉄路線図が登場する直前のものだ。
全体の企画趣旨:
http://www.guardian.co.uk/artanddesign/gallery/2009/nov/25/london-tube-map-design?picture=356059482
26 November 2009: Tube maps have been part of London life since the birth of the Underground, and were initially as confusing as the city itself: a tangle of different lines woven around the curving River Thames. Enter Harry Beck, an LU engineer who in 1931 came up with the radical idea of presenting the ever-expanding network as a circuit diagram rather than a geographical map ...
地下鉄が誕生してからずっと、地下鉄路線図はロンドンの生活の一部であり続けてきた。くねくねと曲がりくねったテムズ川を囲むように複雑に入り組んだ複数の路線からなる路線図は、当初はロンドンという都市そのものと同じくらいにややこしいものだった。そこに登場したのがロンドン地下鉄の技師だったハリー・ベックである。彼は1931年、革新的なアイディアを着想する――どんどん拡大し続ける路線網を、地理的に実際に近い地図ではなく、回路図のようなもので表してはどうだろう。……
画像が拡大できるともっとおもしろいのだけど、そこまではガーディアンの特集では望めないので(交通博物館などならあるかもしれない)視認できる範囲で参照する。上にキャプチャした1930年ごろの路線図でUnderground Railways of Londonという表現が使われていることなど、言語的にも興味深い。はっきりとは見えないのだが、この当時は各路線名についてもRailwayが用いられている("Central Line" などの line のところがRailwayになっているのが何とか読み取れる程度には見える)。
そのあと次々と画像を見ていくと、路線ごとの色(セントラル・ライン=赤、など)が決まったのがいつごろかなどもだいたいわかる。ノーザン・ラインだけはずーっと黒だったこともわかる。
10点目のThe Great Bear by Simon Pattersonについては、テイトにあるんだと思うけど……あったあった。(テイトのサイトでは、画像は著作権の関係で掲示されていない。)
http://www.tate.org.uk/servlet/ViewWork?workid=21700
Wikipediaにより詳しい説明がある。あとBBCに一部拡大画像あり。V&Aにも。「ハイデガーで黄色い路線に乗ったらニーチェで黒いの(北ゆき)に乗り換えて、ピーター・フォンダで下車です」という感じ。バートランド・ラッセルからウィトゲンシュタインが、まっすぐ乗り換えなしなのだけど、途中駅がすごいことになってるし、乗り越すとどこに連れて行かれるのかわからない状態になる。
あと、路線図の裏面が、昔は博物館やホテルなどの各施設のリスト
だったのが、今は駅一覧になっていることとかも紹介してくれている。
楽しいなあ、こういうのを眺めているのは。
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- 作者: UK STOREROOM
- 出版社/メーカー: ブルース・インターアクションズ
- 発売日: 2009/04/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
※この記事は
2009年11月27日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。