amazon.co.jpの商品ページに掲載されている「BOOK」データベースの内容説明(本の紹介として何かを付け足す必要性を感じないのでコピペ):
「耳から入った英語」を中心に、普通の商社マンが出会った、普通のイギリス英語の一断面をつづる。―ロンドンの地下鉄で駅員が客に向かって叫ぶことばの意味がある日突然わかったこと、イギリス人同僚との会話中に日本人が陥りやすい間違いを指摘されたこと、思いがけない読み方をする地名・人名を数えられたこと等々に、驚いたり、面食らったり。生きいきとしたことばの体験が、本書の中にはあふれている。
さて、9日に英国政府が、2011年からイングランドとウェールズでタバコの販売を規制する(タバコのパッケージを客の目に触れるところに陳列するのを禁止する)と発表した。まずは2011年に大手のスーパーマーケットで、続いて2013年には街角のニューズエージェントでも、パッケージを見せる陳列方法が禁止されるとのこと。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/7771210.stm
この件について、ガーディアンのサイトに映像レポートが上がっているのが、まさに「街角の『イギリス』英語」のサンプル集だ。ただし大村善勇さんが商社マンとしてお仕事する中で耳にしたものより範囲が少し狭い。「街角のニューズエージェントの英語」というのが正確だろう。
http://www.guardian.co.uk/uk/video/2008/dec/09/smoking-newsagents
私も何度か書いているが、事前にどれだけたくさん「きれいな英語」に耳を慣らしていったとしても、現地で話される「英語」は聞き取れないのが標準だ。「イギリス英語」には「標準発音 RP (received pronunciation)」というものがあって、これが教材類で使われていることが多いのだが(これがいわゆる「BBC英語」。王族の英語、つまり「クイーンズ・イングリッシュ」や「キングズ・イングリッシュ」は、微妙にスコットランド風であったりして、RPに近いけれども違う)、「RP」は日本語の「標準語」とは性格が違い、「誰もが聞いてわかる英語」ではあっても「みんなが喋ってるアクセント」ではない。むしろ、ロンドンで買い物などの日常生活の中でそんな「英語」でしゃべってくれる人がいたらラッキーというべきだろう。「近所の店」の店員さんや店主さんは、いわゆる「白人」であってもああいう「上品な英語」を話す階級ではないし(「コックニー」かその系統の「庶民的な」英語の階級。デイヴィッド・ベッカムとかリオ・ファーディナンドとか運転手とか。しかしコックニーさんってどうして声が高い人が多いんだろう)、それ以前に、街角のニューズエイジェント(コーナーショップ)は、インド系やパキスタン系の「移民」のおじさんが経営していることが元から多い。
コーナーショップに限らず、フィッシュ&チップスの店でも、郵便局でも、ケミスト(薬局)でも、あるいはそこらへんの食堂でも、青空市の屋台でも、近所のパブでも、駅でも、バスでも、「RP英語」はめったに聞こえてこない。(特にケミストなんて、具合が悪くなってから行った先で「咳が出て喉が痛くて熱があるんです。下痢ですか、その症状はないです」みたいなやり取りをするわけだから、薬を買う前に何度 Sorry? を繰り返せばいいんだろう、みたいなことは経験したことがある。)
RPに近い「エスチャリー」の英語(少し上品すぎるがトニー・ブレアの首相在任中の英語、映画の『ハリー・ポッター』シリーズの主役級の俳優たちの英語、ヴィクトリア・ベッカムの英語など)はわりとよく聞こえてくるけれども。
ガーディアンのサイトにある映像レポートは、クラークンウェル(「ロンドン中心部」の北端と言ってよい場所)の、複数のコーナーショップのおやじさんにインタビューしたもので、本当の、「ロンドンの街角の『イギリス』英語」がたっぷり詰まっている。話題もわかりやすいから、聞き取ったスクリプトなしで聞き取りの練習をするにはかなりいいんじゃないかなあと思う。
http://www.guardian.co.uk/uk/video/2008/dec/09/smoking-newsagents
最初の15秒間はレポーター(女性、彼女の英語は普通に聞き取りやすい)によるレポート導入。
0:16で1軒目のコーナーショップへ。この店主さんはわりと若め、普通の「イギリス英語」で聞き取りやすい。(RPではないけれど。)
0:31からの2軒目のお店の店主さんは1世代上の人で……「何系」というのがはっきりとはわからないのだけれど、文強勢にメリハリがなくとうとうと流れていく感じの喋り方で(フランス語訛りに似ている)、若干聞き取りづらい。theが「ぜ」と発音される。
0:55からの3軒目の店主さんは、「おやっさん」的なルックスがいい感じの年代で、多少の癖はあるが、かなり聞き取りやすい。
0:10からひとつレポーターの質問が入り、4軒目の店主さんは……わー、私がいたところの近所のコーナーショップがこういうおじさんの店だった。録音の状態のために少し聞き取りづらいけれど、英語としてはそうでもない。でも聞き取りやすいわけではない。
0:32でまた2軒目のおじさん。お顔を見るとアラブ系かもしれない(エジプトとかレバノンとか)。
2:00からはレポーターのまとめ。ここで「インタビューしたお店の人たちは、パッケージを表に出さないことが問題になるのではなく、喫煙する人が減るかもしれないことが問題だと考えていることがわかりました」といったことを述べるので、またreplayして聞き返すと、さっき聞き取れなかったところが聞き取れるかもしれない。
2度繰り返しても5分足らず、ちょっとした空き時間にどうぞ。
関連書籍:
この本↓はいいですよ、ほんとに。
![]() | LIVE from LONDON ナマのイギリス英語を味わう! ジャパンタイムズ ジャパンタイムズ 2003-05-09 by G-Tools |
なお、「耳を慣らす」とか「知ってる文や単語が、文字ではなく音声でインプットされることに慣れる」といった目的では、あえて「ゆっくり喋ってくれている」教材を使うのも選択肢のひとつです。
| イギリス英語のリスニング[CD]―ゆっくりだから聞きとれる! | |
![]() | クリストファー・ベルトン ディーエイチシー 2007-09 売り上げランキング : 43837 Amazonで詳しく見るby G-Tools |
タグ:英語
※この記事は
2008年12月10日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
【英語の最新記事】
- 英語の冠詞についての優れた本2冊
- 【英語】単数形か、複数形か、それが問題だ(The teamなど「ひとつの集団」の..
- 「誤訳」は「意訳」「超訳」ではないし、「意訳」「超訳」は「誤訳」ではない。(実例..
- 重い話題が続いているので「ダジャレを言うのはだれじゃ」(&文脈とは何か)
- 英語圏お名前苦労譚
- "Go west" と "go south"...「西」か「南」か、英語の慣用句..
- 多読の素材探しに最適なタイミング……ノーベル医学・生理学賞決定のニュース
- 何かを称賛するときの英語の語彙の多さは、実にdopeだ。
- 《The + 比較級 …, the + 比較級 〜》の構文のバリエーションで、最..
- 辞書に載ってないかもしれませんが、政党の役職のChairmanは「幹事長」です。..

![イギリス英語のリスニング[CD]―ゆっくりだから聞きとれる!](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/510iQO2G2rL._SL160_.jpg)






























