Generals gathered in their masses, just like witches at black masses.
Evil minds that plot destruction, Sorcerers of death's construction.
In the fields are bodies burning, as the war machine keeps turning.
Death and hatred to mankind, poisoning their brainwashed minds, oh lord.
Politicians hide themselves away.
They only started the war.
Why should they go out to fight.
They leave that all to the poor.
Time will tell on their power minds.
Making war just for fun.
Treating people just like pawns in chess.
―― Black Sabbth, "War Pigs" (1971) (→現状30秒だけですが試聴)
BBCが「休戦に合意 (agree on truce)」という言葉を使っているから、戦闘や爆撃はひとまず今日のところは終わったのだろう。BBC Newsにもようやくプーチン首相ではなくメドヴェージェフ大統領の顔写真が出てきて、「ロシアってのはフランスと同様に大統領が国家元首で行政トップのはずなのに、いつのまにイタリアやアイルランド共和国などと同様に大統領は形式的な国家元首で政治トップは首相、ということになったのだろう」と疑問に思っていた私も一安心だ。(<冗談ですが。)
BBCの "Day-by-day: Georgia-Russia crisis" (今日のグルジア・ロシア情勢)のページの、現時点でのキャプチャ。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/7551576.stm

しかしながら、BBC Newsと同時にガーディアンのトップページを見ると、うむむむ、という文言が並んでいる。
※キャプチャ画像内の記事見出しをクリックすると、個別の記事に飛びます。
Surrender or else, Russia tells Georgia, つまり「降伏するか、さもなくば、とロシア、グルジアに告げる」。。。こえぇ。
で、なんかもういろんなところにいろんなことが書かれすぎていて、単に記事の出るタイミングも錯綜していてわけがわからないので、見るところをBBCのDay-by-dayだけにしぼって、11日と12日の事態の推移を。1本にしぼることのリスクは当然あるのですが。
Day-by-day: Georgia-Russia crisis
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/7551576.stm
以下、この記事の内容を箇条書きにします。
MONDAY 11 AUGUST
- ロシア軍、グルジア軍、戦闘継続。ロシア、南オセチアに近いグルジア領内の標的を空爆、トビリシ近くにも、と伝えられる。
- ロシア政府、グルジア政府は自分から戦闘停止 ceasefire を宣言したのに南オセチアの首都(ツヒンバリ)を攻撃している、と非難。
- フランスのベルナール・クシュネール外相を長とする欧州の外交官の一団が、グルジアを訪問し、トビリシでサーカシヴィリ大統領に戦闘停止合意に署名させ、ゴリで被害状況を確認、その後モスクワへ向かい、ロシア政府の説得へ。
(クシュネール外相は元々「国境なき医師団 MSF」の設立者で、後に方針の違いでMSFを離脱して新たに医療NGOを立ち上げた人。政治家としてどうこうというより、現地の被害状況を見る目は、政治しか知らない人よりもあると思います。)
- モスクワでは、クシュネールらが到着する前から「グルジアが南オセチアを爆撃し続けているなかで戦闘停止はありえない」と。
- グルジア側はこれに応じて、ロシアが南オセチアのボーだオを超えてゴリを「制圧した」と主張。しかしモスクワはロシア軍がゴリに入ったということを否定、その後グルジアは「ゴリ制圧」説を撤回したらしい(appears to retract its claims)。
- 一方アブハジアでも緊張が高まっている。ロシア軍が数千人規模でアブハジアに入り、その後グルジア領内に深く入った。その数時間前、グルジア軍に対し、アブハジアに近い地点からの撤退をしなければ攻撃するとの通告があった。
- その後、グルジアはロシア軍がポチ(Poti)の港に入ったと述べたが、ロシアはこれを否定している。(わけわかりませんな。)
- 国連難民高等弁務官事務所では、グルジア領内(含南オセチア)で避難生活を余儀なくされている人たちは10,000人から20,000人と推計。ロシアは、さらに30,000人がロシア領内の北オセチアに避難してきていると述べている。
TUESDAY 12 AUGUST
- グルジアでは、ロシアが大規模攻撃を計画しているのではとの懸念が高まる。グルジア軍は首都トビリシに引き返している。
- 欧州外交官らがロシア政府と交渉、というときに、ゴリに対する爆撃との報告。死亡した数名の中にはオランダのテレビのカメラマンが含まれている。
→オランダの英語メディアで報じられています。オランダの民放RTLの取材班としてゴリに入っており、一緒にいた記者さんは足に負傷。CPJでは、この武力衝突でのジャーナリストの死者は3人と把握。
- 一方アブハジアでは、独立派(親ロシア派)がKodori Gorge地域でグルジア軍に対する作戦の開始を宣言。
- その後、フランスのニコラ・サルコジ大統領との会談を前に、ロシアのドミトリ・メドヴェージェフ大統領が、ロシアの目的は達せられたとしてロシア軍はグルジアでの作戦を終了すると宣言。
- グルジアのミハイル・サーカシヴィリ大統領はトビリシ中心部に集まった人々を前に演説、ロシアの情け容赦ない侵攻 (invasion) を非難。
- その後モスクワでは、メドヴェージェフはサルコジと共同記者会見、ロシアは6項目の和平協定に合意したと述べた。協定の内容は、両サイドが武力の使用をしないことに合意し、すべての兵力を紛争開始前の場所に戻すなど。
- サルコジはトビリシ入りし、サーカシヴィリと共同で、グルジアも戦闘停止を受け入れると宣言。
……これがBBCの「今日の情勢」まとめ記事の今の時点での最新の内容。
クシュネールとかサルコジが出てきているのは、フランスが今のEU議長国だからで、それ以上の意味はないと思うのですが、ガーディアン記事についている写真を見たら、サルコジがあまりにも「ヴァカンス」な顔色をしているのでお茶ふきました。7月に順番が回ってきて議長国になったときは「リスボン条約(EU憲法)」がアイルランド共和国でまさかのNO(笑)となり、それをどう打開するかが手腕の見せ所、ということになっていたはずですが(「地中海連合」発足でアラブ諸国のリーダーを一堂に集めたりもしていますが。アフリカについてはどうなのかな……94年の虐殺をめぐってルワンダとの関係がまた悪化しているみたいだけど)、グルジアとロシアが大規模な軍事衝突ということが発生して、思いがけず「存在感を発揮」しているフランス。
そのフランスの通信社であるAFPは、こんな記事を出している。AFP BB(日本語版)から。
記事の末尾のほうから:
「プーチン首相は決定的な権限を持つ人物として振る舞った。ロシアのグルジア介入の法的根拠を国民に説明した。『ジェノサイド(民族大量虐殺)』の言葉を最初に用いたのもプーチン首相で、その後メドべージェフ大統領も同じ言葉を繰り返した」とし、「プーチン首相が先に公式声明を行ったということが特に重要だ。彼が最初にニュースで取り上げられた」(Lipman氏)
中国からモスクワに戻ったプーチン首相は、肩書きでは上司に当たるメドべージェフ大統領に向かい、グルジア軍によるオセチア住民へのジェノサイド行為について検察当局に調査を要求するよう指示し、大統領は弱々しく合意した。この模様はテレビ中継された。
ロシアが南オセチアを越えて攻撃を展開したことで欧米諸国が動揺するなか、プーチン首相は11日、反欧米的表現をエスカレートさせ、ニュースの見出しを飾った。
……
一方、フランスのニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領が和平案へのロシアの合意を取り付けるためモスクワを訪れた際、舞台の中央にいたのはメドべージェフ大統領で、ロシアには平和的解決の準備があると明言した。プーチン首相の姿はどこにも見られなかった。(c)AFP/Conor Humphries
※この記事は
2008年08月13日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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http://www.guardian.co.uk/world/audio/2008/aug/13/luke.harding.gori.georgia
衛星電話の音声そのままで非常に聞き取りづらいのだけど、内容は、聞き取れた範囲で:
戦闘停止などしていない。13日午前の時点で爆撃は行なわれている。ゴリの街で略奪、強盗などが発生しているが、実行しているのはロシア側(オセチア人、チェチェン人、コサックなど)。スカイTVのkクルーが銃を突きつけられて車を奪われたりしている。昨日より今日のほうが危険になっている。
そして、ロシア側は停戦違反はしていないと主張。