ちなみに、herringは「ニシン」のことで、「ヘリンボーン herring bone」という織物もあるくらいに欧米では身近な魚だ。ところで日本においては、「ニシン」は春告魚とも呼ばれるらしい。一方で「春告魚」は地域によってメバルだったりヤマメだったりもして、自然豊かなこの日本の多様性を尊びたい。
さて、近年、英語学習について、次々と新しい発見がなされている。いわく、人間の身体器官を鍛えることによって、英語力が劇的に向上するのだ、という。「だからそれは『英語』じゃなくって『米語』ですってば!」といちいち言いたくなるという、歪んだ形の英語コンプレックス
(もしくは俗に「英国脳」)の持ち主であるどこかのだれかにとっては、まさに朗報といえよう。
どういったものが発見されているか。例えば英語耳。それから、英語脳。英語口と英語舌、また英語喉。
「習うより慣れろ」――五感を駆使しまくったこれらの鍛錬の方法は、古来自然を愛し四季を愛してきた日本人には最適と言わざるを得ないと筆者は考える。なぜなら、これらの新たなメソッドについては書籍出版も立て続けで、そのあまりの盛んさゆえに、紙として消費される樹木の量や輸送トラックによる排出ガスなどの量が、地球温暖化の観点から問題視されるほどだという専門家の指摘もあるほどだ。
英語耳 発音ができるとリスニングができる(CD付き) 松澤 喜好 by G-Tools |
英語脳 ネイティブ脳になる奇跡の音読レッスン 初級編 市橋 敬三 by G-Tools |
英語喉 50のメソッド(CD付) 上川 一秋/ジーナ・ジョージ by G-Tools |
(たとえそれを指摘しているのがバロック音楽の専門家であったとしても、専門家は専門家であるだけでえらいので、専門家の指摘は詩的な気分で拝聴すべきだ。はいちょーですか、とかなんとか言ってみちゃったりなんかしちゃったりして、げはははは。)
そんななか、ひとつだけ注目を浴びていない感覚器官があることにお気づきだろうか。目である。
目を使えば脳も鍛えられるのだから、「英語脳」は「英語目」を前提としているはずである。
目で右脳を鍛える DS速読術 by G-Tools |
そんなときに私が見つけたのが、ゲーム感覚で「英語目」を鍛えてくれるありがたいサイトだ。しかも利用は無料で、回線速度の問題さえクリアしていれば万人に利用可能である。読み込みに多少の時間がかかることが難点といえば難点だろうか。
【ありがたいサイトのキャプチャ画像】
かの「脳トレ」の結果として脳力が向上して地頭力がアップしたことを体感しているという人の話によれば、このサイトのゲームを3度クリアしたころには、「英語」の見え方が変わっていたそうだ。別な言い方をすれば「ゲシュタルト崩壊」ということにもなろうが、何であれ、既存のものをぶっこわして新しい世界観を手に入れるということは、すばらしいことではないか。
こういった訓練を重ねて、英語が「アルファベットの羅列」ではなく「意味を有するかたまり」であることが瞬時に判断できるようになれば、日本人の英語力は格段にアップするに違いない。欧米人の手書きの文字は読めないなどという泣き言はなくなり、President-Electと書くべきところでLとRを間違えてしまうといったとんでもなく恥ずかしい間違いはなくなり、間違いがなくなるから間違いを恐れる心もなくなって、もうネイティヴに "Don't be afraid of making mistakes!" と同情されることもなくなる。誇りを持って堂々と英語を使いこなせる日本人が増える。
このツールを利用した「英語目」の養成による日本人の英語力アップが確認されれば、長年の懸案事項であった小学校英語教育の発展にも寄与するに違いない。大きな期待が寄せられる。
終
(ええと、へーせーにじゅうなんねんだっけ、まあいいか、しがつついたち)
※カッコ内は(談)
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4月1日が過ぎ去った後の追記:
以上、日付にご注意ください。
以下は日付にご注意いただかないほうがむしろよいです。
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※この記事は
2009年04月01日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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