「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

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2008年08月10日

グルジア・ロシア軍事衝突、報道メモ [breaking news] グルジア軍が南オセチアから撤退か

昨日までは「戦車の列」とか「砲撃」とか「煙を上げる建物」といったものの写真が多かったと思うのですが、今日は各メディアのトップページに「民間人への被害」の写真が増えてきています。

以下、トップページのキャプチャ。その前に、ガーディアンの写真特集(9日付)、13点中5点が「民間人被害」の写真(グルジアでの被害)です。「進む戦車」とかはロシア軍のもののほうが多い。グルジア軍の写真は「戦車」とかじゃなくて「兵士」です。

BBC:

……って、えっ? BBCのキャプチャをkwoutで取ってる間に記事が変わった!URLは同じで上書きされたみたい。
Georgia has withdrawn its forces from the separatist region of South Ossetia, a Georgian official told the BBC.

グルジアは南オセチアから軍を撤退させた。グルジア軍将校がBBCに語った。

上記の写真(男の子を中年の男性が抱きかかえて運んでいるもの)は、記事内の写真キャプションによると、グルジアに攻撃された南オセチアの人のようです(が、私にはキャプション以外に判断材料がありません。後方にえんじ色のインナーの上に迷彩服を着た男の人が立っているのですが、これはロシア軍の人でしょうか)。

ページをロードしたときは下記の写真で、これは昨日もどこかで(BBCじゃなかったかもしれない)見た記憶があります。血を流している女性がグルジア人なのか南オセチア人なのかは、説明がなかったのでよくわからなかったのですが。
bbc-geor.jpg


テレグラフ:


ガーディアンの写真特集によると、この写真はゴリで撮影されたもの。ロシアの空爆でアパートが破壊され、少なくとも5人が死んだ現場でのグルジア人の負傷者。(An injured Georgian woman in Gori, where a Russian warplane dropped a bomb on an apartment block, killing at least five people. Photograph: David Mdzinarishvili/Reuters)

タイムズ:

the Timesは、トップページでの写真がサムネイルだけになっていますが(写真のメインは五輪の競泳)、記事に大きな写真があります。
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/europe/article4493970.ece

この写真は、下記のガーディアンのトップページの写真と同じ被害現場を別な角度から撮影したものです。ガーディアンの写真特集によると、撮影地はゴリ。ロシア軍の空爆で亡くなった親戚の遺骸を抱きしめるグルジア人の男性 (A Georgian man cries over the body of his relative after the Gori bombardment. Photograph: Gleb Garanich/Reuters.)

前の記事にも追記したものだけど、ガーディアン:


インディペンデント:

ガーディアンの写真特集によると、この写真はゴリでの撮影 (Wounded woman in Gori. Photograph: Zurab Kurtskidze/EPA.)。写真が小さいと見づらいのですが、この高齢の女性の左手には血がついています。

The Comic デイリー・メイル:

# メイルがこう書いてる→鵜呑みにするのはまずい、的に(でも英メディアでのプロパガンダ戦争の「わかりやすさ」の最前線はここ。ちょっと間接的なのがBBC、作戦総本部直轄は多分タイムズだけど今日は日曜日なので編集部が違うから何とも)。そもそもこの画像にあるメインの写真(爆撃か砲撃の被害を受けた女性)の枠はFlashで、その日の目玉写真がくるくると表示されるのだけれど、この「戦争報道」の写真のほかは「セレブ」とか「芸能人」とか……こんなの見てたら頭が悪くなる。

ミラー:
http://www.mirror.co.uk/
mirror-s.png
もっと大きなキャプチャ画像(重いですよ)
# ミラーも極めて「インタレスティングな」モザイク。Gazzaがトップかよ。飽きない人たち。(笑)

ザ・サン:
http://www.thesun.co.uk/
……は日曜日なので
http://www.newsoftheworld.co.uk/
を見たけど、潔いほど「グルジアでの戦争」と無縁。まさに「東スポ」。というか、トップページがセクシーなおねえさんの写真とサッカー選手の写真ばっかりでキャプチャ画像をとる意味がない。

ほんで、私は忘れもしませんけど、2004年11月のファルージャ総攻撃のときに、こういう「民間人の犠牲」の写真はメイン・ストリーム・メディアには出なかったのですよ。ファルージャの中に「外部の取材者」がいなかったから、被害者の立場からの「報道写真」自体が存在していなかった(軍にエンベッドしていたジャーナリストの写真はいろいろとあった)。事後的に出てきたものはありますが、攻撃が行なわれているまさにそのときの「巻き込まれた一般市民」の写真はなかった。というか、米軍の説明では「一般市民はファルージャからは退避させた」ことになっていた。

比較するとかそういうんじゃなくて、感情として、ひとりの人間の感情として、どうしてもそれを思い出してしまって、それを自分でも「何比較してんだよ」と責めてしまって、どうにもやりきれない。

※この記事は

2008年08月10日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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