以下、トップページのキャプチャ。その前に、ガーディアンの写真特集(9日付)、13点中5点が「民間人被害」の写真(グルジアでの被害)です。「進む戦車」とかはロシア軍のもののほうが多い。グルジア軍の写真は「戦車」とかじゃなくて「兵士」です。
BBC:
……って、えっ? BBCのキャプチャをkwoutで取ってる間に記事が変わった!URLは同じで上書きされたみたい。
Georgia has withdrawn its forces from the separatist region of South Ossetia, a Georgian official told the BBC.
グルジアは南オセチアから軍を撤退させた。グルジア軍将校がBBCに語った。
上記の写真(男の子を中年の男性が抱きかかえて運んでいるもの)は、記事内の写真キャプションによると、グルジアに攻撃された南オセチアの人のようです(が、私にはキャプション以外に判断材料がありません。後方にえんじ色のインナーの上に迷彩服を着た男の人が立っているのですが、これはロシア軍の人でしょうか)。
ページをロードしたときは下記の写真で、これは昨日もどこかで(BBCじゃなかったかもしれない)見た記憶があります。血を流している女性がグルジア人なのか南オセチア人なのかは、説明がなかったのでよくわからなかったのですが。
テレグラフ:
Telegraph.co.uk: news, business, sport, the Daily Telegraph newspaper, Sunday Telegraph - Telegraph via kwout
ガーディアンの写真特集によると、この写真はゴリで撮影されたもの。ロシアの空爆でアパートが破壊され、少なくとも5人が死んだ現場でのグルジア人の負傷者。(An injured Georgian woman in Gori, where a Russian warplane dropped a bomb on an apartment block, killing at least five people. Photograph: David Mdzinarishvili/Reuters)
タイムズ:
the Timesは、トップページでの写真がサムネイルだけになっていますが(写真のメインは五輪の競泳)、記事に大きな写真があります。
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/europe/article4493970.ece
この写真は、下記のガーディアンのトップページの写真と同じ被害現場を別な角度から撮影したものです。ガーディアンの写真特集によると、撮影地はゴリ。ロシア軍の空爆で亡くなった親戚の遺骸を抱きしめるグルジア人の男性 (A Georgian man cries over the body of his relative after the Gori bombardment. Photograph: Gleb Garanich/Reuters.)
前の記事にも追記したものだけど、ガーディアン:
インディペンデント:
ガーディアンの写真特集によると、この写真はゴリでの撮影 (Wounded woman in Gori. Photograph: Zurab Kurtskidze/EPA.)。写真が小さいと見づらいのですが、この高齢の女性の左手には血がついています。
# メイルがこう書いてる→鵜呑みにするのはまずい、的に(でも英メディアでのプロパガンダ戦争の「わかりやすさ」の最前線はここ。ちょっと間接的なのがBBC、作戦総本部直轄は多分タイムズだけど今日は日曜日なので編集部が違うから何とも)。そもそもこの画像にあるメインの写真(爆撃か砲撃の被害を受けた女性)の枠はFlashで、その日の目玉写真がくるくると表示されるのだけれど、この「戦争報道」の写真のほかは「セレブ」とか「芸能人」とか……こんなの見てたら頭が悪くなる。
ミラー:
http://www.mirror.co.uk/
→もっと大きなキャプチャ画像(重いですよ)
# ミラーも極めて「インタレスティングな」モザイク。Gazzaがトップかよ。飽きない人たち。(笑)
ザ・サン:
http://www.thesun.co.uk/
……は日曜日なので
http://www.newsoftheworld.co.uk/
を見たけど、潔いほど「グルジアでの戦争」と無縁。まさに「東スポ」。というか、トップページがセクシーなおねえさんの写真とサッカー選手の写真ばっかりでキャプチャ画像をとる意味がない。
ほんで、私は忘れもしませんけど、2004年11月のファルージャ総攻撃のときに、こういう「民間人の犠牲」の写真はメイン・ストリーム・メディアには出なかったのですよ。ファルージャの中に「外部の取材者」がいなかったから、被害者の立場からの「報道写真」自体が存在していなかった(軍にエンベッドしていたジャーナリストの写真はいろいろとあった)。事後的に出てきたものはありますが、攻撃が行なわれているまさにそのときの「巻き込まれた一般市民」の写真はなかった。というか、米軍の説明では「一般市民はファルージャからは退避させた」ことになっていた。
比較するとかそういうんじゃなくて、感情として、ひとりの人間の感情として、どうしてもそれを思い出してしまって、それを自分でも「何比較してんだよ」と責めてしまって、どうにもやりきれない。
※この記事は
2008年08月10日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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