「3週目」の1時間40分くらいで「ifではなくwhenという雰囲気」になっていたのですが、(現実の世界で)何時間か経過した時点で、「なんということでしょう、匠の手に掛かれば」的に展開、「3週目」のエンディングは、All's right with the world! (でもまだ壁の向こうで……続きはまた来週!)
'That is that' - Miliband calls end to the revolt as Brown chairs new Cabinet
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/politics/article6461571.ece
Six of his sternest critics, including former Home Secretary Charles Clarke, urged him to quit, but the mood of the meeting came down in Mr Brown's favour, particularly after David Blunkett, another former Home Secretary, called for an end to the bloodletting and ordered critics to put up or shut up within 24 hours.
今回の「匠」は、上述の通り、デイヴィッド・ブランケット――どうでもいいけど先日牛に襲われたらしい――と、ミリバンド兄(外務大臣)。「トニー・ブレアが窮地にあったとき」を思い出させる名前です。ああ、すばらしき労働党は常に結束している!
This morning David Miliband - once tipped as Mr Brown's most likely successor - made plain that he had no intention of causing trouble and said that the Prime Minister was "very much" back in the driving seat.
"The Labour Party does not want a new leader, there is no vacancy, there is no challenger. The leading contender, Alan Johnson, is backing the Prime Minister to the hilt. So that is that," he said.
一方で「ゴードン・ブラウンは腹を切って死ぬべきである」みたいなことを言って、辞表をたたきつけていった年金大臣(James Purnell)は:
... while he had no regrets about leaving his job and criticising the Prime Minister as an electoral liability, he was not planning to continue to snipe.
"I said what I said, I stand by it. Of course I can be happy if I turn out to be proven wrong and Gordon Brown leads the Labour Party to victory at the next election," said Mr Purnell.
要するに、何も起こさない。言うことは言った。それは聞かれているはずであるから、粛々と党首をサポートしていくのみ、という意味でしょう。何ら差し障りのない「政治の言語」に「翻訳」すれば。
というわけで、結論としては、「どうせいつものように、労働党内の動きとメディアの盛り上がりがピークに達した直後に、何もなかったことになる」と内心思っていた通り。ただ残念なのは、今回はあまりにダラダラと続いていた欧州議会議員選挙開票と、BNPの議席獲得と、オマー爆弾事件での法的結論(これが非常に重要)と重なっていたので、「何もなかったことになった」瞬間を見逃したことです。
※言葉のあやで「残念」と書きましたが、実はどうでもいいです。
一連の事態のなかで、「ピーター・マンデルソンはやっぱり嘘つきだ」ということと、「デイヴィッド・ミリバンドは非常によくできた風見鶏だ」ということはよくわかりましたが、何らニュースではありません。
「何をやっても労働党はすばらしい、なぜなら労働党はすばらしいから」というスタンスから書かれた文章と、それに対する方々からのツッコミが一覧できるすばらしいページ:
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2009/jun/09/gordon-brown-plp-rebels
労働党は、国民皆保険とかいった戦後の英国の基本的な制度を実現したからすばらしいのであって、労働党だからすばらしいのではない、ということを、労働党の政権を維持することを目的としたひとたちは忘れています。その理由は、現在の労働党を作った「ニュー・レイバー」というプロジェクトが、「伝統的な労働党」を否定するものだからです。
「伝統的な労働党」は、ガーディアンCiFのコメント欄とか街角とか個人の家とか何人かの集まりとかには生きているかもしれませんが、議事堂の中ではほぼ死んでいます。ときどき、ニュー・レイバーをゆるがす恐れのないような分野で出てきては何かをしていますが、実際にはほぼ死んでいます。
Listening to ...
Sex Pistols - Who Killed Bambi
http://www.youtube.com/watch?v=XODRXWJJDYM
Believers in the ruins ...
※この記事は
2009年06月09日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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