Gaza conflict has cost too many lives, says Brown
Nicholas Watt in Sharm el-Sheikh
guardian.co.uk, Sunday 18 January 2009 12.45 GMT
http://www.guardian.co.uk/world/2009/jan/18/gaza-israel-ceasefire-gordon-brown
ブラウンの発言の部分だけ抜粋:
"We are yet to discover the full scale of the appalling suffering," Brown said on an early morning flight to the Egyptian Red Sea resort of Sharm el-Sheikh. "But what is already clear is that too many innocent civilians, including hundreds of children, have been killed during the military offensive."
「このぞっとするような苦難の全体像はまだ見えない段階であるが、既に判明しているのは、数百人の子供を含むあまりに多くの罪のない一般市民が、軍事攻撃の期間中に殺されたということだ」
"Israel must allow full access to humanitarian workers and to relief supplies," he said. "We must also end Gaza's economic isolation by reopening the crossings that link it to the outside world."
「イスラエルは人道支援ワーカーと支援物資への全面的アクセス(自由なアクセス)を許可しなければならない。また、わたしたちはガザとその外の世界をつないでいる検問所を再度開放することによって、ガザの経済的孤立を終わらせねばならない」
むろんこれは「きれいごと」などではない。記事の後半に詳しいが、英国はUNのガザでの活動に対する資金的支援を£30m増額し、ガザ地区への武器輸送をブロックするための支援として紅海にいる英海軍にシナイ半島のあたりをパトロールさせる、といったプランが提示されていることが書かれている。
いずれにせよ、ブラウンの主張は、「人道上の危機」の存在が前提とされ、「経済封鎖」が解除されねばならないという主張である。
本当は、これが英国首脳の口から出てくるのはもっと早くあってほしかった。なぜなら、英国は「対話による紛争解決」を(その実態がどのようなものであれ)主導しているのだから。にもかかわらず、ゴードン・ブラウンが重い腰を上げるまでに、「死者数1,100」とか、「国連学校への攻撃」とか「UNRWAへの攻撃」といったものが必要だったという事実に、私はどこでもドアを入手してベルファストへ急行し、北アイルランド自治政府のファースト・ミニスターと副ファースト・ミニスター(すなわち、1984年にイスラエルでAK47を構えていたピーター・ロビンソンと、1978年から82年までIRAのChief of Staffだったマーティン・マクギネス)に「この情勢をどうご覧になりますか」と突撃インタビューをしたい気分になる。
それでも、ゴードン・ブラウンがこう言明したことはかなり大きいのではないかと思う。英国は、12月28日にフランスとかEUとかが「即時停止を要求する」と言っていた一方で、(首相ではなく)外務大臣が"*supports* an urgent ceasefire and immediate halt to all violence" と言うに留まっていたし、そればかりか、あらゆる意味で単なるお飾りに過ぎない「中東和平特使」のトニー・ブレアは、1月6日に「there was a "basis" for an immediate ceasefire if the supply of arms into Gaza from Egypt was halted (エジプトからガザへの武器供給が止まれば、即時停戦の「基礎」はある) 」などとほざいていたのだ。それと比べれば、ブラウンの今回の発言はずっと踏み込んだ内容で、何よりも、(キャラハン首相の発言をThe Sunが大幅に要約して脚色した言葉ではあるが、「キャラハン首相の考え」として有名になってしまった)"Crisis? What crisis?" めいたことを言っていたイスラエルに対する明確な「No」である。
While Israel says that its war in Gaza is "unavoidable", it also argues there is no humanitarian crisis and it is allowing in sufficient aid.
―― Homeless and terrified, 15,000 seek refuge in UN schools, by Rory McCarthy in Jerusalem, The Guardian, Wednesday 7 January 2009
http://www.guardian.co.uk/world/2009/jan/07/un-schools-gaza-palestine-israel
→当ブログでの言及
タグ:2008年12月ガザ攻撃 英国
※この記事は
2009年01月19日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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