「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


2009年10月24日

音楽拷問 music torture とグアンタナモ収容所の件

23日付、AFP BBの記事:


ちょっと疲れているのでAFPの原文は探すのをさぼりますが、原文の段階からこうなのだとしたらちょっとはしょりすぎの記事。

まず、音楽拷問については下記の過去記事参照。

2008年12月15日 音楽の拷問への利用に抗議を。音のない抗議を。
http://nofrills.seesaa.net/article/111288586.html

この↑キャンペーン(Zero db)は、拷問そのものを問題視した英国の法律家集団による拷問廃止を求めるキャンペーンですが、「グアンタナモ(キューバ)、バグラム(アフガニスタン)などの収容施設における、拷問のための音楽の利用」という問題には別のアプローチもあって、そのひとつが「拷問が行なわれている施設の閉鎖」、もうひとつが「拷問に用いられている音源の引き上げ(につながる動き)」。

で、今回AFP BBの記事で報じられているのは「拷問が行なわれている施設」の一例であるキューバのグアンタナモ収容所の閉鎖を求める運動について、なのだけど……現在わかってる範囲で個人的な感覚としては、微妙。

いや、もちろんグアンタナモ収容所は閉鎖されるべきであるのだけれど(予定通りに)、その「閉鎖を求めるキャンペーン」と、米軍の拷問施設で音楽を勝手に使われたミュージシャンたちがどのくらい連携してるのかが、わからんのですよ。ミュージシャンたちが「一緒にキャンペーンしましょう」ということで動いているのか(というか、名前を使わせているのか)ということが。

もちろん、これから数日の間にミュージシャン側から何か声明などが出るのかもしれない。そうしたら全体像が見えてくるのかもしれないけれど……。

ともあれ、以下、現時点で私のアンテナに捕捉されている記事など。

【お断り】
以下、これを書いた時にソースを探し出せなくていろいろ間違ってる部分もあるかと思いますが、当面、書いたままで掲示しておきます。アップデートはこの次のエントリでやっています。


まず、上記AFP BBの記事でも名前が出ている「ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)」のトレント・レズナーは、現状では特に発言なしのよう。彼は今、NINの活動に区切りをつけたところでメディアにも出てこないのだけれど、この件で何かあれば、NINのウェブサイト http://nin.com/ のフォーラムに投稿があると思う……バンドの話題でなくても、このフォーラムでは、8月末に、今年トレントが治療のための資金集めを行なった心臓病の青年(エリックさん。最終的には助からなかった)のお姉さんでテレビキャスターのヴェロニカさんから回ってきたという健康保険制度の改革を求める集会の案内が投稿されているし。

参考までに、昨年12月の時点での音楽拷問に関するTrent Reznorの発言(転記元):
http://nin.com/ の12月11日のトレント・レズナーの投稿(→ nin.comが更新されていたら非公式アーカイヴで確認):
12.11.08: Regarding NIN music used at Guantanamo Bay for torture
グアンタナモ湾で、拷問のために、NINの音楽が使われていた件

It's difficult for me to imagine anything more profoundly insulting, demeaning and enraging than discovering music you've put your heart and soul into creating has been used for purposes of torture.
自分が心血を注いでつくりあげた音楽が、拷問という目的のために使用されているということを知らされる以上に、ひどく侮辱的で屈辱的で、怒りを掻き立てるようなものがあるとは自分には想像しがたい。

If there are any legal options that can be realistically taken they will be aggressively pursued, with any potential monetary gains donated to human rights charities.
現実的にとりうる法的手段があれば、積極的にそのようにしたい。そこで金銭的な利益が出たら、人権団体に寄付する方向で。

Thank GOD this country has appeared to side with reason and we can put the Bush administration's reign of power, greed, lawlessness and madness behind us.
神よ、感謝します。この国は理性の側に立ち、ブッシュ政権の力と欲望と無法と狂気の治世を過去のものとすることができました。

Trent Reznor


さて、時間を今(2009年10月)に進めて、最初に私がREMとかパールジャムがグアンタナモ閉鎖を求めている、という件に気づいたのは下記BBC記事を見たときのこと。

REM call for Guantanamo closure
Page last updated at 11:56 GMT, Thursday, 22 October 2009 12:56 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/8320268.stm

「パールジャムやREMが、大統領のグアンタナモ閉鎖計画を支援するミュージシャンの連合に加わった」という(やや派手な)書き出しのこの記事で紹介されているのは、The National Campaign to Close Guantanamoという組織/団体が、火曜日に立ち上げられた、その組織/団体には退役軍人も参加している、ということ。ミュージシャンは自分たちの楽曲が尋問(拷問)に使われているので立腹している、ということ。(これでZero dbと同じ話だということがわかる。)

で、ここまで読んだ時点で、そのThe National Campaign to Close Guantanamoのサイトを見てみようと思うでしょ。で、BBCの場合、記事に出てくる組織のサイトは記事の右側にリンクされているからチェックしたんだけど、ない。しょうがないので検索エンジンに投げると……ニュース系サイトの記事ばっかりなんだよね。記事を見つけたとき(22日夜)にそうだっただけじゃない。今(23日夜11時ごろ)でもそう。キャプチャ。

closeg.png

今どき、こういう「呼びかけ」系のキャンペーンでサイトも用意せずに、キャンペーンのことを報道機関に知らせるって、珍しいなと思いつつ、とりあえずBBCの記事を読むと:

In a statement, REM said: "We have spent the past 30 years supporting causes related to peace and justice. To now learn that some of our friends' music may have been used as part of the torture tactics without their consent or knowledge, is horrific. It's anti-American, period."

ステートメントでREMは次のように述べている。「私たちは過去30年間ずっと、平和と正義に関連する大義をサポートしてきた。今、私たちの友人の音楽の中には、本人の了解を取ることもなく知らせることもないままに、拷問の手段の一部として使用されたものがあるかもしれない、ということを知らされることは、恐ろしいことである。アメリカ的なるものに反することだ、としかいえない」

(2009年の、すっかりネットに慣れた読者としては、この「REMのステートメント」の全文がどこで読めるのかを知りたいんですけど、その情報はない。)

REMやパールジャムのほか、Jackson Browne, Steve Earle, Roseanne Cash, Billy Bragg, Bonnie Raitt や Rage Against The Machineが名を連ねており、このキャンペーンの代理として、ワシントンのthe National Security Archive が、情報公開法に基づいて、尋問手段としての大音量の音楽の使用についての詳細を記した極秘指定の記録文書を請求している (On behalf of the campaign, the National Security Archive in Washington is filing a Freedom of Information Act request seeking classified records that detail the use of loud music as an interrogation device)、とBBCは書いている。

……BBCがそう書いているのを最初に読んでいたので、そうなんだろうなあと思っていたのだが、23日になって、なんか違うような気がしてきた。

つまり、「REMとかパールジャムとかジャクソン・ブラウンとかいったミュージシャンがthe National Security Archive (NSA) を通じて情報公開請求している件」と、退役軍人も参加しているという「グアンタナモ閉鎖キャンペーン」との関係性が見えてこないのだ。両者が関連しているのなら、どこかにそれを明示した記述か、それを強く感じさせる記述があるのだけど(ミュージシャンの側がキャンペーンの具体的な活動内容に言及する、など)、それがないんだよね。

で、BBCの記事が出たときにチェックしたときにはまだアップされていなかったのだけど、the National Security Archiveでの情報公開請求については、NSAのサイトにアップされている。

Musicians Seek Secret U.S. Documents on Music-Related Human Rights Abuses at Guantanamo
Posted - October 22, 2009
http://www.gwu.edu/~nsarchiv/news/20091022/index.htm

On behalf of a coalition of U.S. and international musicians, including R.E.M., Pearl Jam, Tom Morello and Jackson Browne, the National Security Archive today filed a series of FOIA petitions requesting the full declassification of secret U.S. documentation on the strategy of using music as an interrogation device at Guantanamo and other detention centers.

BBCの記事が説明しているのは、これのことで間違いない。では、これとさっきのThe National Campaign to Close Guantanamoという組織/団体との関係はというと、NSAのこのページには書かれていない。(この時点で「BBCの "on behalf of the campaign" の部分は誤報」でほぼ決まりだ。)

なお、NSAでこの動きを起こしているのは下記のミュージシャンの方々(キャットフードのCMソングなんてのまであるけど):
AC/DC, Aerosmith, Barney theme song (By Bob Singleton), The Bee Gees, Britney Spears, Bruce Springsteen, Christina Aguilera, David Gray, Deicide, Don McClean, Dope, Dr. Dre, Drowning Pool, Eminem, Hed P.E., James Taylor, Limp Bizkit, Marilyn Manson, Matchbox Twenty, Meatloaf, Meow mix jingle, Metallica, Neil Diamond, Nine Inch Nails, Pink, Prince, Queen, Rage against the Machine, Red Hot Chili Peppers, Redman, Saliva, Sesame street theme music (By Christopher Cerf), Stanley Brothers, The Star Spangled Banner, Tupac Shakur

(お、メタリカも動いたのね。発覚時は拷問利用を許容してそうな感じだったけど)

あと、BBCの記事が出たすぐ後に検索して見つけたのが下記。AP通信の記事。これもミュージシャンたちの動きとの関連でいえば、記事の内容はBBCのとあまり変わらない。

Musicians join rally to close Guantanamo
Published Oct 22 2009
http://www.dailychilli.com/news/449-musicians-join-rally-to-close-guantanamo

で、特にアップデートなさそうだなあと思っていたとき、23日の夜にAFP BBの記事が出たことを知らされたので、英語の記事をまた探してみたのだが……

とりあえず、Close Gitmo Now っていう30秒のクリップ。
http://www.youtube.com/watch?v=zYN6yeRWYbI

これ最初は、「グアンタナモ閉鎖キャンペーン」の映像ですよっていうことで、22日に検索して見つけたどっかのブログから誘導されて見たんだけど、ビデオの投稿主はnewsecurityactionっていう名前だし、ユーザーページを見てもプロフィールが何もわからない。サイトのURLもない。これじゃあ「誰これ、何これ」って感じでしょ。せめてユーザーネームを「closeGITMOnow」にするとかすればいいのに。

ビデオに添えられた説明では:
Our first TV ad, calling on Congress to stand with the President and our military leaders and close Guantanamo now.

私たちの最初のTVコマーシャルです。議会に対し、大統領とわが軍の指導者たちの側に立ち、グアンタナモを即時閉鎖するよう求める内容です。


映像の方は、議事堂のCG映像に「これはアメリカのシンボルです。自由と民主主義のシンボルです。しかし今、その上に黒い雲が垂れ込めています。グアンタナモ収容所と、そこで行なわれた拷問です」といったナレーションがかぶさる。そして、オバマは閉鎖したがっているのに、議会がいまだにブッシュとチェイニーのポリシーを追求しているので(<ほんとにこう言ってる)危うい、と。そして「議会に雲を払えという声を届けましょう」と締めくくら……えっ? 音楽拷問の話は?

まあ、これはミュージシャンとつながる前に制作したんだろうし。

でも正直なところ、最初にこのビデオを見たときには、キャンペーンの賛同者か支援者が作ったウェブ用のビデオだと思った。だって薄すぎるんだもん。

このビデオで最大の問題は「グアンタナモさえ閉鎖すれば雲は消える(すべて解決する)」といわんばかりの調子。グアンタナモは象徴だけど全てではないということがわかってるのかどうか(「アメリカのイメージの悪化」ではなく、「拷問」について本気で取り組んでいる人たちは、「拷問」についてグアンタナモだけを何とかしろと主張することはあまりない)。

だから「まさかこのビデオがオフィシャルってことはないよね」と思ったんだけど……TVコマーシャルだからこのくらい「わかりやすい」のがいいのかもしれないが、それにしても。(^^;)

で、ビデオ投稿主の名前、newsecurityactionで検索して見つけたサイトが下記。結論だけいうと、これが「グアンタナモ閉鎖キャンペーン」の総本山らしい。何で「キャンペーン」のサイトを探すのに、こっちがこんなに検索しないといけないんだろう。ARGのつもりかよ。
http://www.newsecurityaction.org/

日本の22日は、米国時間では大雑把に21日で、下記の記事は見た記憶はある。(読んではいない。記事のリンク集で中身がないので……。)でもこれが「グアンタナモ閉鎖キャンペーン」の総本山だとは思いもしなかった。それらしきことがページのどこにも書いてないから。(「自分たちが了解しているので人にもわかると思い込んでいた」というパターンか。)

In the News
October 21, 2009 | Posted by Ryan Anderson
http://www.newsecurityaction.org/blog/entry/in/

で、23日の夜に改めてこのサイトを見てみたら、ミュージシャンの件についてこんなのがあって:

Strike Up the Bands: Close Gitmo!
October 22, 2009 | Posted by Tom Andrews
http://www.newsecurityaction.org/blog/entry/strike-up-the-bands-close-gitmo/

ここに、さっきのBBC記事やNSAの記事にあった著名な人たちの名前が出てくる。

「私たちのキャンペーンがいよいよ始まりました。今日ここでお知らせするのは、著名なミュージシャンの方々がこのキャンペーンに賛同してくれたということです」という書き出しで、「彼らは議会に対する公開書簡に署名をし、皆さんにも参加を呼びかけています」と続く。

んー。

やっぱり、「グアンタナモ閉鎖を」のキャンペーンが出した公開書簡にミュージシャンが署名することと、彼らが自分たちの音楽が拷問に使われたことについて情報開示を求めていることとは、別じゃないか。

と思いつつ、このページ内の記事の文字列に貼られたリンクから、下記にたどり着く。今のタイミングならこれがサイトのトップの一番目立つ場所に、(FlashではなくHTMLの)テクストと画像で出ていて当然の記事なのだが、もうほんと、ナビゲーション悪すぎ。

Musicians Standing Against Torture
http://www.newsecurityaction.org/pages/music-used-to-torture

トム・モレロ、REM、The Roots, ライズ・アゲインスト、ロザンヌ・キャッシュのコメントがあり、REMのはBBC記事に引用されていたものだ。

……やっと、めぐりあえたね。

(ていうか見つけるのにここまで時間かけさせんじゃねーよ。)

で、読んでみたんだけど、「グアンタナモのせいでアメリカのイメージが悪くなっている」とか「チェイニーはあれを信じていたかしれんが俺は知らん」とか……うーん。わざわざ探すんじゃなかった……時間返して。

「拷問」を「アメリカらしいか、アメリカらしくないか」で語るのは、何すごい勘違いしてんのとしか言いようがない。「アメリカらしくない」から「悪い」のだという理屈じゃないか。タイタニック・ジョークの「ヒーローであれ」のように、相手をその気にさせたいのかもしれないけどね。

ただまあ、バンドの声明がありますよっていう告知のページのコメント欄が、「チェイニー」大集結で壮観でおもしろいけど。「ここに名前のある連中のコンサートには二度と行かない」とかで脅しをかけてるつもりになってる奴がいたり。元々REMとか聞きもしない人が書いていそうで笑える。笑えるけど読まないほうがいいと思います。毒がすごすぎるから。アメリカで有名人が「リベラル」でいることって大変なのねーっていう感じ。日本もそうなっていきかねない感じはしなくもないけど。

この「グアンタナモ閉鎖キャンペーン」のNew Security Action, aboutを見ると:
http://www.newsecurityaction.org/pages/about/
Founded by former Congressman Tom Andrews (ME-1) and Lt. Gen. Robert G. Gard (USA ret.), New Security Action is currently working to close the detention center at Guantanamo Bay in a way that respects human rights.

Tom Andrewsは http://www.winwithoutwarus.org/ の人、Lt. Gen. Robert G. Gardは http://en.wikipedia.org/wiki/Center_for_Arms_Control_and_Non-Proliferation の人。

で、彼らは何をしているのかというと、何か言わないとグアンタナモ閉鎖が予定通りに進められないのではないかとの考えで、何かを言う活動をしているらしい(それがどの程度妥当なのかは私にはわからない。米国のニュースにはさほど興味がないので)。そして、ミュージシャンたちはそれに声を貸した、というところらしい。

で、ここまで見ても、ミュージシャンたちの活動(音楽拷問をめぐる事実の開示)には、「グアンタナモ閉鎖キャンペーン」は特に絡んでいなさそう。

というところで、ワシントン・ポスト。

Torture songs spur a protest most vocal
By Joe Heim
Washington Post Staff Writer
Thursday, October 22, 2009
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/10/21/AR2009102103743.html?hpid=topnews

The musicians' announcement was coordinated with the recent call by veterans and retired Army generals to shut Guantanamo. It is part of a renewed effort to pressure President Obama to keep his promise to close the prison in Cuba in his first year in office. ...


「ミュージシャンたちの(情報公開請求についての)アナウンスは、退役軍人らがグアンタナモを閉鎖するように呼びかけたのと同じ時期のことだった。それはオバマ大統領が就任後1年以内にグアンタナモを閉鎖するという約束を守るよう圧力をかけようという動きの一部である」とかいう感じだが、このItは「ミュージシャンたちのアナウンス」なのか、「退役軍人らの呼びかけ」なのか、2通りに読めて困る。

でも、BBCとAPの記事にあった下記下線部は誤報で、ミュージシャンたちはこの「閉鎖キャンペーン」なるものがあろうがなかろうが、FoIで動いていたのではなかろうか。というのは、WaPoのこの記事には、on behalf of 的なことは書かれていないから。
On behalf of the campaign, the National Security Archive in Washington is filing a Freedom of Information Act request seeking classified records that detail the use of loud music as an interrogation device.


ほんで、ワシントン・ポストの2ページ目だけど:
Human rights activists hope that the musicians' actions will bring attention to the practice and ensure that it won't be used again.


ミュージシャンが自分の意に反して楽曲を拷問に使われたって怒ってますよってケースで、「今回のミュージシャンの行動で関心をあつめたい」みたいな話が出てくるのは心底どうかと思う。それをやりたければミュージシャン本人(もしくはその法的代理人)に言わせろっていう。

WaPo記事の最後から、ミュージシャンの動きということについて:
For now, the artists are trying to find out what songs were played. They say they will explore legal options once the songs are known. It is unclear what, if any, recourse they may have.

現状、アーティストたちが突き止めようとしているのは、どの曲が流されたかである。曲目が判明したら法的手段を具体的に検討したいとしている。しかし仮に何かできるとして、どのような行動がありうるかについては不透明である。


※ここで力尽きた。続きは次のエントリで。
http://nofrills.seesaa.net/article/131099210.html



ほんで、AFP BBの記事なんだけど:
「米大物ロックバンド、グアンタナモ尋問での音楽使用に激怒」

原文の見出しはこういうのかな:
Oct 23, 2009
Bands slam Gitmo over music
http://www.straitstimes.com/Breaking%2BNews/Lifestyle/Story/STIStory_445574.html

これも誤報というか、彼らがグアンタナモでの音楽拷問で自分たちの曲が使われていると怒ったことは、2009年10月のニュースではない。(もっと前だ。)


※この記事は

2009年10月24日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 00:00 | TrackBack(0) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック

【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

……全文を読む
▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼