「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


2009年03月12日

Gordon "the Boring" Brown ... worse than Becks *sobs*

2003年には「ビジネスに適している」と評され、トニー・ブレアが退陣するころは、「派手派手しいブレアとは違って落ち着いているから安心できる」とか「信頼できそう」といった感じで受け取られていたと思うが、ついにいろいろとダウンターンで苦悩しているに違いないゴードン・ブラウンに、"boring" の罵倒(これは英国では最悪の罵倒のひとつ)が。AFP BBさんの記事:



原文はこれ(上記の日本語化はかなり上手だと思います):
PM is Britain's dullest speaker: poll
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5h2mb7THzfJnSD19nU7JcK7P8acPA

ブラウンの次が「様」だということに、私は本気でお茶ふいた。「様」が選択肢に入っていてなお……というか最近の「様」は活動拠点が英国外で、メディアでもそんなにあのだらだらした喋りを聞かない、というだけかもしれない。

AFPの記事には、「様」は「コックニー・アクセントが評判が悪い」とあるが、コックニーが一般的に評判が悪いというわけではなく、彼のはひどい、ということだ。たぶん。だってあの人の話の内容って、一生懸命耳を傾けただけの見返り(内容)がないんだもん。音声的にもだらだらしているし、言語的にはセンテンスはだらだらと長いばかり、それに接続詞は変だし。例えば、「そうですね、今日は天気いいじゃないですか、だからピッチ・コンディションも最高だと思うんっすよね、でも自分たち的にはモチベーション的にも高く持ってベストを尽くさなければならないのはいつもと同じで、それは自分たち的にはいつも心がけているんですけど、いつもと同じで、平常心ですね」みたいな感じ。(←発言的には、でっちあげです。)

ケイト・ウィンスレットのも、「英国人がstiff upper lipだから」というのはAFPの記事を書いた人のお遊び(欧州内の定番ジョーク)で、「あのスピーチはひどかった」ということだと思う。だって「私がこの賞を受賞できたのは誰某のおかげです」が平坦に続くだけなんだもん(アントニー・ミンゲラとシドニー・ポラックへの追悼の言葉が埋もれてしまっている)。しかも過剰な感情で。

なお、AFP BBの記事に次のようにあるのは:
ブラウン首相はかつて、スピーチの中で「ポスト新古典主義的内生的成長理論」というフレーズを使ったことがある。


原文では:
Brown once used the phrase "post neo-classical endogenous growth theory" in a speech ...


ブレアは「オクスフォードでございます」なアクセントを覆い隠すエスチャリーで、オクスフォード卒の法律家のくせに小難しい単語も使わず、親しみやすくわかりやすく、リーダーっぽいという印象を定着させるのに非常に成功したのだけれど(それにサポート役のジョン・プレスコットがああだったし)、ブラウンは良くも悪くもそういう「虚飾」の人ではないのかもしれない。

で、「最も優れた話し手」に選ばれたのは、スティーヴン・フライだそうだけど(素晴らしいよね、この人は)、それはバラク・オバマを抑えて、ということだそうです。

この調査を行なったのは、SpinVoxという会社だそうで……待てよ、この会社、音声認識ソフトの会社で、前も変な調査してなかったっけか。

あったあった。

2008年08月02日 SHOCK HORROR!! 「クイーンズ・イングリッシュ」に憧れているのは日本人だけではなかった! およびブラミーについて。
http://nofrills.seesaa.net/article/104032727.html

ということは、SpinVoxのブログに何かあるに違いない。

……あらら、まだ何もない。でもそのうちに何か来るかも。
http://blog.spinvox.com/

と思ったら、プレスリリースのところにあった。
http://www.spinvox.com/brits-bored-by-brown-and-becks..html

ちょっと長いけどリストのところ。これを引用せざるをえないと私に確信させるあるものを、リストの中に見つけたので。
Top five worst public speakers

1. Gordon Brown (20%)
2. David Beckham (14%)
3. Kate Winslet (11%)
4. Chris Moyles (11%)
5. Prince Charles (7%)

SpinVox reveals the top 10 worst ever public speaking moments:

1. George 'Dubya' Bush, "Fool me once", 2002,
(uk.youtube.com/watch?v=eKgPY1adc0A)

2. Delia Smith, "Lets be Avin' you!", 2005,
(uk.youtube.com/watch?v=Z_8JLkwzpd0)

3. Kate Winslet, "Oh, God, who was the other one again?", 2009 Golden Globes,
(uk.youtube.com/watch?v=efz6FtmvhJ8)

4. Judy Finnigan, an unfortunate wardrobe malfunction at the 2000 National TV awards
(uk.youtube.com/watch?v=0apAF7GXPz4&eurl=)

5. Gwyneth Paltrow, sobs at the 2005 Oscar ceremony
(uk.youtube.com/watch?v=SxAqSqJOydw)

6. Halle Berry, tears and screams at the 2002 Oscars ceremony
(uk.youtube.com/watch?v=llgL7mGYVTI)

7. Boris Johnson, 2008 Olympic handover speech
(uk.youtube.com/watch?v=irGlkxiqSQQ)

8. Gerald Ratner, his "Total crap" speech, 2001
(entertainment.timesonline.co.uk/tol/arts_and_entertainment/books/book_extracts/article2701311.ece)

9. Keven Keegan's "I will love it if we beat them" - anti Manchester United rant in 1996
(uk.youtube.com/watch?v=YXpUdBlRZe8)

10. Donald Rumsfeld, "Known unknowns", 2002 ,
(uk.youtube.com/watch?v=_RpSv3HjpEw)


SpinVoxの記事には、「どうしたらboringにならずに話せるか」のtipsも満載。関心がある方はぜひ。

※この記事は

2009年03月12日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 10:37 | TrackBack(0) | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック

【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

……全文を読む
▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼