「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

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2008年11月05日

米大統領選開票速報@BBC ---- Change has come to America.

【速報】日本時間13:00
西海岸のカリフォルニア州とワシントン州の結果が出て、バラク・オバマが獲得した選挙人の人数が273で確定、270を上回った時点で、「バラク・オバマ大統領」が決まりました。



米大統領選挙(と議会選挙)の開票が進んでいます。BBC (BBC World news) の開票速報をオンラインで見ることができます。(英国外でも。)
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/us_elections_2008/7700298.stm

ペンシルヴァニアがオバマという当確情報 (?) が出たときのキャプチャ(この女性はコメンテーターです):


動画も音声も、これまで私が見たことのあるBBC Liveとは比較にならんほどスムーズです。まるでテレビで見ているよう。BBCの技術畑ががんばったのでしょう。BBCのスタジオにはジョン・ボルトンが来ています。あと、サイモン・シャーマ(Simon Shama)も。

BBCのキャスターが「UTAH」の読み方が「ユゥタァ」なのか「ユゥトー」なのかわかりませんが、とか言っているのがツボりました。

あ、なんかNYCにエディ・イザードがいてインタビュー受けてる。うは、イザードの次にインタビュー受けてるのはエリカ・ジョング。細かい発言内容まではメモできませんが、「アメリカにとって大きな変化だ」という方向でのコメントです。

※以下、逐次アップデート。

次はコロラドの共和党本部で、共和党の人とBBCの記者とが噛み合わない話をしています(「みなさんコロラドは共和党だっておっしゃいますが、歴史的事実を見れば違うんです、知事はこの20年間民主党でした」など)。共和党の人の苛立ちがうかがえます。スタジオに戻ると、ジョン・ボルトンが「あの記者はクビにすべき、何も知らない。だからメディアのバイアスが」云々とコメント。(「お前が言うか」感に包まれる東京の私……2001年の時点で、トニー・ブレアが労働党だということを知らなかったのは誰でしたっけ。)

ジョン・ボルトン(明らかに劣勢)とサイモン・シャーマ(余裕)のやり取りがおもしろいです。ボルトンが瑣末なところで一生懸命に論陣を張ろうとするのだけど(「ランドスライド」の定義とか)、それを足場にしてもどこにも行き着かないよ。

次に開票速報を見ている病院のロビーの中継。20代かな、子供を膝に抱いたお母さんがインタビューされてるんだけど、なぜこの人をインタビュイーにしたのか……「政治とかよくわかんないんですけどぉ、選挙戦って人格攻撃ばっかりでイヤになっちゃました」とか「あたしには違いとかよくわかりません。どっちにしたって政治家は政治家でしょ」とか。

ロンドン(午前3時半くらいか)ではダウニングストリート前からニック・アシンダーのコメント。今後の英政界のご挨拶予定など。パンチラインは、「(ここ聞き逃したのだけど、保守党か労働党の党大会でキャメロンかブラウンが)今は新人 novice の出る幕ではないという発言がありましたが、まさにアメリカが新人を大統領に選んだらどう出るでしょうか」という感じ。

ここでいったん休憩でBBC World Newsの番組の案内とニュース。このBBCの音楽かっこいいなあ。downtempoな感じで。

スタジオのゲストが交替。顔では誰なのかわかりません。テロップからメモすると、David Frum(ブッシュ大統領のスピーチライターだった人)、Daniella Gibbs Leger (the Vice President for Communications at the Center for American Progress)... ここでなんかpublic relationsの女性が出てきたけど、誰なのか知らないから「この人は共和党支持」ということしかわからない。

ここで中継、ナンシー・ペローシ(民主党)のスピーチ。上院は定数100のうち現状で民主52 (+6)、共和37 (-6) という速報。スピーチの内容は別にメモを取るようなものはないです。

テロップによると、FOXがヴァージニア州はオバマという当確情報を出したそうです。

中継でフェニックス、共和党の本拠地から。これからの予定など。なんか共和党っぽいバンドが演奏しています。

ここでスタジオに戻ってゲストのDaniella Gibbs Legerのコメント。彼女はアフリカン・アメリカンで、話はそっちにいって、別のゲストのコメント。白人男性だけど私には誰なのかわかりません。「オバマは新たなルーズベルトかどうか」の話。ニューディール政策ですね。

……しばらく何もなさそうだからお昼の支度にしようかな、でもあと数分で西海岸の結果が発表されるし、と思ったら、シカゴの中継、記者はジョン・シンプソン。公共の大型スクリーンを見に来ている人々のインタビュー。

2004年の大統領選では、テキスト実況でちょっと見た程度だったと思いますが、空気が張り詰めていて胃が痛くてうはぁという感じだったけど、今回は全体的に「新たな夜明け」ムードです。それは明確に伝わってきます。ここでオハイオのオフィスから、デニス・クシニッチ。「新生アメリカ」な感じのコメント。

新生はしなくてもいいから、国際法は守ろうね、という。

ときに、そろそろ日本のメディアでもObamaのbaに強勢を置いて名前を読んでくれないかなあ。Reaganが大統領になったときに「リーガン」から「レーガン」の読みになったのだけど、同様のタイミングで「バマ」じゃなくて「オマ」になってほしいです。単に耳ざわりなので。

テロップのニュース速報でグルジア関係の何かが出ているののほうが米大統領選より気になりますが、西海岸の結果発表を見たらお昼にする。

カリフォルニアがオバマ、ワシントン州がオバマ、これで270を超えたので、オバマ大統領で決定です。

そのタイミングでのBBC Newsトップページのキャプチャ(クリックで原寸):


13:05、ジョージア州のマーティン・ルーサー・キング牧師ゆかりの施設に集まった人々(アフリカン・アメリカン)が、シカゴの民主党本拠地にバラク・オバマが登場するのを待っています。シカゴの民主党の集会会場は、黒人も白人も集まってスターズ&ストライプスを振り(先日のベルファストでの軍パレードでユニオンジャックが振られているのを見て英国人が「BNPの集会かと」とコメントしていたのを思いだしたり)……おなかすいたけど、オバマの演説まではこのまま見ようっと。

ケニアからの中継。ケニアのどこかわかんないけど (あ、Kogeloというテロップが出た、バラク・オバマのおばあさんがいる村だそうです)、カレン・アレンさんという記者さんの中継で、広場で歌と踊りになってます。

ここで、電話でトレイシー・チャップマン(シンガーソングライター)のコメント。

お。民主党の前に共和党来た。ジョン・マケインが壇上に立ち、「バラク・オバマ」と口にすると、観衆の一部からブーイングが出ますが、マケインは両手を前に出して、それを制止します。そして、「アメリカ人は今日、とてもはっきりと意思を示しました」。

145対333という数値が、テロップで出ています。

「敗戦は私の責任、みなさんの責任ではありません」。「ノーーー」の声に続いて「ジョン・マケイン、ジョン・マケイン」のコール、これでスピーチが少し中断されます。

その後、「支えてくれた家族への感謝」、「サラ・ペイリンへの感謝」(ここで歓声。壇上のペイリン夫妻の姿。この夫婦は美男美女ですねぇ)、スタッフへの感謝、支持者への感謝。

そして「オバマとバイデンの政権」に言及するとまたブーイングが少し。これをまた手で制止し、「プリーズ(やめてください)」。

全体的には、「選挙では彼らと戦いましたが、私たちはみなアメリカ人です」。おお、出た、We never surrender. (アルスターマン!)最後はGod bless Americaで締め。ペイリンのスピーチはないのね。

ジョン・マケインのこのスピーチはあとでテクスト化されてアップされると思います。フェニックスの聴衆は圧倒的に白人、画面に写った群集の中の白人以外の顔は、ラティーノが1人、アジア系が1人。

スタジオでコメンテーターがしゃべっている間に、シカゴのグラント・パークで誰かが壇上でスピーチを始めた映像(誰なのかがわからない)。ここでCulpeperからの中継。アフリカンの人たちへのインタビューですが、インタビューされている人の周りには白人。「40年かかったけどついにやった」という内容。テロップの数字は155対338になりました。

何百年も「アメリカ」という地にいてもなお、「連中は違う」と扱われてきた人たちの「ついに」感にあふれたインタビューです。

スタジオにいるもうひとりのアメリカ人のひげの男性はLarry Sabato教授だそうです。やっとテロップが出た。後はBBCの2人(この季節なので、スタジオの英国人はUKの戦没者追悼の赤いポピーを胸につけています)。

開票の解説を挟んで、西海岸から中継で、ゴア・ヴィダル来た。さすがですな、UKのオーディエンス向けに話を組み立てている。話の内容はいつもと同じですが。

シカゴがなかなか始まらない……私はおなかがすいた……NYCでのパーティ会場の中継。(喜んでいるのはわかるけど、ひょーひょーという声がそろそろウザくなってきた。私はおなかがすいているのです!)とりあえずガーディアンを見に行ってみました。
http://www.guardian.co.uk/


とやっている間に、シカゴで壇上にバラク・オバマとその家族が登場。ふ、ふくだいとうりょうは……? (^^;) あとで別に登場するんだろうけど、この選挙戦でまったく存在感がなかったので(少なくともメディアで見ている範囲では)心配。

スピーチの内容はあとでテクスト化されてアップされるでしょう。「みなが」というところで、人種だけでなく、同性愛者についても言及がありましたが、宗教の違いが出てきてないと思う。

Change has come to America. そして演説のかなりあとのほうで、エイブラハム・リンカーンの引用。

観衆は黒人も白人もいて、ジェシー・ジャクソンもいます。観衆の何人か(特に女性)は目がハートですな。みな、嬉しくてたまらないという顔です。バラク・オバマは髪を少し刈って、ますます精悍な印象です。でも支持者とは違って、観衆の歓声にこたえて笑顔をのぞかせた一瞬をのぞいては、その表情から「嬉しさ」はうかがえません。

「今日の勝利は私たちが求めていた変化ではありません。変化の機会にすぎません」。This is not the change. This is a chance to make the change.

演説がGod bless you. God bless the United States of America. で締めくくられたあとに、副大統領のジョー・バイデンが登場しました。群衆の中にジェシー・ジャクソン、オプラ・ウィンフリー。壇上にオバマ、バイデン両氏の夫人も登場し、拍手にこたえます。次はお子さん、お孫さんたちや……誰なのかわからないけど関係者が登場。ジョン・バイデンのお母さんかな、白髪の高齢の女性。(そういえばジョン・マケインのお母さんも90歳を超えて選挙運動してたなあ。)

BBCはアトランタに飛んで、アフロ・カリビアンの記者が、大学の先生にインタビュー。先生(ドクター・フランクリン……メモしそこなった)はアフリカン・アメリカンの学生たちにかこまれています。

ケニアのKogeloでは、小学校の先生が生徒を引率して、さきほどのスピーチをみんなで聞いていたそうです。「ケニアの息子」としてのバラク・オバマ。

スタジオはブッシュの補佐役(誰だこれ……Trent Duffy, former Press Secretary for GWBだそうです)のコメント。

……お昼にします。おなかがすいた。

演説中の様子のキャプチャ:


祝賀ムードに水をさすつもりはないんですが、オバマのスピーチとそれを取り巻く空気は、個人的に、1997年の英総選挙でのトニー・ブレアを連想させるものでした。今のイラク、アフガニスタンを超えた視野がもっと明確に打ち出されるのは、来年1月20日のあとでしょうが、「人道的介入」主義がどうなるかだけは本当に心配です。イスラエルは、つい先日違法に建設を続けてきた「入植地」への一切の支援を断つと言明していますが、米大統領選挙に「世界的」関心が集まっている日に、6月の停戦以来はじめて、ガザを攻撃しました。ハマスの反撃がすでに伝えられています。
タグ:米国

※この記事は

2008年11月05日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 12:06 | Comment(1) | TrackBack(0) | 雑多に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
サーバメンテに入っちゃって管理画面から更新できないので、コメント欄で。

マケインのスピーチ:
テクスト:
http://www.johnmccain.com/Informing/News/Speeches/6d126e21-5857-40c3-96e2-4f504e27e22c.htm
音声&映像:
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/us_elections_2008/7710025.stm

オバマのスピーチ:
テクスト:
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/us_elections_2008/7710038.stm
音声&映像:
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/us_elections_2008/7710079.stm
オバマのスピーチは既に全文が日本語化されたものが複数ネット上にアップされています。次のエントリの本文をご参照ください。
http://nofrills.seesaa.net/article/109149912.html

ワタシ的には、あらゆる意味で、ジョン・F・ケネディになるなよ、という気持ちがすごく大きくなってきました。
Posted by nofrills at 2008年11月06日 02:13

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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