kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2008年10月29日

「ブリティッシュ・イングリッシュ」の教材と、「UKの英語」の多様性



ALCさんの通信講座で新たに「イギリス英語」のコースが始まったそうです。日本人が英語を話さなければならない「32の場面」と、その場面で必須の「128のKey表現」に特化して構成されている「英会話コエダス」というシリーズの教材の「イギリス英語(ブリティッシュ)」編。

ALCさんの「通信講座の中身を見る・聞く」のページに「英会話コエダス ブリティッシュ」のコーナーがあります。ここで、Week 4とWeek 7の中身が閲覧できます。今から「実用的な英会話」を始めたい、それも米語ではなく英語(British English)でやりたい、という人には非常によい「英会話」の教材ではないかと思います。

教材としては「初心者」向けでパターン練習が主軸ですが、「発音のヒント」としてカタカナに頼っていない(発音記号も使っていないが)ことも含めて、とてもよくできたオーソドックスな教材という印象。ラヴリィなことに、ワインが好きなヴェジタリアンが出てくるし、「遅刻して相手を怒らせてしまったらこう言おう」みたいな実用的コラムもあります(ただし「ごめんねー、ボムスケアで駅が封鎖されてて」というフレーズは見当たらないけど)(←不謹慎と言うなかれ。実際に私はこのフレーズの使い方を聞かされていたし、原体験として、「ロンドンでの言い訳」といったら「ボムスケア」)。

※11月25日まで「開講記念価格」で3,000円ディスカウントされているから、その分で何か英国映画のDVDでも買えば、講座を一通りやり終えたときに、前よりずっと聞き取れるようになっていた、といったことも実感できるかも。(ただしあまりに「庶民」すぎる英語しか出てこないものや、イングランド南部以外が舞台となっている作品では、そんなに簡単に「聞き取れるようになった!」は体験できないかもしれないですね。個人的には、「聞き取り」の実感のためには、低予算映画ではなく、ヒュー・グラントが出てるような商業映画がいいと思います。)

ところで、この通信講座のバナーに使われているのは、ご覧の通り、「タータン」。ちょうど今年はチェック柄が流行ということでそのへんでもタータンを目にすることが多いんですが、これは元々はスコットランドのもの。だから、このバナーを見ると、私の頭の中ではついついスコティッシュ・アクセントが再現されます(むしろ、「コエダス スコティッシュ編」とか「北アイルランド編」があれば買うと思う。笑)。例えばこんなの……

http://uk.youtube.com/watch?v=3v1jmVvF4gM

※これは「ドイツ語」ではありません。「スウェーデン語」でもありません。正直、私は最初の1分を流して聞いて、聞き取れたと自信を持って言えるのは "Anyway, alright" だけです。orz

この動画はあまりに濃いぃと思うので(でもゴードン・ストラカンのインタビューとか、こんな感じだけどね)、ゴードン・ブラウン(スコットランド人)もつけておきます。(単に言語的サンプルとして。発言の内容はここでは問題にしません。)

http://uk.youtube.com/watch?v=lKz-aO6LU8s


なお、トニー・ブレアもスコットランド人ですが、あの人の英語はオックスフォード仕込みのお上品英語を少し崩したエスチャリーで、スコットランドの名残はありませんでした。

ところで聞き取れないといえば北アイルランド。先日の映画『Hunger』でも聞き取りという点ではうははははだったのだけど、サンプルとして、これは……97年かな、映画『ショーシャンクの空に』の年のジェリー・アダムズのインタビュー@米国のチャーリー・ローズ・ショー。

http://uk.youtube.com/watch?v=RrBJ6sgX89Q


これはベルファストのアクセントで、かなり聞き取りやすいサンプル。この人の話は、アクセントとは別に「何を言っているのかわからない」のがデフォルトなので、逆に言語サンプルとして純粋化されるような感じ。ていうか内容を聞いてたら頭に来て "NONSENSE!" と叫びながらpauseボタンを押すまでに7分も持ちません。(^^;)

もう1件、今度はデリーのサンプルとして、マーティン・マクギネス。

http://uk.youtube.com/watch?v=jmtjRlpRlj4

※インタビュアーはジェレミー・パックスマン。「BBCイングリッシュ」です。ときどき2人が同時にしゃべくるもんでうるさくてかなわん。しかしこのインタビューは可笑しいな。マクギネスが鉄壁すぎで。(笑)

アダムズとマクギネスだと違いがわかりづらいかもしれませんが、ほかの例をいろいろ聞いていると、ベルファストよりデリーのほうが聞き取りやすいように感じます。

ウェールズは、一般人(20歳くらいの男性かな)のサンプル。
http://uk.youtube.com/watch?v=kyHdVKJx98U


そんなに「聞き取りが大変」な感じはしません。(ていうかスコットランドとベルファストの後では何を聞いてもクリアに聞こえるかも。)

……というように「ブリティッシュの英語」……と書くと怒られそうな例を出しているので、「UKの英語」と言い換えますが……「UKの英語」とひとくちに言っても、実際にはバラエティーに富んだものです。上には例示していませんが、「イングランド」だけに絞っても、あんなに狭いところで非常に多種多様なアクセントがあります。で、拙著にも書いたとおり、「訛りがあるのは恥ずかしいから標準語を使う」ということはあまり一般的ではなく(オクスフォードやケンブリッジに行けば話は別でしょうが)、ロンドンではジョーディ(東北弁みたいな感じ)とコックニー(江戸弁みたいな感じ)が隣り合っている、ということもあります。

ということで本題は終わりですが、先日のベルファスト・テレグラフにおもしろい記事が出ていたのでそれを紹介しておきます。

Northern Irish accent is 'sexiest in the UK'
By Maureen Coleman
Thursday, 23 October 2008
http://www.belfasttelegraph.co.uk/news/local-national/northern-irish-accent-is-sexiest-in-the-uk-14011189.html

「北アイルランドのアクセントが最もセクシー」というのは誇大広告の気があって、まあ要するに「好きなように書けばいいじゃない」という感じなのですが、ともあれ。

記事によると、最近の調査によると、UKで最も愛されるアクセントとしてJames Nesbitt(動画の坊主頭の男性)が男性で3位、Christine Bleakley(動画の黒髪の女性。金髪の女性は彼女の妹さんで、2人ともベルファストのアクセント)が女性で5位に入ったとのこと。また、この調査では北アイルランドのアクセントが「UKで最もセクシーとみなされている」ということがわかったそうです。

全体的には、UKで最も愛されているのはジョーディ(ガールズ・アラウドの、というかアシュリー・コール夫人のシェリル・コール、およびアント&デック)が1位。(ちょっとびっくりした。個人的に。これは、テレビタレントのパーソナリティが大きいかも。)

このほかに人気があるのは、まさかまさかのブラミーCat Deeleyという女性のタレントさん)、スコティッシュ(Edith Bowmanという女性のタレントさん)、ランカスター(Tess Dalyという女性のタレントさん、Peter Kayという男性のコメディアン、Vernon Kayという男性のタレントさん)、ブリストル(Justin Lee Collinsという男性のタレントさん)。

逆に「情けない」もの(whine)としては、女性ではエイミー・ワインハウス、男性では「様」のコックニー(ははは。リンク先ではリオのコックニーも、運転手さんのコックニーも同時に楽しめます)、「いやなアクセント」としては、他に、コーリーン・ルーニー(ウェイン・ルーニー夫人)のスカウズ(リヴァプール弁)、ゴードン・ブラウンのスコティッシュ(これは完全にパーソナリティというかその人のイメージですな)、リリー・アレンのコックニー、シャーロット・チャーチのウェルシュ。

「最もセクシー」なのは北アイルランド、「最も信頼できる」のはヨークシャー(これも意外)、「最も退屈」なのは……ブラミー。ははは。どうしてこんなにばかにされるんだろう。私は嫌いじゃないです。わりと聞き取りやすいし。(「退屈だ」はUKでは最悪の罵倒になると思います。)

また、英国人は、各地の訛りよりは外国語のほうがよくわかっているとの調査結果にもなったそうで……って、ええええ?と思ったら下記をご参照ください。言語学的に意味のあるようなまともな調査ではないです。(笑)(「外国語」じゃなくて「外来語」でしょ、これらは。)
In the poll of 3,000 people more were able to explain the meaning of wiener (German for sausage) and piazza (Spanish for square) [sic!] than the Liverpudlian word "scran" meaning food and the Cornish expression "oggies", meaning pies.

# piazzaはイタリア語。スペイン語ではplazaですよね。

調査を行なったのは、Travelodgeという会社だそうです。宿泊施設をチェーン展開してる会社ですね。12月と1月は、£19 rooms(21日前までに予約することで割引になる)というのがあるので、その時期の渡英で格安ホテルを探している人は見てみる価値があるかも。
http://www.travelodge.co.uk/

会社のサイトに、「方言ガイド」のコーナーがあります。
http://www.travelodge.co.uk/whats_new/index.php#dialect_guides
Liverpool, London, Newcastle, Lancashire, Ulster, Cornwall, Scotland, Bristol, Yorkshire, The Midlands の方言解説のPDFがダウンロードできますが……何の役に立つんだ、これ。
ulsterlingo.png

やばい、London編の、"Awright mate?" がなぜかツボった。A score = 20 quidってロンドン弁なのか。知らなかった。自分では使わないけどそういうものだと思ってた表現、そうか、ロンドン弁か……。えええー、"Leave it out!" もロンドン弁なのか……(意味は「やめなさい!」)。
タグ:英語

※この記事は

2008年10月29日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 08:00 | Comment(4) | TrackBack(0) | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
・私がロンドン在住になって家庭教師に初めて習ったのは、「買ったテレビが映らないので電気屋に返品を要求する練習」でした。怒って机をたたく練習と、電話したけどらちがあかないので手紙も書く練習、というおまけつきで。あとになってとても有益だと分かりました。
・私が遅刻の言い訳をするならやっぱり、「しぐなる・ふぇいりゃー」(名古屋弁じゃないです!)と「すたっふ・しょーてーじ」です!
・スコティッシュ・アクセント、私もざーっと聞きましたがAnywayとStop itくらいしか分からないです…スコティッシュどころか、ジェイミー・キャラガーの英語も分かりません。
・みんなどうしてそうBritishアクセントを学びたがるんでしょう。実用性なんかまったくないし。私が「自分のはBritishなんだ」と思うのって、アメリカ人に言われる時くらいで、それ以外にまったく影響なしです。
・そういえばRussell BrandとJonahtan Rossの話には触れないので? くだらないですが。
Posted by ヒナキ at 2008年10月31日 21:52
Jonathanの件は、ブックマークのほうにありましたね。すみません。
Posted by ヒナキ at 2008年10月31日 22:41
・私も「怒って机をたたく練習」をしたいです。「電話したけどらちがあかないので、形式はビジネスライクなのだけど怒りが確実に伝わる手紙を書く練習」もしたいです(生徒の立場で)。返金要求のときはおとなしく丁寧な表現ではらちが明かなかったので、"I want my money back!" で先方の態度が一変したことがあります。

ついでなのでイタリアンもどうぞ。
http://uk.youtube.com/watch?v=Q3iAqxNpQ-A

・「しぐなる・ふぇいりゃー」を名古屋弁化すると、「ごめんねー、しぐなる・ふえいりゃーだったもんでどえりゃーおそくなってまった」となります。

・British Englishのニーズというのは、常にあると思います。Britができて得をすることもないけど、困ることもないと思います。耳との相性でいうと、私は米西海岸より米東海岸で、米東海岸よりバーミンガム弁で、バーミンガムより英PR発音です。コックニーはベッカムのは聞き取りやすいんだけど、人によっては全然聞き取れないこともあります。

・ラッセル・ブランドは「おもしろい」と思ったことがありません。といってもBBC Radioで一度聞いただけですが、うるさくて下品なだけだと思いました。顔も嫌いです。コスト的には5秒程度しか使えませんが、ひとこと、今回のことは自業自得です。違法でなければなんでもいいというわけではありません。ジョナサン・ロスはあんまりよく知りませんが、どうでもいいです。BBCはRBのギャラに使っていた分をニュースに回して、BBC Newsのクオリティを3年前の水準に戻すべきです。
Posted by nofrills at 2008年11月01日 11:06
昔のブクマを見ていたらこんなのがありました。BBCのMagazineの記事。

You are what you speak
Wednesday, 28 March 2007, 11:04 GMT
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/magazine/6499797.stm
[quote]
The UK's regional accents are changing - and it's not just the spread of Estuary English behind this shift, but the slang and intonation of Caribbean and Asian voices.
[/quote]
ロンドン東部(コックニー)、イースト・ヨークシャー、デヴォンのお年寄りと若者のスピーチの比較実例(音声ファイル)つきです。コックニーの音声は、若者のはかなりエスチャリーですね。イースト・ヨークシャーはやはり私には厳しい。
Posted by nofrills at 2008年11月01日 19:25

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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