「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


2009年03月08日

北アイルランド、英軍施設に襲撃、兵士2人射殺。(英各メディア記事URLと、トップページのキャプチャ/追記:日本語での報道)

数日前から「テロ警戒レベル引き上げ」とか「英軍は特殊部隊を投入」といった話が出てきていて、はいはいscare mongeringねという雰囲気もありつつ、NIの歴史を考えれば「特殊部隊は選択肢としていくらなんでも」という非常に重苦しいような感じがあったのだが、そういう中で「いやな予感」で終わってほしかったことが現実に起きた。

現地時間、土曜日の夜9時40分ごろ、アントリム州の英軍の駐屯地、Massereene Barracksに、兵士たちが注文した宅配ピザが届けられたときにガンマンが車の中から無差別に発砲してそこにいた人たちに怪我を負わせ、さらに車から出て、地面に倒れていた兵士2人を、射殺した。

殺された兵士たちの名前などはまだ公表されていないようだが、年齢は20代前半で、近々アフガニスタンに送られることになっていたそうだ。

この攻撃の犯行声明はまだ出ておらず、実行したのが誰なのかについてはまだわからない。ガーディアンのヘンリー・マクドナルド(北アイルランド専門の記者)は、非主流派リパブリカン (dissident Republicans) の主要な3組織、すなわちReal IRA, Continuity IRA, Oglaigh na hEireann (<これは「IRA」のゲール語名だが、いわゆる「IRA」、すなわち1997年に停戦したっきり武装活動をしていないProvisional IRAとは別の武装組織で、PIRAからの分派と思われる) のいずれかだろう、と書いている(そして、OhEの可能性が高いと彼は考えている)。他のメディアでは、RIRAかCIRAだろうとの見方だ。

以下、とりあえず記事のクリップ代わりに、各メディアのサイトのキャプチャ。Kwoutを利用しているので、画像内から記事へのリンクがあります。

Sunday Life (the Belfast Telegraph日曜):


the Belfast Telegraph:


ガーディアン:


タイムズ:


BBC UK:


テレグラフはKwoutが使えないので、手動で普通にキャプチャ。記事のURLは画像の下に。



Antrim soldiers shooting: Eyewitness describes terrible aftermath
http://www.telegraph.co.uk/news/uknews/northernireland/4956947/Antrim-soldiers-shooting-Eyewitness-describes-terrible-aftermath.html

Antrim barracks attack: Soldiers' killing was 'mass murder attempt'
http://www.telegraph.co.uk/news/uknews/northernireland/4957277/Antrim-barracks-attack-Soldiers-killing-was-mass-murder-attempt.html

Antrim soldiers shooting: Politicians react
http://www.telegraph.co.uk/news/uknews/northernireland/4956573/Antrim-soldiers-shooting-Politicians-react.html

日本語のニュース@gooニュース:


朝日(→魚拓)は情報が少なく、やや錯綜していた段階のものと思われる。読売(→魚拓)は非常に短い記事だが要点を押さえている(ただし詳しくはない)。共同(→魚拓)は……確かに「事実」なのだけれども、この記事は全体としては変に回転がかかったボールですねっていう感じ(それも、非常に短いのに)。

一方で、毎日新聞の記事はとてもよいです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090308-00000043-mai-int
<北アイルランド>英軍基地で兵士6人死傷 反政府勢力活発
3月8日19時40分配信 毎日新聞

【ロンドン町田幸彦】英国・北アイルランド地方アントリムの英軍基地で7日夜、何者かの銃撃によって兵士2人が死亡、4人が負傷した。地元警察は今月に入り、反政府勢力の不穏な動きが過去10年で最も活発になっていると述べ、英特殊部隊の派遣を要請していた。

英BBC放送などによると、基地正門近くで配達されたピザを兵士らが取りに行った際、2度にわたって機関銃発射の音がしたという。英国防省は犯人が車で乗りつけて逃走したとみている。負傷者の一人は重体。

……ピーター・ロビンソンのコメントを省略……

……北アイルランド紛争についての短い記述を省略……


この字数で特殊部隊の件まで入れたのは問題点がそこにあるという認識があるってことで、これはロイターやBBCなど、また北アイルランドの人々のグループ・ブログ&コメント・サイト、Slugger O'Tooleでの議論と同じです。(テレグラフやタイムズではその点が甘い。)

最後に産経新聞は……今のところ、共同通信の記事を載せてるだけです。


※この記事は

2009年03月08日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 23:30 | TrackBack(0) | todays news from uk/northern ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック

【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

……全文を読む
▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼