「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


2009年01月30日

イラクで話題のアート、その題材は……

Laith al-Amariさんばバグダートを拠点とするアーティストだ。立体作品を専門としているらしい。仕事も早い。

イラクのティクリートで除幕された彼の新作は、今、全世界的に話題だ。

http://www.guardian.co.uk/world/2009/jan/29/bush-shoe-throwing-statue
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/7859444.stm
http://www.nydailynews.com/news/us_world/2009/01/29/2009-01-29_saddams_hometown_unveils_statue_dedicate.html
http://gothamist.com/2009/01/29/shoe_statue_unveiled_in_iraq.php

3番目の、NY Daily Newsの記事は写真がすごい。遠近感が変。

BBC記事から。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/7859444.stm
A sculpture of an enormous bronze-coloured shoe has been erected in Iraq to honour the journalist who threw his shoes at ex-US President George W Bush.
ブロンズ色をした巨大な靴の彫刻が、イラクでお目見えした。ブッシュ大統領(当時)に靴を投げたジャーナリストを讃えるもの。

The sofa-sized artwork was formally unveiled in Tikrit, hometown of late Iraqi ruler Saddam Hussein.
この、ソファくらいの大きさの芸術作品は、サダム・フセイン大統領(故人)の故郷であるティクリートで正式に公開された。

Artist Laith al-Amari insisted it was not a political work, but a "source of pride for all Iraqis".
作者のLaith ai-Amariさんは、これは政治的な作品ではなく「すべてのイラク人にとっての誇りの源泉」だと主張する。

……だ、だめだ。笑えすぎてミスタイプばかりしている。BBCに書かせるな。

ちょっと飛ばして:
About 400 people gathered on Thursday to see the monument unveiled - a shoe on a white pedestal, about 3m (10ft) high, with a poem praising Mr Zaidi at its base, AFP said. There is also a tree sticking out of the shoe.
木曜日の除幕式には400人ほどが詰め掛けた。白い台にのった靴は、高さ3メートルで、(靴を投げたジャーナリストの)ザイディさんを讃える詩が台に彫られている、とAFPは伝えている。また、靴から一本の木が生えてもいる。(→その結果、「茂み bush」が。)

The sculpture stands in the gardens of an Iraqi foundation that looks after children whose parents died in the violence following the US-led invasion.
この彫刻は、米国主導の(<おいおい、BBC、嘘はいかんよ、US-British-ledでしょ)侵攻に続いた暴力で親を亡くした子供たちを育てているイラクの基金(の施設)の庭に設置されている。

The foundation's president, Shaha al-Juburi, said the sculpture was not backed by any political party or organisation.
基金の会長であるシャハ・アル=ジュバリ氏は、この彫刻はいかなる政党や組織の支援も受けていないと述べた。


一方で、靴投げ記者のゼイディさんは、まだ裁判を待っている身です。ご無事だとよいのですが(殴打的な意味で)。

ともあれ、イラクは長く圧政下にあったのだが、そのせいか、「スターリン・ジョーク」的な黒いジョークが浸透しているという。ごくごく狭い範囲内での体験だが、幼少時からSpitting Imageに洗脳されていて、動くものはみな笑いの対象にしてしまっているという、とても気の毒な、私と同世代の英国人の「笑いのセンス sense of humour」と、イラクの人たちのそれとは、かなり似てる感じがして、いろいろと話しやすかった。

でもこれは……すごすぎる。いろいろな意味で。ティクリートだし。
タグ:イラク art

※この記事は

2009年01月30日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 06:50 | TrackBack(0) | voices from iraq | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック

【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

……全文を読む
▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼