「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2008年12月10日

「街角の『イギリス』英語」を音声で聞けるニュースレポート

2000年までに300点ほどを出した丸善の新書、丸善ライブラリーに、大村善勇さんという方が書かれた『街角のイギリス英語』という本がある。1993年に出た本で、周囲の英国滞在経験者の間で「いい本だよね」と話題になった本だ。もちろん私も持っている。新品ではもう入手困難な本だけど、古書店や新古書店の棚では見かけるし、amazon.co.jpのマーケットプレイスでもでも1円で出品されているから、「イギリス英語のほんとのところ」に興味のある人はぜひ読んでみてほしい。

amazon.co.jpの商品ページに掲載されている「BOOK」データベースの内容説明(本の紹介として何かを付け足す必要性を感じないのでコピペ):
「耳から入った英語」を中心に、普通の商社マンが出会った、普通のイギリス英語の一断面をつづる。―ロンドンの地下鉄で駅員が客に向かって叫ぶことばの意味がある日突然わかったこと、イギリス人同僚との会話中に日本人が陥りやすい間違いを指摘されたこと、思いがけない読み方をする地名・人名を数えられたこと等々に、驚いたり、面食らったり。生きいきとしたことばの体験が、本書の中にはあふれている。


さて、9日に英国政府が、2011年からイングランドとウェールズでタバコの販売を規制する(タバコのパッケージを客の目に触れるところに陳列するのを禁止する)と発表した。まずは2011年に大手のスーパーマーケットで、続いて2013年には街角のニューズエージェントでも、パッケージを見せる陳列方法が禁止されるとのこと。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/7771210.stm

この件について、ガーディアンのサイトに映像レポートが上がっているのが、まさに「街角の『イギリス』英語」のサンプル集だ。ただし大村善勇さんが商社マンとしてお仕事する中で耳にしたものより範囲が少し狭い。「街角のニューズエージェントの英語」というのが正確だろう。
http://www.guardian.co.uk/uk/video/2008/dec/09/smoking-newsagents

私も何度か書いているが、事前にどれだけたくさん「きれいな英語」に耳を慣らしていったとしても、現地で話される「英語」は聞き取れないのが標準だ。「イギリス英語」には「標準発音 RP (received pronunciation)」というものがあって、これが教材類で使われていることが多いのだが(これがいわゆる「BBC英語」。王族の英語、つまり「クイーンズ・イングリッシュ」や「キングズ・イングリッシュ」は、微妙にスコットランド風であったりして、RPに近いけれども違う)、「RP」は日本語の「標準語」とは性格が違い、「誰もが聞いてわかる英語」ではあっても「みんなが喋ってるアクセント」ではない。むしろ、ロンドンで買い物などの日常生活の中でそんな「英語」でしゃべってくれる人がいたらラッキーというべきだろう。「近所の店」の店員さんや店主さんは、いわゆる「白人」であってもああいう「上品な英語」を話す階級ではないし(「コックニー」かその系統の「庶民的な」英語の階級。デイヴィッド・ベッカムとかリオ・ファーディナンドとか運転手とか。しかしコックニーさんってどうして声が高い人が多いんだろう)、それ以前に、街角のニューズエイジェント(コーナーショップ)は、インド系やパキスタン系の「移民」のおじさんが経営していることが元から多い。

コーナーショップに限らず、フィッシュ&チップスの店でも、郵便局でも、ケミスト(薬局)でも、あるいはそこらへんの食堂でも、青空市の屋台でも、近所のパブでも、駅でも、バスでも、「RP英語」はめったに聞こえてこない。(特にケミストなんて、具合が悪くなってから行った先で「咳が出て喉が痛くて熱があるんです。下痢ですか、その症状はないです」みたいなやり取りをするわけだから、薬を買う前に何度 Sorry? を繰り返せばいいんだろう、みたいなことは経験したことがある。)

RPに近い「エスチャリー」の英語(少し上品すぎるがトニー・ブレアの首相在任中の英語、映画の『ハリー・ポッター』シリーズの主役級の俳優たちの英語、ヴィクトリア・ベッカムの英語など)はわりとよく聞こえてくるけれども。

ガーディアンのサイトにある映像レポートは、クラークンウェル(「ロンドン中心部」の北端と言ってよい場所)の、複数のコーナーショップのおやじさんにインタビューしたもので、本当の、「ロンドンの街角の『イギリス』英語」がたっぷり詰まっている。話題もわかりやすいから、聞き取ったスクリプトなしで聞き取りの練習をするにはかなりいいんじゃないかなあと思う。
http://www.guardian.co.uk/uk/video/2008/dec/09/smoking-newsagents

最初の15秒間はレポーター(女性、彼女の英語は普通に聞き取りやすい)によるレポート導入。

0:16で1軒目のコーナーショップへ。この店主さんはわりと若め、普通の「イギリス英語」で聞き取りやすい。(RPではないけれど。)

0:31からの2軒目のお店の店主さんは1世代上の人で……「何系」というのがはっきりとはわからないのだけれど、文強勢にメリハリがなくとうとうと流れていく感じの喋り方で(フランス語訛りに似ている)、若干聞き取りづらい。theが「ぜ」と発音される。

0:55からの3軒目の店主さんは、「おやっさん」的なルックスがいい感じの年代で、多少の癖はあるが、かなり聞き取りやすい。

0:10からひとつレポーターの質問が入り、4軒目の店主さんは……わー、私がいたところの近所のコーナーショップがこういうおじさんの店だった。録音の状態のために少し聞き取りづらいけれど、英語としてはそうでもない。でも聞き取りやすいわけではない。

0:32でまた2軒目のおじさん。お顔を見るとアラブ系かもしれない(エジプトとかレバノンとか)。

2:00からはレポーターのまとめ。ここで「インタビューしたお店の人たちは、パッケージを表に出さないことが問題になるのではなく、喫煙する人が減るかもしれないことが問題だと考えていることがわかりました」といったことを述べるので、またreplayして聞き返すと、さっき聞き取れなかったところが聞き取れるかもしれない。

2度繰り返しても5分足らず、ちょっとした空き時間にどうぞ。



関連書籍:
この本↓はいいですよ、ほんとに。
4789011321LIVE from LONDON ナマのイギリス英語を味わう!
ジャパンタイムズ
ジャパンタイムズ 2003-05-09

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なお、「耳を慣らす」とか「知ってる文や単語が、文字ではなく音声でインプットされることに慣れる」といった目的では、あえて「ゆっくり喋ってくれている」教材を使うのも選択肢のひとつです。

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タグ:英語

※この記事は

2008年12月10日

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1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 14:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 英語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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