「どんな語がどの程度どこで検索されているか」を示すウェブサービス、TrendsMapでの、10月14日の欧州の様子。この日は、不慮の死を遂げたBoyzoneのスティーヴン・ゲイトリーや、ブレードのない扇風機を発売したダイソンなども話題になっていたのだが、Trafigura関連の語がわーっと増えて、それら「普通の語」が埋もれて消えていく様子が確認できる。
■新たな動き:
まあ、あのまま引っ込んでるはずがなかったのだが。
Carter-Ruck in new move to stop debate in parliament
David Leigh
Thursday 15 October 2009 22.20 BST
http://www.guardian.co.uk/uk/2009/oct/15/carter-ruck-trafigura-parliament-injunction
Carter Ruckは、例のsuper-injunctionがsub judice(審議中)だとの根拠で、来週に国会で予定されている審議を止める方向で動いた、という記事。
The injunction not only bans disclosure of a confidential report on Trafigura and toxic waste, but also banned disclosure of the injunction's very existence, until it was revealed by an MP this week under parliamentary privilege.
この差し止め命令は、トラフィギュラ社と有毒廃棄物についての部外秘の報告書の開示を禁止するだけでなく、そのような差し止め命令が存在するということを開示することも禁止していたが、それが国会での議員の質問という形で明らかになってしまった。
そこで、Carter-Ruck事務所のパートナーが、「審議中である」との書状を議会の議長あてに送り、また下院も上院も含めて議員一人一人にも届けて、それについて語ることは法的に問題があるということを知らせた、と。
If correct, it would mean that, under Westminster rules to prevent clashes between parliament and the courts, a debate planned for next Wednesday could not go ahead.
もしこれが事実なら、議会と法廷の間の衝突を回避するためのウエストミンスターのルールにしたがい、来週水曜日に予定されている議会での討論は行なうことができなくなる。
議長的には「審議中ではない」との見解だそうだが、ここらへんのことは私では記事を読んでもよくわからない(英語はわかっても、内容がイマイチわからない)。
来週の討論を行なうLibDemのイヴァン・ハリス議員も、Carter Ruckからの書状を受け取って読んだが、「審議中ではない」と考えており、議会での討論を中止することにはならないだろうと述べている。
また、そもそものきっかけとなった労働党のファレリ議員は、「今週のCarter Ruckの工作活動は、これほどシリアスなものでなかったら、ものすごい笑劇と言えるようなもの」と語り、つまり「必死だな」という余裕の笑みで応じている、らしい。
記事には、次のようなくだりもある――「今週、労働党のポール・ファレリ議員が(これは議長質問のときだっけか)、Carter-Ruckは、super-injunctionsの存在を明らかにする同議員の質問をガーディアンが報じようとしているのを封じたことで、議会を侮辱していることになるのではないかと述べた。また、PMQのときには保守党のピーター・ボトムリー議員がブラウン首相に対し、国会での議事を報じることを禁止しようとしたinjunctionを申請したことで、Carter Ruckをロー・ソサイアティに報告するつもりだと述べた」。
ガーディアン編集長は、ここでまたTwitterを使っている。上手いな。
Hard to believe but #CarterRuck has written to HoC Speaker warning that #Trafigura injunction is sub-judice - therefore MPs shdnt debate it
http://twitter.com/arusbridger/status/4893887583
via:
http://search.twitter.com/search?q=%23trafigura
※この記事は
2009年10月16日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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