kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2009年08月26日

この記事で、ライミング・スラングを直訳してどうすんの、AFP BBさん

ロンドンから楽しい話題です。



つまり、ATMを運営しているある会社が、「言語選択」でEnglishかCockneyかを選べるようにして、Cockneyを選ぶと、暗証番号入力、引き出し額の入力、明細の出力など一連の手続を延々とライミング・スラングで進行してくれるという楽しいサービスを思いついたということで、UKのメディアでもあちこちで記事を出している。

しかし問題は、AFP BBの「翻訳品質」でね…引用:
 複数言語を選択できるATMは国によってはよく見かけるが、「コックニー」を選択しても、米アニメ『フリントストーン(The Flintstones)』のキャラクター、バーニー・ラブル(Barney Rubble)のような人ばかりいるようなイーストロンドンの言葉になじみがない人にとっては、皆目見当もつかないだろう。


この文を読んで、何が言いたいのか、私には皆目見当もつかないんすっよ。まあ、だいたいそういうことだろうというのはわかるんですけど。で、原文を探して確認すると:
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5h52MT34TcvbnCYXNLeptVXyr040w
While cash machines with several language options are commonplace in some countries, the chance to use rhyming slang could leave those unfamiliar with the east London lingo in a right load of Barney Rubble.


ははは、日本語記事の「わかってなさ」かげんに心底脱力する。

解説すると、Barney Rubbleがライミング・スラングなのね。すごい有名なライミング・スラングで(このAFPの記事に入ってるライミング・スラングは有名なものばかり)映画でも使ってたんだけど。
http://en.wikipedia.org/wiki/Rhyming_slang
Ocean's Eleven (2001) contains a piece of made-up rhyming slang, when a character uses "barney" to mean "trouble," and is derived from Barney Rubble. However, the use of "barney" to mean an argument or a fight far precedes the Flintstones cartoon character Barney Rubble though the origin is unclear. ...


AFP BBの記事を日本語化した人は「コックニーのライミング・スラング」がどういうものなのかをよくわからない状態で、なおかつあまり調べもせず(検索すれば、英語でならいくらでも説明文みつかるから5分で概要は把握できるよ。日本語で探すとなると、5分では終わらないにせよ、10分あれば何とかなるはず)この記事を日本語化したのかなあ、と思う次第。

で、それをいちいち「フリントストーンの登場人物」云々と注釈つけてしまうのは、ビートたけしの「コマネチ!」について「オリンピックのメダリスト」云々と注釈つけてしまうのと同じ。(「バーニー・ラブル」には「意味」はないし、「コマネチ!」にも「意味」はない。)無粋の極みというか、全然わかってない。

その「わかってなさ」を、ただの「誤訳」ではなく、計算の上で実演してみせているのなら、この記事の日本語化を担当した人は相当スゴいと思います。



AFP BBは過去にもplastic bagを「プラスチック製のカバン」と訳すなどあまりにも豪快な誤訳をしていて、私は何度か誤訳指摘の連絡をしたことがあるのだけど、指摘を受けて修正をしたとの連絡が来たこともないし(別な通信社さんからは非常に丁寧なメールをいただいたことがある)、何度かやったら疲れてしまった。ネットだからって無料で翻訳チェッカーの作業をすることはないのだし。

参考までに、過去の誤訳指摘の例。それぞれ、問い合わせフォームから連絡を入れてある。(今回は入れない。)

2007-09-16
■[翻訳] AFP BBは翻訳チェックをまともにやってほしい
http://d.hatena.ne.jp/nofrills/20070916/p2

2007-07-31
■[翻訳][誤訳] 不注意な、あまりに不注意な
http://d.hatena.ne.jp/nofrills/20070731/p1

あと、こないだもアイルランドのネタでなんかすごい変なのあったよね。何だっけ。。。



ともあれ、「ロンドンのコックニーATM」の件:

操作画面写真つき、BBC World:

記事部分の下にある音声プレイヤーは、BBC Worldのラジオの番組から。言語的に関心が高い人にはおもしろいと思います。確かに、ライミング、パニングといった「地口」の可能性の追及にかける英語話者の情熱ってのは、どっから来るんだろうなと思うほどで。

以下、報道記事:
びーびーしー:
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/england/london/8217499.stm
記事は別にどうってことないけど、この記事の付属の音声が、『ロック・ストック&2スモーキング・バレルズ』で最高の衝撃シーン(英語なのに英語字幕つき!)みたい。

ガーディアン:
http://www.guardian.co.uk/uk/blog/2009/aug/25/cockney-cash-machines
個人的に、非常に安心して読める感じ。彼らは何のためにこのようなことをしているのか、その背後を探る!

タイムズ:
http://www.timesonline.co.uk/tol/money/consumer_affairs/article6808494.ece
ガーディアンが相対的に「左」(多文化主義的なスタンス)から書いているのと同じことを、相対的に「右」(エスノセントリズム的なスタンスで、ただしそのエスノがかなり小さい集団)から書いている。

※この記事は

2009年08月26日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼