「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2009年04月09日

ジェリー・アダムズの中東訪問、各メディアの記事のクリップ

ガザに入ったジェリー・アダムズの動向についての記事を列挙します。記事が出た順に。(どういうわけかGoogle Newsのワード検索では捕捉しきれませんので、個別に探してみて、後から追記していくことになると思います。)

■記事(1)
Adams urges talks on Gaza visit
Page last updated at 10:55 GMT, Wednesday, 8 April
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/7989676.stm

【内容】
ジェリー・アダムズは水曜日にガザ地区を訪れ、イスラエル側とパレスチナ側の直接対話の必要性を訴えた。

アダムズは、1月の攻撃でひどく破壊されたガザ地区北部を見て回り、「このようなことが二度とないようにしなければならない。そのためには交渉が必要であり、またイスラエルの指導部(政府)とパレスチナの指導部が直接の対話に踏み出すことが必要である。国際社会、特に米国は、それを積極的に促進していかねばならない」と語った。

またアダムズはUNRWAガザ事務所のジョン・ギング所長とも会い、1月の攻撃で破壊されたアイスクリーム工場を訪れ、その経営者とも話をした。

また、ガザに入る前日の火曜日には、アダムズはイスラエル南部のスデロトとクファ・アザ (Sderot and Kfar Aza) を訪問した。

アダムズが中東入りする前に、イスラエル当局者は、アダムズがパレスチナ武装勢力と会う可能性を除外していないことを理由に、アダムズと会うことを拒否し、ガザ入りの許可を出さないとの構えを見せていた。

アダムズは前回、2006年に中東を訪れたときにハマスのメンバーと会っている。

……この記事は以下、4日のエントリで参照したアダムズのブログからの引用。

■記事(2)
Adams meets Hamas PM in Gaza
Page last updated at 07:28 GMT, Thursday, 9 April 2009 08:28 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/7991311.stm

【内容】
水曜日(8日)の夜、アダムズはハマスのイスマイル・ハニヤと1時間に渡って会談を行なった。

ハニヤと会う前、アダムズはガザ北部の被害状況を見て回り、ハニヤ(つまり選挙で選ばれた政府のトップ)以外の指導的立場にある人々(civic, political and business leaders)と会って話をした。

そしてアダムズは、次のように述べている(中東訪問について、BBC NIはアダムズのブログを引用していたが、この件についてはブログはまだ更新されていない。記者会見か何かかもしれない)。

これほど多くの人々と直接話ができるとは嬉しいことだ。

ハニヤ氏とは直接話ができ、すべての側による戦闘と武装行動の完全なる停止が必要であるとのシン・フェインの見解をお伝えした。パレスチナの人々とイスラエルの人々は隣り合って暮らしていくよりなく、殆どの人々は平和的に暮らしていくことを欲しているはずである。

ハニヤ氏との会談を終えて、私は進展は可能であると確信している。

常に申し述べてきたように、パレスチナの人々と、パレスチナの指導部(おそらくラマラの議長府、つまりファタハのことを指している)、そしてイスラエルの人々とその指導部(つまりイスラエル政府)の間の対話が必要である。

アイルランドでは、それがうまくいったのだ。


■記事(3) ※会見映像、長さは1:05
Adams urges talks on Gaza visit
Page last updated at 11:53 GMT, Wednesday, 8 April 2009 12:53 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/7989727.stm
I witnessed what was happening here, back in Ireland, on the television screens, and I said then what was happening here was totally and absolutely wrong, and should cease.

And nothing prepares you for the sight. That's all around us, and that confirms my view that what happened here is wrong, and it would stop.

ここで何が起きているかについては、アイルランドで、テレビ画面で、見ていました。そのときにも、私は、ここで起きていることは完全に100パーセント間違ったことであり、停止されねばならないと発言しました。

しかし実際に目の当たりにするのがこのような光景だとは思っていませんでした。そこらじゅうがこんなふうになっています。ここで起きたことは間違っている、という私の考えが正しいものであるということがわかりました。


ここまでで大体30秒。次に、会見場にいる女性が何かを言い、通訳者さんがそれを通訳する様子と、瓦礫の映像を挟んで、最後は「記事(1)」でBBCが参照していた発言内容。

会見場で設置されている報道機関のマイクは、写っているだけで30本くらい。アルジャジーラ、ロイター、APがはっきり見えます。アラブのメディアのマイクは、私に知識がないのでどの局のものかわかりません。アダムズの右後ろでレコーダーを手に持っているのはシン・フェインの人かも。右側のメガネの男性は通訳者さんです。



少しカメラが引くと、かなりすごい数の人がいる!



■記事(4) ※シン・フェインのサイト。記者会見の内容を、文章として整えたもの
Gerry Adams in Gaza
April 8, 2009 by sinnfein
http://www.ardfheis.com/?p=1235

【内容】
シン・フェインのアダムズ党首は今朝ガザに入った。2日間滞在の予定。党首はイスラエルと西岸地区も訪れる。中東訪問の初日は、イスラエル南部のスデロトとクファール・アザ(町とキブツ)を訪問し、2日目の今朝、ガザに入った。

イスラエルによる攻撃で破壊された建物の瓦礫のなかで大勢が集まった記者会見で、アダムズ党首は、最初にアイルランド語で話し(注:これはシン・フェインのスピーチの形式)、次のように述べた。

前回ここを訪れたのは2年半前です。以後、紛争は継続しています。今回の訪問の目的は、イスラエルとパレスチナ双方の意見を、実行できる限りにおいて最大限に幅広く聞くことであり、状況についてよりよく知ること、またアイルランドの和平プロセスについての疑問があればそれにお答えすることです。

昨日はスデロトを訪問し、今朝はここに来ました。

イスラエルによるガザ攻撃を見ていたアイルランドの人々の大多数が、その光景にショックを受けていました。このようなことは間違っている、と彼らは考えています。私もテレビで見ていましたが、破壊の現実と、それが人々に、一般の家族の方々や子供たちに及ぼした影響の大きさについては、実際に目の当たりにして改めて衝撃を受けています。

シンフェインも、アイルランドの市民の大多数も、このようなことは終わってほしいと願っています。

すべての戦闘行為の停止と、万人にとっての移動の自由がなければならないと私は考えています。パレスチナの人々と彼らの指導部、イスラエルの人々と彼らの指導部、その間に対話がなされなければなりません。そうして和平を早急に構築していく必要性があります。

パレスチナの人々も、イスラエルの人々も、脅威のない状態で、人間としての権利を持ち、互いに対等な立場で尊厳のある生活を送る権利があります。

※……以下、「記事(3)」と重複になるので略


■以下、記事クリップ。
Google Newsで、「"gerry adams" gaza」で検索して出てきた記事を淡々と列挙。古い順に。

・AP通信(掲載は台湾のメディア)
Sinn Fein head: Israel, Palestinians must talk
By BEN HUBBARD
Associated Press
2009-04-08 08:50 PM
He called Gaza's reconstruction "a necessity" and said all fighting should cease to allow for negotiations.

During his Gaza tour, Adams drove through a heavily damaged neighborhood and past tent camps inhabited by displaced Gazans since the war's end Jan. 18.

...

Adams toured the ruins of an ice cream factory and of the American International School of Gaza, a U.S.-style school the Israeli army flattened during the offensive because it said militants launched rockets from nearby.

...

Israel said Tuesday that Adams would not be allowed into Gaza, claiming he planned to meet with Hamas officials. It was not clear why Israeli officials changed their mind.


・International Middle East Media Center(ベツレヘムにあるメディア)
Palestine Today 040809
Wednesday April 08, 2009 17:51
by Ghassan Bannoura

In Gaza, The Irish Sinn Fein leader Gerry Adams visited the Strip on Wednesday to tour areas that were attacked by the Israeli military during January's Cast Lead operation.

Adams told reporters that what happened in Gaza was wrong, adding that Gazans have the right to live in harmony and security. Regarding the ongoing siege on the Gaza strip imposed since June 2007, Adams called upon Israel to open all crossings; allow all supplies into Gaza; facilitate patients' travel and end the siege.


IMEMCのこの記事は、ガザ封鎖の現状と、西岸地区での入植地をめぐる暴力についての報告もあります。2分で読めます(私が実測)。

・Gulf Times(サウジアラビア)
Saudi calls for pressure on Israel
Agencies/Riyadh
Latest Update: Wednesday8/4/2009 April, 2009, 10:26 PM Doha Time

Northern Ireland political leader Gerry Adams urged Palestinian militants and Israel yesterday to stop shooting and negotiate an end to their conflict.

The president of the Irish nationalist party Sinn Fein toured a neighbourhood of the northern Gaza Strip that was bombarded by Israeli forces during a 22-day offensive which ended in mid-January with a shaky ceasefire.

"What happened here is totally wrong," Adams told reporters in front of the rubble of a house in the heavily damaged Abed Rabbo quarter of the city of Gaza.


・The Irish Times(アイルランド共和国)
Thursday, April 9, 2009
Kenny to visit Gaza this month
DEAGLÁN de BRÉADÚN, Political Correspondent

Meanwhile, Sinn Féin leader Gerry Adams visited Gaza yesterday morning where he met aid officials and NGO representatives.

Mr Adams was also due to meet the head of the United National Relief and Works Agency in Gaza, Irishman John Ging, yesterday evening. On Tuesday evening last in Israel, Mr Adams met local NGOs and representatives of the Van Leer Institute, a Jerusalem-based think tank.


The Irish Timesのこの記事のメインは、アイルランド共和国のFGの政治家がガザを訪問することに、という話題です。

・Al-Jazeerah.info (カタールのアルジャジーラじゃないほうのアルジャジーラ。拠点は米国)
Sinn Fein leader calls for lifting the siege on Gaza
[ 08/04/2009 - 04:48 PM ]

※特にメモっておきたい記述なし。ただし同じページに、1月にものすごく破壊されたKhuza'a村で、IDFがISMの外国人に発砲したとの報告あり。

・Ma'an News Agency(ベツレヘムのメディア)
Haniyeh meets Northern Ireland’s Adams in Gaza
Date: 09 / 04 / 2009 Time: 11:49

ハニヤとアダムズの会談でのハニヤの発言内容が詳しく出ている。それと、写真あり……でもこれ、2006年の写真じゃないかなあ、アダムズの髪が黒いよ、と思ったら照明の具合っぽい。ガーディアン(後述)が同じ服装の写真を掲載している。

The Irish leader is in the region to promote peace negotiations among all the parties to the conflict, including, implicitly, Hamas. Adams himself is the leader of a previously stigmatized party that has now made peace with the UK and is part of a power-sharing government in Northern Ireland.

The Hamas leader explained to his guest how his party was isolated by the international community, paving the way for Israel's onslaught against Gaza in December and January.

"When we won the elections by a majority, they refused to deal with our government, and instead they besieged it politically and economically, before Israel launched a military offensive against Gaza using all its powers including internationally banned weapons," said Haniyeh

"Their only achievement was killing innocent men, women, children and police officers," Haniyeh told Adams.

He also said Israel's unreasonable demands were to blame for the collapse of Egyptian-brokered ceasefire talks with Hamas, and decried the Israeli blockade of Gaza.

Adams said that he was happy to visit Gaza and express solidarity with the Palestinian people. He said the overwhelming majority of the Irish people support the Palestinians, and are paying attention to the situation in Palestine. He said the situation in Gaza was similar to "a big prison."

"I was pleased to speak directly with Mr Hanieyh. I outlined to him Sinn Féin's view that there should be a complete cessation of all hostilities and armed actions by all sides," he told reporters.

"The fact is that the people of Palestine and the people of Israel are destined to live side by side. I believe that most people want a peaceful accommodation," he said. "Following my meeting with Mr Haniyeh I believe that progress is possible."

He also said: "As I have said consistently there needs to be a dialogue between the people of Palestine and their leadership and the people of Israel and their leadership. That is what worked in Ireland."


ハニヤの発言に対するアダムズの反応が、記者会見での発言で代用されているのが気になる。

NIとMEは構造が違っていて、特に政治面では全然違っていて、NIではシン・フェインが弱小政党だったとき(マージナライズされていたとき、と彼らは言うかもしれないが)のナショナリスト第一党のSDLPは、最初から、留保の余地なく、暴力を否定していた(シン・フェインは暴力を肯定していた)。……とかいうことを書き出すと話がずれるし時間を食うので先へ。

・ベルファスト・テレグラフ(北アイルランド)
Adams holds talks with Hamas leader
Thursday, 9 April 2009

ハニヤとアダムズが会いましたよ、というだけの短い記事で、中身は「アダムズは、アイルランドの経験から、すべての当事者の間での対話と武装活動の停止だけが、紛争からの出口であると述べた」ということ。

・ガーディアン(英)
Gaza is still an open-air prison, says Sinn Féin's Gerry Adams
Staff and agencies
Thursday 9 April 2009 12.10 BST

写真あり。ハニヤがアダムズに何か置物を手渡しているところらしい。ハニヤが笑顔で何かを説明していて、アダムズが真顔で聞いている。写真クレジットは、Handout/Getty Imagesになってる。

Adams held talks in the region with Ismail Haniyeh, the Hamas prime minister, and is due to travel to the West Bank to meet the Palestinian Authority.

"This is a total denial of the rights of the people of Palestine. This is an open-air prison," the Sinn Féin president said. "People can't travel out of here, they can't travel in."

...

Adams said the border crossing from Israel into Gaza "was distinctly like being back in prison ... You had to go through airlocked areas and so on".

"It is the human problem because when you speak to ordinary decent working people on the Israeli side hit by the rocket attacks ... the ordinary people of Israel didn't cause the problem."

...

"The refusal to recognise the outcome of the ballot box in the Palestinian territories is also bizarre, that they challenge people to go into elections and then when they go into elections they don't recognise it."

ガザ地区でアダムズは、ハマスの首相であるイスマイル・ハニヤと会談を行い、この後は西岸地区に移動してパレスチナ自治政府と会うことになっている。

「これは、パレスチナの人々の権利を全面的に拒むものです。これは屋根のない牢獄です」 とシン・フェイン党首は述べた。「ここから出て行くこともできない、ここに入ってくることもできないのですから」

……

アダムズは、イスラエルからガザへと越境することは「まさしく牢獄に戻ってくるようなものでした……エアーロックのかかったエリアを通らなければならない、など」と述べた。

「これは人的な問題です。というのは、イスラエル側でロケット攻撃の被害にあっている一般の真面目に働いている人たちに話をすると……一般のイスラエルの人たちがこの問題を引き起こしているわけではないのですから」

……

「パレスチナでの選挙の投票箱の結果を認識することを拒絶しているのも何ともおかしなことです。選挙に行くよう強く言っておいて、実際に人々が選挙に行ったのに、それを認めないなどということは」


・An Phoblacht (シン・フェイン機関紙)
Gerry Adams visits Gaza
9 April, 2009

アメリカン・スクールの前での写真(校長先生と話をしている)。ていうかアメリカン・スクールがまだ攻撃されたときのまま放置されているのがあまりに……。

記事の中身はシン・フェインのサイトにあったの(上記「記事(4)」)と同じ。

・ハアレツ(イスラエル)
Report: Sinn Fein's Gerry Adams calls Gaza 'an open-air prison'
Last update - 15:04 09/04/2009
By Haaretz Service

これは、ガーディアンとMa'anから引っ張ってきている記事で特に中身なし。8日の記事のほうがいい(下記)。

Sinn Fein leader Adams urges dialogue during visit to Gaza
Last update - 15:29 08/04/2009
By News Agencies

"All actions by all the combatant forces should cease - that's by the Israeli government as well as everyone else," Adams said.

"If there is one lesson out of Ireland, that is that dialogue works, and dialogue should commence, genuine dialogue, should commence, and a genuine process should be in place."

But he added: "I wouldn't draw too many parallels between the situation in Ireland and the situation here."

Adams said he came to the Gaza Strip, after visiting Israel, with no "prescriptions" for ending the bloodshed.

「戦闘部隊による行動はすべて停止されなければなりません。つまり、イスラエル政府によるものも、ほかの誰ものものも、一切合財です」

「アイルランドから得られる教訓がひとつあるとすれば、それは対話は結果を出すということです。対話が開始されなければなりません、純粋な対話が。そうしることで純粋なプロセスが始まるのです」

「ただ、アイルランドでの状況とここでの状況をあまりに重ねすぎないようにはしています」

アダムズは、イスラエル訪問後にガザ地区に来たが、流血をやめる「処方箋」は持っていない、と述べた。


うは……非常に鋭い記事なのだけれども、元は何だろう。(→ロイターです。下記参照。)

ハアレツのこの記事はこのあと、いきなり例のあの件の話になって、私はまたお茶をふきました。唐突すぎる。

それと:
Independent British member of parliament George Galloway met Hamas leaders during a visit to the Gaza Strip in March and was subsequently denied entry to Canada on the grounds that he displayed support for a "terrorist organization".

It was not clear if Adams would meet Hamas leaders during his visit.


ギャロウェイがハマスに会うのが「テロ組織」支援と見なされるのなら、アダムズがハマスに会ったのもそう見なされなければならず、アダムズはカナダには行けないということになるのだろうが、アダムズが「テロ組織」を「支援」していたなどということは何を今さらなので、というかアダムズは現在、カナダに入国できるのだろうか、できないのだろうか、米国への入国が可能になったのはビル・クリントンの思い切った決断があってこそなのだが……ということを2秒くらいで思って30秒もかけてタイプしているうちにどうでもよくなったのでこの話はここで。

ここまで見て、まだロイターとアルジャジーラ(カタールの方)の記事がGoogle Newsの検索にひっかからないので、個別に探してみることにしますが、ちょっと休憩。

休憩終了。

・ロイター
Jerry [sic] Adams visits Gaza
Wed Apr 8, 2009 1:26pm BST
Writing by Adam Entous and Douglas Hamilton

記事見出しの綴りのミスは原文ママ(問い合わせ窓口から連絡済)。

上で参照したハアレツの8日付記事の下敷のひとつはロイターのこの記事。で、2ページ目にイスラエルの右派メディアの反応が紹介されていて:
Israel's Jerusalem Post newspaper said his visit to Gaza should come as no surprise given the "cosy relationship" between the Irish Republican Army and the Palestine Liberation Organisation and "Middle East terrorism" in the 1980s, when Libya supplied arms to both.

While Adams adopts a "relatively moderate tone," Sinn Fein's official position was consistently anti-Israel, it said.


時が止まってるらしいですね、エルサレム・ポストの世界では。2000年代にリビアがどうなったかとか、PLOがどうなったかとか、IRAがどうなったかということはどうでもいいのでしょう。まるでRepublican Sinn FeinとかReal IRAとかの声明文を読んでいる気分。

で、IRAがPLOと「良好な関係」にあったことは事実だし、ジェリー・アダムズは2006年の中東訪問時にアラファトの墓に花を手向けたりしていますが、PLO、というかファタハはハマスではなく、アダムズがイスラエルに拒否されているのは、彼が話をする相手がPLO(ファタハ)だからではありません。Provisional IRAおよびシン・フェイン(リパブリカン・ムーヴメント)とカッサム・ブリゲード等およびハマス(イスラーム抵抗運動)との関係は、リパブリカン・ムーヴメントとPLOとの関係(1970年代、80年代にPLOからIRAに対し訓練と武器の提供があった)とはまったく同じではないわけで、エルサレム・ポストのような印象操作をすることに何ら現実的な要素はないと思われるのだけど、まあそんなもんでしょうというか何と言うか。

あと、シン・フェインが一貫してanti-Israelだとかいうのは聞き飽きるほど繰り返されてきたプロパガンダで、根拠がゼロというわけでもないのだけれども、中立国アイルランドにおける第二次大戦中の反英武装闘争が、枢軸側との結びつきを生じさせていたという事実と、「植民地主義に対する抵抗」といった文脈を、ろくに検討せず勝手に結び付けているだけで、何と言うか、粗雑なものです。

って、何かとても時間の無駄遣いをしている気になってきた。そもそもロイターの記事の話じゃないし。というかロイターの前にハアレツを見てしまったので、このロイター記事の重要な部分は、ハアレツ記事についてのメモで済んでしまっている。次の記事。

・アルジャジーラ(カタールの)
http://english.aljazeera.net/
英語版には記事がありません……記者会見でマイクは立ってたけど。サイト内検索しても、Gerry AdamsとかSinn Feinでヒットするのは、3月のディシデンツによる英軍基地襲撃事件および警官殺害事件のものだけ。

……と、ここまで見てきて、あとは現状、アダムズとハニヤの会談について、Ynetがガーディアンの記事の「屋根のない牢獄」発言をを引用してヒゲ面のふたりの写真(ロイター)をでかでかと掲示した記事があったり(でも記事の中身はない)、アメリカ合衆国のローカル通信社であるところのAPのバイアスかかりまくりの記事があったりするだけのようなので、記事を調べる作業を終わることに。

そして、「英国政府」の気配がないなあというのが非常に気になって、Google Newsに例の「ブレアの右腕」の名前を投げてみたら、こんなのが出てきた。

No peace without process
Jonathan Powell
Published 09 April 2009
http://www.newstatesman.com/europe/2009/04/northern-ireland-essay

New Statesmanは、完全に「ネット時代」に別れを告げて、ネットでは冒頭の2〜3パラグラフだけを掲載し、「全文を読みたい方は本誌を買ってください。お近くのニューズエイジェントで、£2.95で好評発売中!」ってなことをやっているので、せっかくのパウエルの文章が前置きの部分しか読めないのだけれども、これがまた、アメリカというメガネを通してでないと「国際情勢」は語れないかのようなスタンスとはまったく違った像を見せてくれるという点では非常に興味深かったり。ちょっと引用。3月のディシデンツによる事件について述べたあとで、パウエルは次のように書いている。

Over recent years Northern Ireland has become a place of pilgrimage for people from other conflict zones as far away as the Philippines and the Middle East, just as Northern Ireland politicians used to visit South Africa in the 1990s to see what they could learn from the successful peace deal there. In recent times I have found myself being asked in Pakistan and in the Middle East whether it was indeed true that the Northern Ireland peace process had failed. I replied that it was not dead and could still provide inspiration for the solution of other conflicts, including Palestine. And there is in fact no reason why these pointless murders should lead to a return to the Troubles. Northern Ireland will not fall back into conflict unless we propel it there ourselves by doing something stupid.

近年、北アイルランドは、紛争地の人々にとっての巡礼地になっている。 遠くはフィリピンや中東からも人々が訪れる。ちょうど1990年代に北アイルランドの政治家たちが南アフリカを訪れては、同地での和平が成功したことから学べることはないかと考えていたのと同様である。最近では私自身、パキスタンや中東で、北アイルランドの和平プロセスは失敗したというのは本当ですかと質問されることがあった。その質問に対しては私は、和平プロセスは死んでいないし、パレスチナを含めて各地の紛争の解決にとってインスピレーション源になれると答えた。実際、あれらの意味のない殺人が北アイルランド紛争に逆戻りするきっかけになるなどと考える道理はないのだ。私たちが何か愚行をはたらくことで自分たち自身をその方向にもって行かない限り、北アイルランドは紛争に戻ることはない。


ちなみに、New Statesmanのこの記事についている写真は、ライオット・ポリス対ジェリー・アダムズ。たぶん、2005年のArdoyneのオレンジ・マーチに対する抗議のときのもの。(わずか4年前とは思えない。)

そして、さらに興味深いことに、ロイターの記者ブログに……

April 8th, 2009
Awkward Silence
Posted by: Don Pessin
http://blogs.reuters.com/axismundi/2009/04/08/awkward-silence/

It seemed as though there was an ever so brief lull in conversation Tuesday when Middle East Quartet envoy Tony Blair met Israeli Defence Minister Ehud Barak in Tel Aviv.


うははは、ジェリー・アダムズが中東訪問を開始した火曜日に、テルアビブではトニー・ブレア中東特使とエフード・バラク防衛大臣が会談していた! ロイターの記者さんのブログに、加工していない生の映像(写真撮影のための笑顔と握手から着席まで)が上がっています。ブレアが早口すぎて私にも聞き取れない(この声、聞くだけで拒絶反応が出るというのもある……)。

イスラエルは、ミサイル防衛の実験やってたそうで。(As they walked towards chairs, Barak began to tell Blair that in the hallway he had spoken to reporters about a test of Israel’s Arrow II anti-missile system, which had occurred earlier in the day.)



■おまけ

今年1月のデリーのブラッディ・サンデー記念行進の写真:
http://www.flickr.com/photos/20923094@N04/3245249400/

関心がある方には、最大サイズ(Original)で表示させるのがおすすめ。Solidarity with the people of Gaza. Stop the blockade. のバナーを掲げた人たちが先頭をゆき、後ろに続く人々はアイリッシュ・トリコロールよりむしろパレスチナの旗を掲げている。バナーの次の列(2列目)がシン・フェインの幹部の列(アダムズ、マクギネスしかわからないけど)。ずうっと後方にいくとシン・フェインとは別の団体の旗(具体的に言うとEirigiですが)が視認でき、このほかにサンバーストらしき旗もあるけれど(これは特定の組織が使っているのか、アイリッシュ・ナショナリズムの表徴なのかが弁別困難)、圧倒的にパレスチナの旗が多い。

Bairbre de Brún discusses her recent trip to Gaza:
March 23, 2009
http://www.ardfheis.com/?p=868

今年2月にガザに入ったシンフェイン所属のMEP(欧州議会議員)、Bairbre de Brúnの報告。動画で10分くらい。彼女は欧州議会で非常に強い言葉でイスラエルを非難していたのだけれども、欧州議会議員団の一員としてガザに入った。

動画では、civilian infrastructure(家、学校、商業、病院、省庁、国連施設などを含む)のシステマティックな破壊について語り、特にガザ唯一のセメント工場が破壊されたことについて注目、また、物流がひどく制限されている現状について語り、封鎖の解除が絶対に必要と主張。また、不発弾やWP弾(のウェッジ)などが大量の瓦礫の中に残っている現状では瓦礫を何とかすることもできないことを報告し、一般市民を故意にターゲットとして攻撃した例や、戦闘員と一般市民の区別をつけていなかった例を報告し、国際法に照らしてこの事態の責任を問う必要性を主張。WP使用については、煙幕として使うにしても開けた場所でもなく、また煙幕を張っておいて次にどうするという動きもなかったということを報告、AIやHWRなど国際組織の動きに言及し、国際社会によって何がなされるべきかということを明確に述べている。そして最後に、UNRWAガザのジョン・ギング所長の「これはpro-Israeliとかanti-Israeliという問題ではなく、rule of lawに基づいた基本的人権の問題だ」という言葉を引用して、締めくくっている。


※この記事は

2009年04月09日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

……全文を読む
▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼