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イスラエル軍によるガザ地区への空からの攻撃は続いている(というか、新たな攻撃が行なわれている)。犠牲者数は各メディアごとにばらつきがあるが、現時点でガーディアンは「死者280人」と出している。ガーディアンに速報を配信しているPress Associationは、「300人に迫る」としている。
現時点でのガーディアンのトップページのキャプチャ(画像内の各記事へのリンクはクリックできます):
攻撃が開始されてすぐの段階で、EUと現在の議長国フランス、それから国連が攻撃の即時停止を求めた一方で、米国は「悪いのはハマス」と言い、英国も米国と歩調を合わせた、とのことで、BBCもガーディアンもだが、タイムズが苛立ちというか怒りを文面ににじませたような記事を出している。
怒らないほうが頭がおかしい。イスラエルは人口密集地にミサイルを撃ち込んでいるのだ。人口密集地からハマスがカッサム・ロケットを撃ってくるから。人口密集地がハマスのミリタントの拠点だから。その都市が、ハマスに味方しているから――くそ、日本はなんでカーティス・ルメイに勲章なんかくれてやったんだ。
December 28, 2008
Britain and US refuse to demand end to Israeli airstrikes on Gaza
Nicola Smith
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/middle_east/article5404545.ece
※以下、徐々に更新しているので適宜読み込みし直してください。
この記事のコメント欄、現時点で12件の投稿があって、米国人が1人「イスラエルはこうするしかない」ということを書いているが、残りは「いいかげんにしろ」という方向だ(トピックずれのものや、コメント投稿者同士でのやりとりを除いて)。その「いいかげんにしろ」がイスラエルに向けられていたり、英国政府に向けられていたりの違いはあるが。
これらのコメントのいくつかの要点だけ日本語にしておく。
ノッティンガムのブレンダンさんは、「このように一般市民を殺すことは糾弾しなければならないというのに、うちらの政府ときたらなんじゃこりゃ。誰に味方するとかではなく、サルコジのような強いリーダーがいてくれればと思う」。
イスラエルのアヴィさんは、「ブラウン首相は『ガザのミリタントに対し、イスラエルへのロケット攻撃をすべてやめるよう要求する』と言った。ガザの『ミリタント』は、ガザの人々に民主的に選挙で選ばれた与党ハマスなのだが」。
米フロリダのマーティさんは、「イスラエルはガザ地区と西岸地区をすべて返還することになっていたのではないか? 西側でそれが実現されると考えた外交関係者はいなかったし、実際に返還などされなかった」。
タンブリッジ・ウェルズのトレヴァーさんは、「英国ってわざわざ外務省持ってる必要があるのだろうか。お問い合わせはワシントンDCへどうぞという録音メッセージだけでよいではないか」。
マンチェスターのジョンさんは、「英国政府は正義を切り捨てた。何という面汚し。カッサム・ロケットと、ガザでの大量殺害とは、まったく釣り合っていない」。
米ニューヨークのトニーさんは、「またもや攻撃を受けた側が攻撃者になっている。数週間前に停戦を破ったのはイスラエルのほうだ。そして今やこの状態……英国も米国も救いようがない」。
(「数週間前に停戦を破ったのはイスラエル」というのは、いつだっけ、11月だったかな、検問所は封鎖しているけれどトンネル経由でガザ地区に武器が運び込まれていてロケット攻撃をしてくるからという理由で、爆撃したことを言っているのだろう。私もそれが念頭にあったので、コンドリーザ・ライスが「停戦を破ったのはハマス」と言ったときにばかばかしくてやっていられなくなった。そもそも「停戦」は名目だけで、「停戦の失効」はガザ地区への総攻撃開始しか意味しなかった。そう考えずにいるほどライスは無能な人ではない。)
さて、タイムズの記事本文だが、注目点は結びのパラグラフ。
Israeli leaders have stepped up their rhetoric against Hamas in recent days, leaving no doubt about their intentions. Gabi Ashkenazi, chief of staff of the Israeli defence forces, said on Thursday: "We will need to use our full force to hit the terrorist infrastructure."
つまり、イスラエルの指導者らの言葉は、この数日でどんどん激しくなってきていて、何をするつもりなのかについて疑問の余地はなくなっていた。イスラエル軍参謀総長のガビ・アシュケナージは木曜日に、「テロリストのインフラを叩くために、全力を用いなければならないだろう」と述べていた。
こういう発言があって、ガザ地区では「日曜日に攻撃開始」という感触が実際にあったらしい。しかし実際には土曜日に開始された。
タイムズの記事本文の概要:
英国と米国は、ガザ地区のハマスの施設を標的としたイスラエルの空爆の停止を求めることを拒否し、欧州の同盟国と対立している。
ブッシュ政権は断続的に中東和平に取り組んできたが、それが今回の攻撃で暴力的な形で終わることになる。
米大統領府は悪いのはハマスであると断定、英国もこれに同調し、死傷者を出さないよう「最大限の自制」を求める一方で、「ミリタント(武装勢力)」がイスラエルに対しロケット砲を撃ちこむのをやめるよう呼びかけた。
EUはこれとは正反対に、「武力行使の即時停止」を求めた。フランス(EU議長国)は「不釣合いな武力 (disproportionate force)」を批判した。
これが記事の大筋で、以下は各論。
米ホワイトハウス報道官、ゴードン・ジョンドロウは、ブッシュ大統領の休暇先のテキサスから、「ハマスはイスラエルに対し継続的にロケット砲で攻撃を行なっている。これを停止しなければ武力行使の停止はない」ということを述べた。
英国政府は、大規模攻撃 (onslaught) についてイスラエルを批判することを拒み、ミリタントのロケット攻撃の停止を求めた。
コンドリーザ・ライス米国務長官は、この攻撃の責任はハマスにある、と述べた。「(ハマスによる)イスラエルに対する度重なるロケット砲および迫撃砲攻撃を、米国は厳しく非難する。そして、停戦を破ったこと、ガザ地区での暴力の再開についての責任はハマスにあるとする (the US holds Hamas responsible ...)」。
英国のブラウン首相は、「ガザ地区からイスラエルに対するミサイル(←「空中を飛行して何かを攻撃するもの」の意味)攻撃 (missile strikes) と、本日のイスラエルの反応に、深い懸念を覚える」と述べた。また、「イスラエル政府の国民を守らねばらならないという感覚は私は理解している。イスラエルはその人道的義務をおわねばならず、2カ国樹立による(中東問題の)解決という長期的な視野に向かうように行動しなければならず、また、一般市民の犠牲を避けるため、できうる範囲ですべてのことをしなければならない」と述べた。
「人道的義務」? ガザ地区封鎖を放置し座視した英国が、ガザ地区封鎖の当事者にどのような「人道的義務」とやらがあると言っているのか。
で、英国とEUはまったく対立しているのだけれど、この期に及んでもまだ、「カルテット」(国連とEUと米国とロシア)の「中東特使」であらせられるトニー・ブレアは出てこない。ガザ地区封鎖に対して何もしなかった「和平の仲介者」は、今ごろは南の島でクリスマス休暇でも取ってるんだろうか。「宗教はそもそもはポジティヴに働きうるものだ」ってイエール大で講演しちゃったりしてるんだから、政治の世界からはさっさと足を洗って、宗教活動家にでもなればいいのに、中途半端なポジションに居座りやがってくそ。北アイルランド和平を達成した英国で「中東特使」ができるのは、北アイルランド和平の当事者だ。それはジョナサン・パウエルかジェリー・アダムズであって、ブレアではない(ブレアは、宗教熱心な点でイアン・ペイズリーのハートをゲットしたのが最大の功績)。
……タイムズの記事から、苛立ちが伝染したもよう。
タイムズ記事から、EUの発言を引いておく。資料的に。
the statement issued on behalf of Javier Solana, the European Union's foreign policy chief:
"I call for an immediate cessation of military actions on both sides," he said.
"The EU has repeatedly condemned rocket attacks against Israel. The current Israeli strikes are inflicting an unacceptable toll on Palestinian civilians and will only worsen the humanitarian crisis."
The French presidency of the EU issued a statement on behalf of the 27-nation bloc:
"The EU condemns the Israeli bombardments as well as rocket attacks from Gaza. It demands that this stops immediately," it said.
Nicolas Sarkozy, the French president:
"strongly condemns the irresponsible provocations which led to this situation as well as the disproportionate use of force". The statement added that he "deplores the heavy civilian losses and expresses his condolence to the innocent victims and their families".
Ban Ki-moon, the United Nations secretary-general:
... he was "deeply alarmed" and appealed for "an immediate halt to all violence".
※この記事は
2008年12月28日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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