「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2009年06月09日

All's right with the world (of the Labour Party)!

6日に、「今のこの状態は、もしも水戸黄門が2時間スペシャル×4週だったら(4週目の1時間45分のところで「ひかえおろう!」が出る)、という感じだと思いますが(今3週目)」と書いたのですが、「3週目」が終わったようです。

「3週目」の1時間40分くらいで「ifではなくwhenという雰囲気」になっていたのですが、(現実の世界で)何時間か経過した時点で、「なんということでしょう、匠の手に掛かれば」的に展開、「3週目」のエンディングは、All's right with the world! (でもまだ壁の向こうで……続きはまた来週!)

'That is that' - Miliband calls end to the revolt as Brown chairs new Cabinet
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/politics/article6461571.ece

Six of his sternest critics, including former Home Secretary Charles Clarke, urged him to quit, but the mood of the meeting came down in Mr Brown's favour, particularly after David Blunkett, another former Home Secretary, called for an end to the bloodletting and ordered critics to put up or shut up within 24 hours.


今回の「匠」は、上述の通り、デイヴィッド・ブランケット――どうでもいいけど先日牛に襲われたらしい――と、ミリバンド兄(外務大臣)。「トニー・ブレアが窮地にあったとき」を思い出させる名前です。ああ、すばらしき労働党は常に結束している!

This morning David Miliband - once tipped as Mr Brown's most likely successor - made plain that he had no intention of causing trouble and said that the Prime Minister was "very much" back in the driving seat.

"The Labour Party does not want a new leader, there is no vacancy, there is no challenger. The leading contender, Alan Johnson, is backing the Prime Minister to the hilt. So that is that," he said.


一方で「ゴードン・ブラウンは腹を切って死ぬべきであるみたいなことを言って、辞表をたたきつけていった年金大臣(James Purnell)は:
... while he had no regrets about leaving his job and criticising the Prime Minister as an electoral liability, he was not planning to continue to snipe.

"I said what I said, I stand by it. Of course I can be happy if I turn out to be proven wrong and Gordon Brown leads the Labour Party to victory at the next election," said Mr Purnell.


要するに、何も起こさない。言うことは言った。それは聞かれているはずであるから、粛々と党首をサポートしていくのみ、という意味でしょう。何ら差し障りのない「政治の言語」に「翻訳」すれば。

というわけで、結論としては、「どうせいつものように、労働党内の動きとメディアの盛り上がりがピークに達した直後に、何もなかったことになる」と内心思っていた通り。ただ残念なのは、今回はあまりにダラダラと続いていた欧州議会議員選挙開票と、BNPの議席獲得と、オマー爆弾事件での法的結論(これが非常に重要)と重なっていたので、「何もなかったことになった」瞬間を見逃したことです。

※言葉のあやで「残念」と書きましたが、実はどうでもいいです。

一連の事態のなかで、「ピーター・マンデルソンはやっぱり嘘つきだ」ということと、「デイヴィッド・ミリバンドは非常によくできた風見鶏だ」ということはよくわかりましたが、何らニュースではありません。



「何をやっても労働党はすばらしい、なぜなら労働党はすばらしいから」というスタンスから書かれた文章と、それに対する方々からのツッコミが一覧できるすばらしいページ:
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2009/jun/09/gordon-brown-plp-rebels

労働党は、国民皆保険とかいった戦後の英国の基本的な制度を実現したからすばらしいのであって、労働党だからすばらしいのではない、ということを、労働党の政権を維持することを目的としたひとたちは忘れています。その理由は、現在の労働党を作った「ニュー・レイバー」というプロジェクトが、「伝統的な労働党」を否定するものだからです。

「伝統的な労働党」は、ガーディアンCiFのコメント欄とか街角とか個人の家とか何人かの集まりとかには生きているかもしれませんが、議事堂の中ではほぼ死んでいます。ときどき、ニュー・レイバーをゆるがす恐れのないような分野で出てきては何かをしていますが、実際にはほぼ死んでいます。

Listening to ...
Sex Pistols - Who Killed Bambi
http://www.youtube.com/watch?v=XODRXWJJDYM

Believers in the ruins ...


※この記事は

2009年06月09日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼