BS世界のドキュメンタリー
<シリーズ 和解への模索>
憎しみを越えられるか 〜北アイルランド紛争・対話の旅〜
11月26日 水曜 午後9:10〜10:00
(※この前7:00から天皇杯の試合の中継があるので、天皇杯の試合が延長になったら放送時間が変更になるそうです)
NHK BS1
http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/081126.html
激しく衝突した北アイルランド紛争。30年にわたる相互テロの応酬で3600人以上が亡くなった。10年前の停戦合意を受けてテロは沈静化したが、双方に残した傷跡はいまだ癒えておらず、日常的な傷害事件や暴動は頻発している。都市ベルファストではいまだ、敵対する地区に足を踏み入れたことのない人がほとんどだ。
憎しみや暴力の連鎖は、どうしたら食い止めることが出来るのか。その答えを探るべく、一つの試みが注目を集めている。敵対する武装組織メンバー、テロの加害者、被害者が集まって、共にアイルランドやスコットランドなどを旅して対話を重ねるプロジェクトが2001年から毎年続けられている。
主催したのはNGOの「グレンクリー」。これまでに7回の対話の旅が行われ、約70人が参加した。参加者はこの旅を通じて、過去の憎しみやわだかまりを克服したいと切実に考えている人たちだ。「争いから離れた自然の中では、対立した者同士が胸にしまい込んだ思いを打ち明け始める」
番組では今年、新たなメンバーで行われる旅に同行取材する。加害被害を問わず紛争によって傷ついた人々は、その傷をどのようにいやそうとしているのか、旅の過程で彼らの何が変わってゆくのか。いまだ紛争の後遺症に悩み、それを乗り越えようともがく人々の現実を見つめる。
原題: 憎しみを越えられるか 〜北アイルランド紛争・対話の旅〜
制作: NHK / NHK情報ネットワーク / 千代田ラフト(日本) 2008年
「グレンクリー」は、グレンクリー平和和解センター Glencree Centre for Peace and Reconciliationのことだと思います。アイルランド共和国大使館の「過去のイベント」(下記)など参照。
http://www.ie.emb-japan.go.jp/The%2050th%20Events%20Page%20Nihongo.htm
BS世界のドキュメンタリーの<シリーズ 和解への模索>では、金曜日にも英国・北アイルランド関連の番組があります。ブレア政権の前にNI和平に取り組んだマイケル・アンクラム関連。
BS世界のドキュメンタリー
<シリーズ 和解への模索>
過激派と交渉する男 〜イスラム社会との対話〜
11月11月28日 金曜 午後9:10〜10:00
NHK BS1
http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/081128.html
●マイケル・アンクラム(英国保守党政治家 93-97年北アイルランド担当大臣)
IRAとの対立の糸口を探すために、90年代にIRAとの対話を模索した。その経験を生かし、中東との対話の糸口を探したいとハマスやヒズボラの代表との対話を重ねる。「対話により、お互いの誤解に気づき、妥協点が探れる」と語る。
●アラスター・クルック(コンフリクト・フォーラム設立者)
元イギリス情報部員でEU代表にも籍をおいた人物。9.11同時多発テロ以後、西側と中東との対立が激化しているのを受け、04年12月にNGO「コンフリクト・フォーラム」を設立。西側知識人や外交官を中心にフォーラムを開催し、中東社会への正確な理解と、彼らにテロリストというレッテルを貼ることへの危険性を訴える。主にパレスチナとイスラエルの対立の現場で対話の糸口を探ってきた。
イスラエルがレバノン南部を攻撃した際、ヒズボラの代表と話し合うことにより、紛争を短期間に終わらせる道を模索したことなど、過去の事例に則って具体論を語る。
●マーク・ペリー (クルック氏の片腕 アメリカ支部代表)
コンフリクト・フォーラムの米国支部代表。中東との対立が米政権主導で進められていることから、米政権内部に働きかけ、イスラム過激派=テロリストと位置づける議員らの考え方に変化をもたらそうとしている。
原題: A Way Out of the War on Terror
制作: NPO(オランダ) 2008年
マイケル・アンクラムについては:
http://en.wikipedia.org/wiki/Michael_Ancram
※末尾のExternal linksも参照。
アンクラムはカトリックで、ジョン・メイジャー政権でのNI担当大臣で、1994年のIRA停戦(とそれに続くUDAなどロイヤリスト武装組織の停戦)の立役者です。歴史に「もしも」を持ち込むのはご法度ですが、メイジャー政権でのこの動きがなかったら、1997年のブレア政権下での「和平」の筋道はつけられていたかどうか、というふうに見ることができます。……とか書きつつ、私も単に表面的に「和平への歩み」についての文章を読んだことがあるだけで、そんなによくは知りませんが。
アラスター・クルック (Alastair Crooke) の「コンフリクト・フォーラム」は下記。
http://conflictsforum.org/
マーク・ペリー (Mark Perry) は上記Conflict Forumのサイトに名前が出ています。
以上、取り急ぎ。
※tfjさん、IDコールでお知らせいただき、ありがとうございました。
タグ:北アイルランド
※この記事は
2008年11月26日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
【todays news from uk/northern irelandの最新記事】
- 【訃報】ボビー・ストーリー
- 【訃報】シェイマス・マロン
- 北アイルランド自治議会・政府(ストーモント)、3年ぶりに再起動
- 北アイルランド紛争の死者が1人、増えた。(デリーの暴動でジャーナリスト死亡)
- 今週(2019年3月3〜9日)の北アイルランドからのニュース (2): ブラディ..
- 今週(2019年3月3〜9日)の北アイルランドからのニュース (1): ディシデ..
- 「国家テロ」の真相に光は当てられるのか――パット・フィヌケン殺害事件に関し、英最..
- 北アイルランド、デリーで自動車爆弾が爆発した。The New IRAと見られる。..
- 「そしてわたしは何も言わなかった。この人にどう反応したらよいのかわからなかったか..
- 「新しくなったアイルランドへようこそ」(教皇のアイルランド訪問)