「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

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2009年05月02日

3,000ポンドでこんなの作るなよ、すごすぎる――ある名作の二次創作

3000ポンド……換算してみますか? 今のレートでだいたい45万円です。小さな金額ではないけれど、例えば映画制作に使うような金額ではありません。

でもこの金額でこんな映画作っちゃう人たちがいるから、マニアはすごい。

The Hunt For Gollum


映画のサイト&ブログ:
http://www.thehuntforgollum.com/
http://hunt4gollum.blogspot.com/

IMDB(ロケ地がウェールズだそうで):
http://www.imdb.com/title/tt1323925/

BBCの紹介記事:
Lord of the Rings on a shoestring
Page last updated at 12:16 GMT, Friday, 1 May 2009 13:16 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/8028657.stm

この映画について詳しくは、BBCの記事より映画のサイトのほうが詳しいのですが(当然)、とりあえずBBC記事の内容などを。

この映画、The Hunt for Gollumは40分の非営利の劇映画で、予算は£3,000というものすごい低予算。この予算内に収めるためには当然俳優もスタッフもボランティアで、プロデューサーのBrian Laveryさん(北アイルランドの人)は、『指輪物語』が好きで好きでたまらないという160人のボランティアが協力して制作し、非常に楽しかったと語っている。監督のChris Bouchardさんは、Brian Laveryさんいわく、チームの中でも彼以上のマニアはいないというほどの『指輪』マニアだとのこと。

ピーター・ジャクソンの映画も、ジャクソンやスタッフは相当なマニアだったそうですが、£3000でこれを作っちゃう人たちのマニア度は、ひょっとしたらジャクソンをしのぐかもしれません。お金があって何かをするにも情熱は必要ですが、お金を使わずに何かをするには、それ以上の情熱と創意工夫が必要だし。

で、プロデューサーの話では、こんな低予算だったにもかかわらず、毎日「何かできることはないか」という『指輪』ファンからの連絡が入って、結局俳優から音声さん、デザイナーさんまで集めることができて、映画制作が実現した、とのことです。

この制作の過程そのものが映画になりそうな。Behind the scenes的なものではなく、劇映画で。

キャスト一覧のページを見ると、俳優さんたちは自主制作映画やテレビなどでキャリアのある方々です。

映画のストーリーは、アラゴルンが「指輪」の真実を追う、というもの。制作者はトールキンの著作権管理団体とは常に連絡を取っていたそうです。著作権管理団体は、「営利目的でないのであれば、ファンが3部作を膨らませることはかまわない」というスタンス、極めてフリー・カルチャー的で粋。

こういう、「ファンによる、ファンのための」映画というものを、Laveryさんは有望なものと見なしています。「こういうことが実現可能なのだということがたくさんの人に伝わって、この先、また別なファンベースのものができるかもしれない」と。

映画はネットで、無料ダウンロードでのみ公開されます。公開日は5月3日の16:00 GMT(日本時間にするには+9時間)。
http://www.thehuntforgollum.com/about.htm
Free Distribution
As a non-profit production, the entire film will be released online for FREE download only on the internet on www.hunt4gollum.com.


私は無理ですが(それができるほどの「ファン」ではないし、何より知識が決定的に欠けているので)、映画のサイトに連絡を取れば、非営利で、日本語字幕をつけて再配布ということも可能かもしれません。先方に連絡をとってみてください。ブログでの告知によると、欧州の言語の字幕は最初からつくみたいです(ドイツ語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、ポーランド語など)。

なお、映画はDaily Motionでも配信されます。(Daily Motionには既に「舞台裏」のクリップと予告編が上がっています。)
http://www.dailymotion.com/HuntforGollum

ただ、公開日は重くてアクセスできないかもしれないですね。Bit Torrentで流してくれるといいんだけど。



関連記事:
2007年11月13日
「北アイルランド」を舞台にゾンビ映画を作ったら……
http://nofrills.seesaa.net/article/66357219.html

※この記事は

2009年05月02日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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