「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2009年11月13日

オバマ大統領のアジア訪問

オバマのアジア訪問がスタートし(日本では「オバマ大統領来日」という言葉で語られているが)、BBC Newsのトップニュース(International edition)がその件なのでキャプチャ。(画像内記事見出しクリックで記事に飛びます。)リード文に明らかなように、今回のアジア訪問で最も重視されるテーマは「経済」である、とBBCは見ている。(BBCだけじゃないとは思うけど。)



記事はこれから読みます。スクロールダウンしたところにOkinawa Disputeという解説コーナーがあるから米軍基地のことも記事内に書かれてると思います。

で、夕方の民放ニュースを見てみたら(日テレだが)またぞろ「米国は中国重視、日本軽視」というセンセーショナリズム。米国から来ているジャーナリストに「今回最も重視される訪問先は」って質問したら「中国です」との返事、きゃーたいへんにほんがけいしされてるわぁぁぁぁ!、だって(これは「あたしとしごと、どっちがだいじなの!」に似てる)。げんなりしてテレビ消しました。ほんとに軽視してたら、テキサスの軍基地での銃乱射の追悼式典で予定が1日ずれこんだときに、「日本にはまた改めて行くということで」という方向になったんじゃないかと(当初は12日来日、13日東京で首脳会談などをしてその夜APECのためにシンガポールへ発ち、14日にAPEC首脳会議という予定だったのが、13日来日して夜に首脳会談、14日に東京でスピーチなどしてシンガポールへという日程になり、14日のAPEC首脳会議は欠席することになった。)

そんななか、ダイヤモンド・オンラインの下記記事。

ビル・エモット 特別インタビュー
「オバマ政権の日本軽視は誤報!
アジア重視の鳩山外交は米国の願い」
2009年11月13日
http://diamond.jp/series/analysis/10123/

ビル・エモットさんはThe Economistで仕事をしてきた。東京支局長の経験と、編集長(1993年から2006年)の経験がある。1956年生まれ。著書も数多い。サイトは下記。
http://www.billemmott.com/

で、『エコノミスト』というメディアは、ネオリベラル(新自由主義)ではあっても、アメリカでの用法で言う「リベラル」ではない。

インタビューから少し抜粋。
 日米同盟が危機と呼ばれるほどの事態に陥っているかといえば、そうではないし、中長期的な視野で見ても、その危険性は低いだろう。そもそもオバマ政権は、中国の台頭を受けて、日米同盟をアジア地域の安定と米国の影響力維持に役立つプラットフォームとして高く評価し、その存在をいっそう重視している。諸事に軋轢が高まるのも、その期待の裏返しだ。

日テレの夕方のニュースでの煽情的でポピュリスト的な言説を聞いていると(アメリカが中国を軽視もしくは無視することが日本にとって「良いこと」である、といわんばかりの)、こういう当たり前の見解が、非常に貴重なもののように思えてくる。

2ページ目から。
 もちろん外交は駆け引きであり、これからも米国から牽制球は投げられてくるだろう。ただ、私の知る限り、米国の政権関係者に鳩山政権のアジア重視外交を頭から否定している様子はない。むしろ、鳩山首相が提唱する「東アジア共同体」構想をうまく実現してくれるならば、サポートしたいという感じではないか。

―米国が東アジア共同体構想を支援するメリットは何か。

 端的に言えば、中国けん制だ。日本では米中が接近して、バイパスされることを心配しているようだが、それは見当違いだ。

 米国が中国との対話により多くの時間を割くのは、中国との関係に確信を持てないからであり、一部の中国政府関係者が言うような米中だけの「G2」を目指しているからではない。

この抜粋の直後で、エモットさんは「人民元改革問題」について述べている。テレビという「わかりやすい」メディアは、そういう「全体像」をわかりやすく解説してくれればよいのだが、残念ながら、「わかりやすい」部分を拡大して煽るだけという「ニュース」のほうが目に付く。私がたまたまチャンネルを合わせている番組の制作方針がそういうふうになってるだけかもしれないが。

3ページ目から。
 (シンクタンクなどに移った)共和党系の旧政策立案者たちは、アジア重視の鳩山外交は日本を“self-marginalization(セルフ・マージナライゼーション:自らを無用なものとしていくこと)”の悪循環に陥れる危険性があるというが、私の見方はむしろ逆だ。


エモットさんのご著書:
アジア三国志

アジア三国志

  • 作者: ビル エモット
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2008/06/06
  • メディア: ハードカバー


Rivals: How the Power Struggle Between China, India and Japan Will Shape Our Next Decade

Rivals: How the Power Struggle Between China, India and Japan Will Shape Our Next Decade

  • 作者: Bill Emmott
  • 出版社/メーカー: Mariner Books
  • 発売日: 2009/06/16
  • メディア: ペーパーバック






タグ:米国

※この記事は

2009年11月13日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 19:00 | TrackBack(1) | 雑多に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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オバマ王天皇にお辞儀。日本人はうれしいかもしれないけど、、、
Excerpt: 朝起きて、最初に見たニュースがこのロサンゼルスタイムスのブログエントリー、記事の見出しは「どこまで低くなるのか、オバマ大統領、日本天皇に深いお辞儀」。この「低くなる」というのは直訳だが、本当の意味は「..
Weblog: In the Strawberry Field
Tracked: 2009-11-15 01:50

【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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