「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2009年08月19日

OMG, Sushi again!

はてなブックマークで知った「発言小町」のスレッド。これは英語に翻訳もしくは抄訳して全世界に発信すべきだと思うよ、マジで。

寿司・スシ、うるせえ!
http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2009/0814/257026.htm?o=0&p=0


国際結婚をして欧州にお住まいのトピ主さんが、持ち寄りパーティなどで「日本人」イコール「スシを食わせてくれる人」的な扱いをされ、しかもその「スシ」は「握りずし」限定であるなどし、結果としてほとほとうんざりしている、ということで、「同じ思いをしている皆さん、愚痴りましょう」と呼びかけておられる。

これに、トピ主さんからの返信も含めて、現時点で68件のレスがついていて、そのどれもが「あー、わかるわかる」とか「あー、やっぱそうなんだー」といった反応を引き起こす内容。(愚痴りあいの話題として、最高なんじゃまいか、「スシ食わせろ」は。)

なお、この件については拙著にもちょこっと書いているので、書店で見かけるなどしたら見てみてください。73ページらへんからしばらく。

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個人的に、発言小町のトピ主さんとはかなり仲良くなれそうな気がするんだ。トピ主さんの発言:
次回から、和紙のランチョンマットの中心に一言

「文句言うんじゃねえ。(落款)」

を相撲文字のフォント35ポイントあたりで印刷でもしときます。


35ポじゃイマイチ小さいと思う。80ポで。Oh, kanji! Kewl! What does it mean? って言ってくれるよ。返事は "It's a Japanese proverb: Don't complain. Patience pays in the long run." で。(笑)

それと:
外国で日本食を作るのは文化交流の一環…たしかにそのとおりです。私にはでもそこまでは頑張れません(笑)なんていうか「お前、日本人だから当然やれ」みたいな態度をされるのが無性に腹立たしいので、徹底抗戦してます。何食わぬ顔で普通のうちのおかず出しちゃいます(肉じゃがとかコロッケとかおひたしとか)…嫌なら食うな的+これが日本の本当の食文化だ的に。


トピ主さん、がんばれ。応援してる。日本人=寿司作れってのは、フランス人なら全員テリーヌ作れんのか、ってことだから、要するに。(ただし英国人相手だと「英国の料理でめんどくさいもの」が思いつかないよね。フィッシュ&チップスは、たぶん、現地的には「めんどくさい料理」、「自宅では作らないもの」だけど、日本人的には……天麩羅のほうが面倒です。)



発言小町から、魂の叫びをいくつか。(ごめんなさい、元の投稿者名のお名前略。)

握りずしは、日本人では家で食べるものじゃないと言っても、
わかってくれない人多いし。巻き寿司作ったら海苔が嫌だとか言われたり。

※海苔は、今のように Wow, sushi! Kewl!! Japanese food is healthy, yummy~~~ <3 とかいう話になる前(20年ほど前)には、「あたくしは紙など食いませんのことよおほほほ」みたいに嫌われたということが、ロンドン在住者の生活記録系エッセイには必ず書かれていた。「おむすびに海苔を巻いておいたら『石かよ』といわれ、誰も手を出しませんでした」みたいなことも読んだし。大真面目に、仕事関係の接待のような機会で、どうしても「巻き寿司」を食べてもらわないと困るような場では、海苔ではなくとろろ昆布やレタスを使うという方法も(海苔の色がダメみたいです)。

パーティでいきなり生魚を一匹まるごと「お寿司作って」って手渡された時もありました。わたしゃ寿司職人じゃないっ!

※そこらへんのイタリア人がピザ生地延ばし(くるくる回して放り投げるの)ができるのか、というお話。

夫の家族(米国)から寿司寿司コールがあったので渋々つくったら
「アボカドが入ってるのが無いけど、なんで?」
「あ、僕、生魚食べられないんだけど。」などなど。
なんじゃそりゃー!
寿司の何たるかを知らないなら、寿司寿司言うな!

※これは私もロンドン在住日本人から複数聞いた「困りごと」。最初は「文化交流」と思って説明をしているけれど、親兄弟、友人たち、仕事の取引先……と続いて、説明も3度目になればうんざりするって。

うちの職場にもたまに取引先の米国人が来ますけど、ほんと、判で押したように sushi sushi 言いますね〜
でなけりゃ Korean BBQ
ユダヤ系なのに、タコだのイカだの普通の肉だの食べていいのかーーー?

※「判で押したように sushi sushi」は、たぶん、「私は米国外のことにも関心があるアメリカ人だ」というアピール(あなたの国のことは知ってるんですよ、という)。「ユダヤ系」というだけではコーシャを守っているかどうかわからないのだけど、タコやイカを食う人は、ユダヤ系の名前をしていても、厳密なユダヤ教徒ではないのではと思う。

猫も杓子も、スシ。
ショッピングモールの中でも、スシ。
ビジネスランチに、スシ。
高校生の初デートにも、スシ。
ダイエット中だから、スシ(!?)
和食はヘルシーだって言うから、スシ。

子供の同級生の親に会えば「昨日もまた家族でスシ食べて来たのよ〜♪」
って、海苔ナシ、生もの抜き、醤油どっぷりで、ホントに味分かるんか!!

お弁当におにぎりが入ってるだけで
「スシだ〜」「くれ〜」と言われ、子供大迷惑。

※米を丸く形作ってあるものが「スシ」だと思われてるから、おむすびとの区別などつけられようはずもなく……次に続く。

子どもの学校の弁当におにぎりを持たせたら、「A雄はスシをランチに持ってきた!」とみんなに羨ましそうな目で見られたそう。スシを知らなかった子にクラスメートが「スシってのは日本食で凄くクール、健康にもいいんだ。うちのダディは時々食べてる。ボクは4回食べた」と力説&自慢していたそうです。
それ....”おにぎり”だってば。

※でも、「おにぎり」という名前は浸透していないって聞きました(2000年、ロンドン)。「それってSushiでしょ?」という思い込みがものすごい強固に出来上がってしまったのかも。

ここの国の人たちは、毎日毎日飽きもせず、同じ物食べてますから、日本人も、毎日お寿司食べてると思ってるんですよ。
今晩の晩御飯のおかずも「当然毎日スシだろ?」
大富豪か、いくらかかると思っとんねん!

※英国か、アイルランドか、ドイツか……フランス、イタリア、スペインなどではなさそうですね。>毎日同じもの

パーティーの話を聞きつけて立ち寄った人は寿司が何かもわからないまま一口食べて、「何じゃ これ? 寿司? 寿司なんか嫌い!」とゴミ箱に投げ捨てました。とてもショックでした。それからは「寿司を食べてみた〜い(作って〜)」と言う人には、「まず自分で寿司レストランに行って(自費で!)食べてみてください。それで寿司が好きならぜひ寿司パーティーしましょう!」と言ってます。だれもその後リクエストしてきません。

※アメリカ。これだけじゃわかんないけど、食べ物を粗末にしたバカ者は嫌がらせしに来たって可能性もあるよね。(日本嫌いは案外多い。ビートルズの熱狂的なファンでヨーコが嫌いだからといったきっかけの人もいるし、彼氏を日本人に取られたとかいうきっかけの人もいる。)

拍手喝采もの↓:
日本人なら誰でもスシを作れると思ってるんですよね。
ならあなた、バームクーヘン焼いてくれない?って思いますよ。


This is アメリカ! ↓:
ついでに今まで心にひっかかっていた事もうひとつ言わせて下さい。
あるマーケットで日本酒が見つからず、アルコール通を気取った店員に「サケ」はないかと聞いたところ「は〜っ?何のこと?」と言われ日本のアルコールで等など説明すると「あー、サーキーの事?ちゃんと発音してくれないから判らなかったよ」と日本人の私に文句を言い、決して自分の非を認めない人たち。


日本人が少ない非英語圏に住んでいます。
それでも最近はアジアブームなのか、スシスシってあちこちで見ます。そのため、日本料理=寿司だと思ってるみたいで、しかもそれがさも「俺は日本文化を知ってる」みたいな感じで得意げに言う人もいて、ああこいつもか、と思ってしまいます。

※英国でも15年位前までは、「寿司」を知ってる俺って文化人♪っていうスノビズムがあったのだけど(あと、「日本という遠い国のことも気にかけている私」というパトロナイジングな態度も)、Yo! Sushiで大衆化したあとはそれとはまた違う感じになってる。

すごく良いサーモンで作ったら、こーんな生々しいのじゃなくて上に乗ってる魚がちゃんと乾いているのがいい!と義母に言われ。
稲荷寿司を作ったら義弟からこんなの寿司じゃないっ!と言われ。
今夜は寿司だな!とこっち見ながらバタバタしているニジマスを義父からクーラーごと渡され。
義妹の大好物はジンジャー寿司...握り寿司の酢飯の上に生姜のガリをてんこ盛りにしたヤツ。

※モンティパイソンめいている。This raw fish is too raw for me. っていう感じ。

私もイギリスに行った時にホームパーティーで「SUSHI,SUSHI」って言われました。
でもいざ作ると微妙な反応なんです。
ハンバーグが入ってないとかアボカドどこ行ったとか・・・・

※は、はんばーぐ???



「日本人」=「スシ作ってくれる」問題の解決策としては、8月17日 9:38の「ピヨ」さんの投稿が一番効果的だと思います。こういう「理路整然とした説明」が通じる場では。
持ち寄りパーティーや、家でパーティーとなると必ず「スシか?スシ持ってくるの?」と聞かれますね。

私は「ううん、日本じゃ寿司は家でつくらないんだよ。そんなに頻繁に食べるものでもないし。」と軽ーく流してます。それで「そうなの?」と驚かれて一件落着。


あと、プライドが高そうな人には、8月18日 13:12の「たまご」さんのアドバイスが効果的かも。相手のプライドをくすぐる系。
日本料理店じゃふつう出ないような家庭料理や郷土料理ばかり見繕ってもっていったら、大好評!
「かなりの日本通じゃないと食べたことないはずだし、好きって言わないんだけど」
とか言ったせいかもしれないけれど。

※ただ郷土料理系は(中部地方の赤味噌なども)、相手が食の上で保守的な人の場合はちょっと冒険になりすぎるかも。

レシピ的には、8月18日 19:59の「ももんが」さん。厚焼き玉子は喜ばれます。「寿司ケーキ」っていうネーミングもいいかも。
握りは「プロのもの」といって断ります。刺身は高いし(笑)
で、ツナ缶とかアボカド、かにかま、きゅうり、スモークサーモン、玉子焼き(←人気高し)、クリームチーズあたりの素材で太巻きを作る。身近な素材なら彼らも食べられるから。醤油も海外用キッコーマンで十分OK。

で、面倒なときは寿司ケーキ。ケーキ型に寿司飯つめて間にサーモンとかいろいろ入れて、上には錦糸玉子やアボカドなどなどきれい〜に飾ります。母の実家の地方の押し寿司の応用なんですが、1時間もかかりません。テーブルで切り分けると「おお、寿司ケーキ!」と大うけです。見た目が綺麗ならいいみたいです。


あと、「醤油どぼどぼ」は、西洋料理(の一部)の「ソース」の感覚ということもあるけど、「ソイ・ソース」=「ソイ」のソース=ヘルシー=量を気にしなくていい! って思い込みもあると思う。Soy sauce is made from soya and tons of salt. って言っておかないと、大量の塩が入ってるって思わない、とかね。



この「寿司」の話を聞いて「えー」と思ったら、自分も気をつけないと。発言小町にはこんな投稿もありました。
中国人留学生が、日本の研究室で、必ず手作り餃子を作らせるといって、半分怒っていました。必ず皮は手作りで、水餃子。


発言小町のこのスレには出てないけど、日本でありがちなこととして聞いたことがあるのが、「タイの人」=「トムヤムクン」とか、「ロシアの人」=「ピロシキ」とかいう思い込み(イタリア人=パスタとか、アイルランド人=じゃがいもとかは、ほんとにそうだから問題ない。日本人=米ってのと変わらない)。ピロシキといっても日本のそれはロシアのそれとはかなり違うそうだし(私は肉を食わないのでよく知らん)、トムヤムクンはそんなに普通に食べるものではない、とか。

で、はてなブックマークでは、「自分もインド人見たらカレーと言ってしまう」といったコメントがあるのだけど、「日本料理=スシ」は「インド料理=カレー」とは違う。よほど条件が整っていれば別として、日本の一般家庭では「マグロの握り」とか作らないし、そもそもそんなに頻繁に寿司食わない。お寿司って、外に食べに行くか、特別な場合に出前を取るものでしょ。でも「カレー」はそうじゃない。

以前、現地系カレー屋のおばちゃん(日本在住30年くらいの方)に教えてもらったんだけど、インド方面の「カレー」に相当する日本の料理は(1世代か2世代前くらいまでの)「味噌汁」だって。毎日の食卓に必ずあって、具材もいろいろあって、家庭それぞれのレシピがあって、ていう。

「発言小町」のトピ主さんも、レスで「愚痴ってる」人たちも、「日本人の料理といえば」で要求されるのが「味噌汁」なら、楽しくパーティできると思うんだよね。「初めての人にはわかめは無理かもしれないけど、玉ねぎなら大丈夫だよね」とか、「マッシュルームで作ってみたらどうなるかな」とかさ。

「日本料理」っつって(北米でのあの胡散臭い「ヒバチ・レストラン」のものは除外して)「寿司」ばっかり騒がれるのは、寿司ばかりに注目が集まることを許した日本人の側にも問題があったんじゃないかと思うけどね。

「日本の伝統的食文化」云々もけっこうだけど、実際の「文化交流」としては、むしろ、ヨネスケの「隣の晩ご飯」を英語字幕つきでDVD化(またはネット配信)すべき。「今日のおすすめは」「アジのフライです」みたいなの。で、「日本の一般家庭ではアジはこのようにして食べられています」という解説クリップをつけるの。アジの開き(既製品ですよ、という注釈を必ずつける)とか南蛮漬けとか。そして「一方、小料理屋では」っていってアジのタタキとかさあ。シェフは一般の主婦にはない技を持っているからこそ職業になるんですよ(=スシなんて一般の主婦には作れませんよ)っていうのをじわじわ訴える。

かく言う私は、肉食わんだけではなく、基本的に生魚ダメなので、握り寿司の何がいいのか、よくわかりません。英語圏の人には I'm vegetarian. といえばたいがいは「魚も食わないんだ」と思ってもらえるので(=それも彼らの判断基準であって全然「正しく」はないんだけど、寿司食わないことがわかってもらえればそれでいいので、あんまり深くは追求しない)それで終わり。少し日本に詳しい人には、「生魚ダメ」と説明すればそれで終わり(「日本人で生魚ダメ」という人は、さほど多くはないけれど決して珍しくはないということはある程度知られている)。

全然関係ないんだけど、インド系のカレー屋さんで「このヴェジタブルカレーはvegetarianですか」と質問すると、ものすごい嬉しそうな、「ああ、あなた!あなたは vegetarianということばを知っているんですね!」という顔で対応されるのは、なぜだ。もっと関係ないが、昔ロンドンにいたときに近所にあったハレ・クリシュナのテイクアウェイの店のサモサは美味かった。

※この記事は

2009年08月19日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 23:30 | TrackBack(0) | 雑多に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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