「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

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2008年12月17日

"Shock and Awe" - "h" = 靴投げ事件。ただしマジメに、記者の身の安全は心配される。

先日、バグダードを訪問したアメリカ合衆国第43代大統領が、イラクの首相(ということになっている人)と一緒に記者会見をしたときに、会場にいたジャーナリストのMuntadar al-Zaidiさんが靴をぶん投げるということがあったのはみなさんご存知ですね。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/7782422.stm
In the middle of the news conference with Mr Maliki, Iraqi television journalist Muntadar al-Zaidi stood up and shouted "this is a goodbye kiss from the Iraqi people, dog," before hurling a shoe at Mr Bush which narrowly missed him.

Showing the soles of shoes to someone is a sign of contempt in Arab culture.

With his second shoe, which the president also managed to dodge, Mr Zaidi said: "This is for the widows and orphans and all those killed in Iraq."

Mr Zaidi, a correspondent for Cairo-based al-Baghdadiya TV, was then wrestled to the ground by security personnel and hauled away.

記者会見の最中に、ムンタダール・アル=ザイディ記者は立ち上がって「イラク国民からさようならのキスだ、この犬野郎」と叫んで、靴の片方をブッシュ大統領の方に投げた。靴はわずかに枠をそれた。大統領から外れた。

靴の裏を見せることは、アラブの文化では軽蔑のしるしである。

記者はもう片方の靴も投げたが、大統領はそれもなんとか避けた。記者は「イラクで夫を失った女たち、父親を失った子供たちと、殺された人たち全員のために」と言った。

カイロに拠点のあるアル=バグダディヤ・テレビの特派員であるザイディ記者は警備のスタッフに取り押さえられ、場外に連行された。


というわけで、第43代大統領は無傷、ただし右隣にいたペリノ報道官は大統領のボディガードが投げたマイクスタンドのポールが顔面を直撃して見事な青あざ(何というコラテラル・ダメージ)、せっかくの美しいお顔が大変なことに。

一方、カラカスからは誰もが予想していたであろうとおりの反応があり、フィデル・カストロが引退してしまったのが淋しく感じられる。

なんて軽口を言っていられない気分なのは、連行された記者がかなり痛めつけられているという話があるからだ。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/7785338.stm
The brother of the Iraqi journalist who threw his shoes at US President George W Bush has said that the reporter has been beaten in custody.

Muntadar al-Zaidi has allegedly suffered a broken arm, broken ribs and internal bleeding, his older brother, Dargham, told the BBC.

BBCは「中立」を旨としているので(笑)、記事には "It is unclear whether the reporter may have been injured when he was wrestled to the floor at the news conference, or at a later point." とか書いてみちゃったりなんかしちゃったりしている。しかし、警備スタッフが映画の「ターミネーター」か「ロボコップ」並みであったか、記者の肉体年齢が90歳だったとかなら、「靴投げ」の直後に組み伏せられたときに腕と肋骨を骨折し、内出血するほどの怪我をしたのだといわれても、そうかもしれないと思うにせよ、どう見てもそういう感じではない。つまり、本当に彼がそんなひどい怪我を負わされているのなら(イラク軍は「彼の健康状態は良好だ」と言っているらしいが)、警察かムハバラトか(民兵組織上がりの)軍が好き放題にやっているのだろうと結論せざるを得ない。

というわけでめらめらと怒りがたぎってきたみなさん、2003年3月20日にバグダードにShock and Aweだとかぶっこいてたあの [公開見合わせ]  に、Sock and Awe攻撃をぶちかましてやりましょう。

http://www.sockandawe.com/

※このゲームの画面内にはペリノ報道官はいませんので、紳士のみなさんも、あの美人のお顔を傷つける心配はしなくて大丈夫です。

AFP記事によると:
Taking a swipe at Bush: Zaidi-inspired shoe game on Internet
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5jHzW1ib4Yt982Dl7xECKOTbNcz8g
The aim of "Sock and Awe" (www.sockandawe.com), launched by Britain's Alex Tew, is to knock Bush out with a shoe, a feat already attained by 1.4 million players, according to the website Tuesday.

Aptly named after the US "Shock and Awe" military campaign to knock out Iraqi leader Saddam Hussein, the game gives players 30 seconds to aim at a figure of Bush ducking behind a rostrum.

英国人……ははは、とステレオタイプに落とし込んだ笑いで終わるかと思ったら、こいつか!
Tew, 24, drew world attention with his "milliondollarhomepage.com", a website he conceived when 21 to help raise money for his university education by selling off pixels at a dollar a piece.

2005年に、自分のウェブサイトの1ピクセルを1ドルで販売して、大学の学費を捻出した彼ですよ。あの後もいろいろと話題になっていたけど。
http://japan.cnet.com/marketing/story/0,3800080523,20338156,00.htm

頭の回転も仕事も早い人ですね……と、全力で感心しつつ、靴投げに行きましょう。骨折であれ何であれ、記者さんの怪我のご快癒をお祈りしつつ。

(ただし現状、サイトがとても重いです。)

え? ダナ・ペリノ報道官? サロンパスでも貼っておけばいいんじゃないの? アメリカにはないかもしれないけど、サロンパスは。
タグ:イラク

※この記事は

2008年12月17日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 16:20 | Comment(2) | TrackBack(0) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Posted by 消印所沢 at 2008年12月20日 23:56
バラク・オバマとサルコジが地味にじわじわ来ますね、これ……

ラム爺のネオコンビーム@びよびよびよも合わせたい。
http://www.fugafuga.com/bushism/album/rammy_1.html
Posted by nofrills at 2008年12月21日 02:09

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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