kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2008年09月10日

【特集:航空機爆破計画裁判結果 3】飛行機爆破計画公判の結論、英文報道記事見出し集、あるいは「NYTがGJだ」

なんかわかりづらかったのはUK発の報道しか見てなかったからだ。USのニューヨーク・タイムズがすばらしい見出しを立てているではないか。

No One Convicted of Terror Plot to Bomb Planes
(飛行機爆破テロ計画、誰一人として有罪を宣告されず)

By JOHN F. BURNS and ELAINE SCIOLINO
Published: September 8, 2008
http://www.nytimes.com/2008/09/09/world/europe/09london.html

同じ記事で、系列のインターナショナル・ヘラルド・トリビューンに掲載されたものの見出しは:

No conviction on key charges in liquid-bomb trial in London
(ロンドンでの液体爆弾計画裁判、主要な容疑について有罪宣告なし)

By John F. Burns and Elaine Sciolino
Published: September 9, 2008
http://www.iht.com/articles/2008/09/09/europe/09london.php

はっはっは。

同じ内容の報道が、UKのメディアではどうなるかというと、例えばタイムズ:

Terror mastermind Abdulla Ahmed Ali guilty of airline plot
(テロ首謀者のアブドゥラ・アハメド・アリ、航空機爆破計画で有罪)

  ↓さすがに大胆すぎる誤報だったのか、見出し変更(おそらく、初期報道が混乱していたのではないかと考えられる。エントリ末尾参照)
Terror mastermind Abdulla Ahmed Ali guilty of bombing plot
(テロ首謀者のアブドゥラ・アハメド・アリ、爆破計画で有罪)

http://www.timesonline.co.uk/tol/news/uk/crime/article4707468.ece

※The Timesの変更前の見出しは、Google News UKに残っていた。キャプチャ画像。


タイムズのこの見出しと、一番上のNYTの見出しとを並べてみたときに、これら2つの記事が同じ公判の同じ評決についてのものだと思えるだろうか。

タイムズだけではない。英メディアも、そして通信社も、それらを元にしている世界各国のメディアも同じような調子で「3人に有罪」を報じている。しかし、記事を読む限り、見出しはNYTの「誰も有罪にならず」が最も妥当だと私には思われる。

そして、英国内のメディアでNYTと同様の方向で見出しを立てているのは……有名新聞の報道記事にはない。論説記事にはあるかもしれないけど。

以下、英各メディアの見出しを並べてみる。ついでに通信社のや英国外の英語メディアのも捕捉できたものは貼り付けておく。

今回の評決について、Google Newsを使って各メディアで最も古い記事までさかのぼっているつもりだが、最も古い記事ではないかもしれないし、見落としもあるかもしれない。

BBC:
Three guilty of bomb conspiracy
(3人が爆弾共謀で有罪)
←この見出しが標準形。
Page last updated at 19:11 GMT, Monday, 8 September 2008 20:11 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/7528483.stm
※この見出しから記事を読む人は、「このbomb conspiracy」は「あのbomb conspiracy」(つまりヒースロー空港から搭乗した飛行機をペットボトルの液体爆弾で爆破する、という計画)のことだと想定して読む。だから私のようにわけがわからなくなるのだ。実際には「あのbomb conspiracy」はあったかなかったか不明だが、「何かのbomb conspiracy」はあった、という法的結論になっている。

ガーディアン:
Liquid bomb plot: three guilty of murder conspiracy
(液体爆弾計画:3人が殺人共謀で有罪)

Vikram Dodd
The Guardian, Tuesday September 9 2008
http://www.guardian.co.uk/uk/2008/sep/09/3
※ガーディアンのヴィクラム・ドッドでも見出しはこの程度だ(リード文と本文はさすがドッドなのだが)。NYTの英断が光る。(自分でも、「NYTすばらしい」って書いてることに非常に大きな違和感があるんだが。^^;)

インディペンデント:
'You will be destroyed': Bombers convicted of Heathrow plot
(「おまえは滅ぼされる」:爆破計画犯、ヒースローでの計画で有罪)

  ↑事実とかけ離れた見出し。
By Cahal Milmo, Chief Reporter
Tuesday, 9 September 2008
http://www.independent.co.uk/news/uk/crime/you-will-be-destroyed-bombers-convicted-of-heathrow-plot-923467.html
※現労働党政権べったり支持、テロ容疑者42日間拘留大賛成のタイムズより、さらに過激な見出し。この新聞、化けの皮はがれすぎ。笑。おもしろいから本文をちょっと見ておこうか。
Yesterday, after 56 hours of deliberations and a four-month trial at Woolwich Crown Court, a jury found the three men guilty of conspiracy to murder.

But in a blow to Scotland Yard and the Crown Prosecution Service, none of the alleged conspirators was convicted of a separate murder charge directly linking the liquid bombs to an attempt to blow up aircraft.

で、ここに書かれていることのどこが、"convicted of Heathrow plot" なのだと? "none ... was convicted of a ... murder charge directly linking the liquid bombs to an attempt to blow up aircraft" の "an attempt to blow up aircraft" が "Heathrow plot" なのだから、見出しは "not convicted of Heathrow plot" でしょうに。(以下、しばらく罵倒。)

The Evening Standard (This is London):
Airport bomb plot: three guilty
空港爆弾計画:3人有罪

Justin Davenport, Crime Correspondent
08.09.08
http://www.thisislondon.co.uk/standard/article-23552431-details/Airport+bomb+plot:+three+guilty/article.do

テレグラフ:
Airliner bomb trial: Three British Muslims guilty of conspiracy to murder
(航空機爆弾公判:3人の英国人ムスリム、殺人共謀で有罪)

By Duncan Gardham and Gordon Rayner
Last Updated: 12:53AM BST 09 Sep 2008
http://www.telegraph.co.uk/news/uknews/2706494/Airliner-bomb-trial-Three-British-Muslims-guilty-of-conspiracy-to-murder.html
※テレグラフは関連記事(おそらくは評決の前に草稿はできていたもの)がたくさんあり、それらの見出しが勇ましいです。(でもそれを言うならインディペンデントのほうがもっと勇ましい。化けの皮のはがれっぷりが痛々しくて笑える。)

スコッツマン(スコットランド):
'Liquid bomb' trio guilty over plot to kill hundreds
(「液体爆弾」3人組、数百人を殺す計画をめぐり有罪)

Published Date: 09 September 2008
By Angus Howarth
http://thescotsman.scotsman.com/uk/39Liquid-bomb39-trio-guilty-.4470527.jp
※これが、曖昧さが最も薄い見出しのような気がする。というか正直、すでにゲシュタルト崩壊を通り越していて、何が何なのかさっぱりわからんです。

The Register(オンライン新聞):
Brit trio convicted for liquid bomb terror plot
Conspiracy to commit murder - not bomb planes
(英国人3人、液体爆弾テロ計画で有罪に
殺人共謀で――飛行機爆破ではなく)

By Austin Modine
Published Monday 8th September 2008 23:24 GMT
http://www.theregister.co.uk/2008/09/08/liquid_bomb_terror_plot_verdict/
※オンラインメディアで全然エスタブリッシュトな媒体ではないのだけれども、2行目で「オチをつけている」感じ(いつものことだな)。読者コメント欄は、言語野がやられている状態で読むと頭がおかしくなります。

The First Post(オンラインマガジン):
Jury rejects terror claim in liquid bomb case
(陪審、液体爆弾事件の裁判でテロとの主張を退ける)

http://www.thefirstpost.co.uk/newsdesk,,jury-rejects-terror-plot-claim-in-liquid-bomb-case,43957
※これはNYTの見出しに近い、というかそれを超えている。このThe First Postという媒体は今回初めて見たのだけど、どういうメディアなのかは知りません。Aboutのところを見てもよくわかりませんが、ウィキペディアに解説があります。これを読んでも、具体的にどういうメディアなのかイメージしがたいけど(pro-Christianとアレックス・コッバーンと右翼リバタリアンが同居しているというのがイメージできない)。
http://en.wikipedia.org/wiki/The_First_Post

通信社では、まずAP:
UK jury finds 3 men guilty in bombing plot
(英国陪審団、3人が爆弾計画で有罪との結論)

By DAVID STRINGER AND PAISLEY DODDS
http://ap.google.com/article/ALeqM5hzYSbdEQItmuPWqnPEd35EewBP3wD932Q1RG0

APの同じ記事かな、単にさぼって対照していないのでわかんないけど筆者は同じ。掲載媒体はカナダのラジオ:
Jury says not enough evidence to convict in transatlantic jetliner bomb plot
(陪審、大西洋横断ジェット旅客機爆破計画について有罪とするだけの証拠が不十分と述べる)

By: David Stringer And Paisley Dodds
THE ASSOCIATED PRESS
http://www.cjbk.com/news/56/786067

AP、記事書いてる人の名前が同じだけど上のとは別の記事、というか次の段階の記事で、掲載媒体はオーストラリアのヘラルド・サン:
Dismay as plane terror case falls apart
(航空機テロ計画の裁判、まとまった結論が出ず動揺広がる)

David Stringer and Paisley Dodds
September 10, 2008 12:00am
http://www.news.com.au/heraldsun/story/0,21985,24321442-5012749,00.html
thewest.com.auにも掲載されている記事だが、こっちのほうが見出しがいいので。

PA(掲載媒体はインディペンデントだから、見出しはインディがつけてるのかも):
Three men convicted of airline bomb plot
(3人が航空機爆破計画で有罪)

PA
Monday, 8 September 2008
http://www.independent.co.uk/news/uk/home-news/extremist-found-guilty-of-airline-bomb-plot-923203.html

ロイター通信(掲載媒体は米ABC):
Three Britons Found Guilty in Liquid Bomb Plot
(英国人3人、液体爆弾計画で有罪)

Unclear if They Actually Tried to Pull it Off
(ただし実際に爆発させようとしたのかどうかは不明)
By Luke Baker
September 8, 2008
http://abcnews.go.com/International/wireStory?id=5751863
※2段目は副題。見出しはロイターがつけたのか、ABCがつけたのかわかりません。

英国外。
RTE(アイルランド国営):
Three found guilty of liquid bomb plot
(3人が液体爆弾計画で有罪)

Monday, 8 September 2008 22:15
http://www.rte.ie/news/2008/0908/terror.html
ああ、これはすっきりした良記事だ。見出しはううむ、だけど。(その「液体爆弾計画」が「ヒースロー空港から飛行機に搭乗して実行するはずだった」のかどうかがわからない、という陪審の判断が出ているときに、この見出しは……。)
After a five-month trial, the jury found Abdulla Ahmed Ali, Assad Sarwar and Tanvir Hussain guilty of conspiring to kill persons unknown.

But the jurors were not convinced by the prosecution's case that they planned to target aircraft leaving London's Heathrow airport headed for North America.

The jury failed to reach a verdict in the case of four other defendants and an eighth was cleared on all counts.


The Dawn(パキスタン)
UK court finds three men guilty of bomb conspiracy: Plot to smuggle liquid bombs onto jets
(英国の法廷、3人について爆弾共謀で有罪と判断;ジェット機に液体爆弾を持ち込む計画)

By Our Special Correspondent
http://www.dawn.com/2008/09/09/top10.htm
※この見出しは「誤報」に近い。パキスタンはこの件での当事者みたいなものなのだが(特に、無罪となった被告について)、記事の内容も粗雑だし、あんまり関心高くなかったのかなあ。

シカゴ・トリビューン&ロサンゼルス・タイムズ(米国):
Jury unconvinced of plot to blow up jets over ocean
(陪審、大洋横断ジェット機を爆破するとの計画について確信できず)

By Janet Stobart and Sebastian Rotella | Tribune Newspapers
September 9, 2008
http://www.chicagotribune.com/news/nationworld/chi-britain-terrorsep09,0,6939254.story
※これはいい見出し。なんでUSメディアがこんなに冷静なんだろう。

ときに、テレグラフは「MI5は悪くないもん、ブッシュがせかすから逮捕を急いで証拠が十分固められなかったんだよ」説を展開しているのだけど、その点とこの点を結ぶのはやや危険だな。

The Star(カナダ):
Questions unanswered in U.K. liquid bomb trial(英国の液体爆弾裁判で、疑問は解答を得られていない)
Sep 09, 2008 04:30 AM
Mitch Potter, Europe Bureau
http://www.thestar.com/News/World/article/495687
※これはよく整理された良記事。見出しもよい。

The Herald(アイルランド):
Airline bomb plotters guilty
(航空機爆破計画者、有罪)

http://www.herald.ie/world-news/airline-bomb-plotters-guilty-1472393.html
※スコットランドにも同名の新聞があるが、それとは別らしい。記事はタイムズとかの報道記事の要約で、「今日のニュース一覧」のページにありそうな短いもので別に読む必要もないが、見出しは悪くないというか、私も段々わからなくなってきた。

クリスチャン・サイエンス・モニター(米国):
Transatlantic bomb plot: inconclusive verdict
(大西洋横断爆弾計画:法的判断まとまらず)

The trial, which ended Monday, highlights key differences between US, British counterterrorism approaches.
(月曜に終わった公判で、米国と英国の対テロのアプローチの違いが浮き彫りに)
By Mark Rice-Oxley | Correspondent of The Christian Science Monitor
from the September 10, 2008 edition
http://www.csmonitor.com/2008/0910/p04s01-woeu.html
※CSMはさすがの貫禄ですな。独自のアプローチ。2段目は副題というかリード文です。

南アフリカのインディペンデント:
Liquid bomb acquittal a blow to UK government
(液体爆弾無罪との判断で英政府に衝撃)

September 10 2008 at 06:38AM
By Anna Tomforde
http://www.iol.co.za/index.php?set_id=1&click_id=3&art_id=vn20080910062059384C828123
※acquittalというか、陪審が割れてしまって評決が出なかったのが8人中7人、無罪ではっきり評決が出たのが1人、という状態なので、ややミスリーディングな見出しか。

アルジャジーラ:
Three guilty of plotting UK blasts
(3人が、英国での爆破の計画で有罪)

http://english.aljazeera.net/news/europe/2008/09/200898155731262514.html
AJも見出し変更が確認できる。元は "Three guilty in UK plane bomb plot" だった。


実はタイムズの見出し変更もそうなのだが、これらの形跡からは、初期報道が混乱していたことがうかがわれる(何についての「有罪」なのかがはっきり伝えられていなかったのかもしれない)。



おまけ:
興味深すぎる用語法。
英タイムズで "Terror mastermind Abdulla Ahmed Ali guilty of bombing plot" という見出しで掲載された記事が、アイルランドに渡ってアイリッシュ・インディペンデントに掲載されると、"Terrorist convicted of liquid bomb plot" という見出しになる。(どちらもNico Hinesという記者の記事で、アイリッシュ・インディペンデントの記事末尾に (c) the Timesの表示があるから同一の記事であることは間違いない。)

見出しの字数のルールなどが関連しているのかもしれないが、terroristという語をこういう風に使うことは、現在のUKではほとんど考えられない。(IRAが暴れていたころはあったと思うけど。)



この件についての記事は下記(はてなブックマーク、タグ [air plot verdict] )にまとめてあります。
http://b.hatena.ne.jp/nofrills/air%20plot%20verdict/

※この記事は

2008年09月10日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 20:38 | Comment(1) | TrackBack(0) | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
2時間以上時間をかけて更新してきましたが、この記事は現時点で更新は終了します(誤変換などミスの修正はするかもしれないけど)。

この次にできれば2本、この件についてエントリ立てたいと思っていますが、一休みします。

次の記事ができたら、ここのコメント欄は閉鎖しますが(ややこしいので)、それまで何かあればここにご投稿ください。
Posted by nofrills at 2008年09月10日 23:38

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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