The Church of Scotland
The Church of Ireland
この3つの「教会」のうち、1つだけ宗派が違います。さて、どれでしょう。
答え:
The Church of Scotland.
この教会は長老派(プレスビテリアン:カルヴァン派)です。
長老派とは:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E8%80%81%E6%B4%BE%E6%95%99%E4%BC%9A
(改革派が)ジョン・ノックスによってスコットランドに伝えられ、この地で発展し、教会制度によって「長老派」(プレズピテリアン)を名乗るようになる。……1567年からスコットランドの国教。以後、大陸の改革派とイギリスの長老派はそれぞれ信仰告白を整備し、準拠する信仰告白によって呼び分けられるようになる。……
一方で、The Church of England, The Church of Irelandはアングリカン(「イングランド国教会」)です。ちなみに、スコットランドのアングリカンはThe Scottish Episcopal Churchです(数的には「弱小勢力」といえる範囲です)。Episcopalという語はアメリカ合衆国のアングリカンも正式名称の中で使っています。
http://en.wikipedia.org/wiki/Anglican_Communion#Provinces_of_the_Anglican_Communion
アングリカン(聖公会)、すなわち「イングランド国教会」は、イングランド王国が隣国を飲み込む形で「連合王国」を築き上げる過程で、隣国への出先機関的に「どこそこ国教会」を作った……のならこういうことにはならないわけで、ああもうほんっとに、グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国はめんどくさいですね。
日本語圏では(日本語圏でなくても「連合王国」と「イングランド」を同じ語で呼びならわしている言語圏では)、さらにめんどくさいことに:
「イングランド」=「イギリス」=「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」=「英国」
ゆえに:
「イングランド国教会」=「英国国教会」
この翻訳はかなりの程度まで「誤訳」に近く、これでは、「英国(連合王国)」全体が「英国国教会(イングランド国教会)」(つまりアングリカン)……というふうな思い込みが生じても仕方がない。ていうか私も昔はそう思ってたし!
実際には、スコットランドはイングランドとは違って、長老派です。なお、オリヴァー・クロムウエルで有名な「ピューリタン」は、イングランド国教内で、「長老派うらやましすぎる」となった宗教的にがちがちな人たち。クロムウェル以前、「神と直接のつながり」をいう彼らはイングランドの体制にとっては危険な存在であったので、弾圧の対象に。そしてメイフラワー号でイングランドから逃げ出した人たちが新大陸に渡り……という話が、私が高校1年のときの英語の教科書に載ってたんですけど。「ピルグリム・ファーザーズ」って。
※この記事は
2009年10月23日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。