「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2009年03月10日

北アイルランド、非主流派による事件を報じる英全国紙

AFP BBに、クレイガヴォンの警官射殺事件についての記事があり、記事の内容自体は古いのだけど(警官が搬送先の病院で亡くなったことが発表される前に書かれている)、その付属写真がアントリムの軍基地襲撃事件を報じる英国の全国紙を並べたものだったのでリンク。写真クレジットがLeon Nealさん。この人の、芸術性の高い報道写真はFlickrでも見られます。(私はときどき見ています。)



上のリンク、ぜひクリックして、大きめの写真で見ていただきたいと思います。(AFP BBのアカウントがあればフルスクリーンでも見られるけれど、そこまでしなくてもいいのかもしれない。)

写真に撮影されている新聞は、ロンドンで入手可能な6紙。

一番右(文字通り)はDaily Hate MailまたはDaily HeilまたはComicで、記事見出しは "Return of the IRA Assassins" (IRAの暗殺者が戻ってきた)……っていうか、Real IRAはIRAではありませんと何度言えば、という。しかも写真はその派手な見出しとはまったく関係のない芸能ネタ(フルスクリーンで見ると誰のネタなのかわかるよ。ほんとにどうでもいい)。もうほんとにclassicなComic, 笑うことしかできません。

その下に敷かれている "Return of IRA Terrorism" の見出しは、左上にちょろっと見えるロゴから判断できる通り、(また、フルスクリーン表示で「最大部数です」のキャッチフレーズが確認できるように)デイリー・テレグラフで、テレグラフもReal IRAとIRAの区別についてはレイジーなので、赤頭巾ちゃんご用心。

その下に置かれているのはタイムズで、見出しは "Security Guards stood by as gunmen killed soldiers" (ガンマンが兵士を殺している間、警備員は突っ立っていた)。英国では軍基地の警備は外部に委託してあって(兵士は基地を警備するために訓練されているわけではない、ということで)、その警備の状況があまりにお粗末だ、というのが今回タイムズが見つけた最大のトピックのひとつのようです。(このルパート・マードックの新聞はブレア政権での「何があっても労働党支持」から、「労働党の政策はろくなもんじゃない」にシフトしつつあります。)

その左側に少し見えているのは、ロンドンの地域新聞で最近ロシア人(ノヴァヤ・ガゼータの共同オーナー)がお買い上げで話題になったイヴニング・スタンダード。ブラウン首相が現地入り、ということを一面で伝えています。

その左がガーディアンで、見出しは "'The war is over' - Ulster unites to condemn soldiers' killers" で、これはマーティン・マクギネス(元IRA幹部)の言葉を紹介するもの。基本的には、「労働党の和平プロセス」は正しい、という主張です。(ガーディアンのNIの記者は、基本的にはシンフェインとIRAに特に辛い人なのですが、今回はそういう色があまり感じられない。)

ガーディアンの下にあるのは……これまでに出ていない新聞というとインディペンデントしかないので、インディでしょう。一面トップは別のトピックだったんですね。折り返した下半分に、"Leaders join to condemn kilings in N. Ireland" という見出しの記事があります。この新聞には関心がないので何も書くことがありません。

しかしこうやって見ると、ガーディアンのフォント(新しく作ったもの)の個性がすごいと思います。

※この記事は

2009年03月10日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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