kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2008年08月09日

このままではグルジアとロシアが全面的軍事衝突に……

(以下、眠いんで、日本語壊れてて、書いてることも不正確さの度合いが大きめですが、そこはご容赦。)

日本のニュースはどうせ「五輪開幕」一色だろうと思って見てないからどのくらい報道されてるのかわかんないけど、24時間か36時間前くらいからグルジア(とても大雑把にとらえると親米・親EU)から「分離独立」を求めている南オセチア自治州(とても大雑把にとらえると親ロシア)とグルジアが交戦状態になって少なくとも15人の一般市民が死んだと報じられ、これは一触即発と思っていたところに、BBCのトップページが「特別大きなニュース」のレイアウトになり、「ロシアの戦車が南オセチアに入った (Russian tanks enter South Ossetia)」ことが報じられているので、とりあえず、kwoutで画面キャプチャしておいた。記事はキャプチャ画像からリンクされてます。



オリンピック開幕したというのに、軍事衝突は……。

UPDATE@9日午前4時半(日本時間):
BBCトップページが……


「事実上の戦争状態」、「死者数数百人」と報じられています。
Georgia: Russia enters into 'war' in South Ossetia
Hundreds of people are reported dead after Russian forces responded to a Georgian attack on rebels in the breakaway province of South Ossetia by mounting a full scale invasion.

http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/europe/georgia/2525400/Georgia-Russia-enters-into-war-in-South-Ossetia.html

テレグラフのこの記事についているビデオによると、プーチン(北京滞在中)は「グルジアが先に攻撃してきた」といい、グルジア側は「ロシアが先に侵略してきた」といい、というように真っ向から対立。ただし、後述するガーディアン記事によると、ロンドンの専門家は「グルジア側の作戦だ」との見方。

追記@10日朝:
情勢進展にともなって、ガーディアンのキャプチャ。画像内でクリックすることで記事に飛びます。


以下追記@9日午前3時(日本時間):
これほんとまずい。

Georgia calls back troops from Iraq amid fighting
39 minutes ago
http://ap.google.com/article/ALeqM5jwj5KvzdRJa2ggWIjLezjIMDwOrgD92E83680

グルジアがイラクに派遣している軍を呼び戻した。
"One brigade of Georgian forces is in Iraq and we are calling it home tomorrow," Saakashvili said in the interview.

グルジア軍でイラクにいるのは現在2,000人ほどで、ロイター報道によると呼び戻すのは1,000人。基礎データとしては、グルジアは人口440万人で、兵役に適しているのは827,000人ほど、軍の現在の兵力は28,666人。

現時点ではワースト・ケース・シナリオとしてはNATOの軍事介入ということもありえなくはないと思うのだけど、北京で五輪でウキウキしてるブッシュは:

Bush backs Georgia's territorial integrity
Fri Aug 8, 2008 1:59pm EDT
http://www.reuters.com/article/politicsNews/idUSL811953420080808
BEIJING (Reuters) - President George W. Bush pledged U.S. support for Georgia's territorial integrity and has been updated regularly on the crisis involving Russia in Georgia's breakaway region of South Ossetia, the White House said on Saturday.

"I want to reiterate on his behalf that the United States supports Georgia's territorial integrity and we call for an immediate ceasefire," White House spokeswoman Dana Perino said in a statement in Beijing where Bush was attending the Olympics.

"We urge all parties, Georgians, South Ossetians and Russians, to de-escalate the tension and avoid conflict," she said.


タイムズやテレグラフはどなたか他の方が見ておられるだろうから、ガーディアンの分析記事。

Analysis: Georgia's decision to shell Tskhinvali could prove 'reckless'
David Hearst and James Orr
guardian.co.uk, Friday August 08 2008 17:05 BST
http://www.guardian.co.uk/world/2008/aug/08/russia.georgia1

【概要】
コーカサスで勃発してきた数多くの紛争は、いずれも、最初の一発を撃ったのは誰かを特定することが困難なものであった。南オセチアがグルジアからの自治を最初に勝ち取った1992年以降ずっと、南オセチアとグルジアは断続的交戦状態にあった。しかしこの10年間の衝突といえばごく小規模なもので、しばらくの間はついに和平がもたらされたかに見えていた。

しかし今日用いられた武器は――戦車やMRL、戦闘機は――、この戦闘をいつものものとは質的に違うものにしている。

グルジア情勢の専門家は、南オセチアを再度グルジアの支配下に置くための作戦は、事前に計画された軍事攻撃の特徴を有している、ということにほとんど疑いを抱いていない。

これは、その前の晩に停戦が破られたことの結果ではない。というより、グルジアのサーカシビリ大統領の約束、失われた国家の領土を回復するという約束が果たされている、ということだ。

攻撃のタイミングは故意に五輪開幕に合わせたものであるように見える。五輪開幕で、ロシアのプーチン首相が北京に赴いているからだ。

the Institute for War and Peace Reporting所属で、この地域の専門家であるTom de Waal氏は次のように述べる。「確かに、両方の側でいろいろと起きていましたが、これは明らかに、グルジアの側で計画された作戦、しばらくの間持っていた非常事態計画です。目的は(南オセチアの首都である)ツヒンバリを奪還することです。おそらくグルジア側は、プーチンが北京にいる隙をついて2日間で首都を押さえ、その後2ヶ月間にわたって防衛する、と計算したのではないでしょうか。ロシアが黙って見ているはずはありませんから。」

グルジアが、プーチンが五輪に行っているためにロシアが動けないだろうと計算していたとしたら、その観測はほどなく打ち破られたことになるが。

数時間のうちにロシアのメドヴェージェフ大統領はクレムリンで安全保障委員会を招集し、the 58th Russian armyの部隊にツヒンバリを奪還の命令を出した。メドヴェージェフ大統領は軍事面では経験が少なく、他に選択肢はなかった。

ツヒンバリおよびその周辺の75,000人の住民の多くは、現在、ロシアの市民権を取得し、ロシアのパスポートを持ちロシアでの定住権を持っている。

南オセチアの分離派が合流したがっている北オセチアは、正式にはロシア連邦の一部である。グルジア人が南オセチアを自国の領土と見なしている一方で、オセチアはその主張に真っ向から反対している。

それは現在の専横的なロシア政権の時代より前に始まったものだが、それでもそれが、この小さな地域とロシア連邦という母船とのつながりをつけている。

the Royal United Services Institute (Rusi) のJonathan Eyal氏は、ロシアとグルジアの全面戦争になれば「共産主義の終焉以降、欧州では最悪の危機」になりうると警告する。

彼はツヒンバリを砲撃するというグルジアの決定には、ロシア人に恥をかかせてやろうという目論見があるのだと述べる。「明らかに、これはグルジア側が計算した賭けです。南オセチアにはおそらくロシア軍には1000人程度の兵力しかない。そこを制圧することができたら、ロシアに恥をかかせることができるし、勝利として盛大に歌い上げることができる。また、西側を外交面で巻き込むこともできる。制圧していたらそうなっていたでしょう。」

Eyal氏は、グルジアがロシアと難しい関係にあることについて、西側の大国にはかなりの共感がある、と述べる。また、グルジアは大国によって故意に引き起こされている分離主義運動の「戦略的混乱」で苦しんでいるのだ、と言う。

しかしながら、メドヴェージェフ大統領が影響力を確立しようと躍起になっているときにロシアを挑発することは、非常にリスキーなことだと警告する。グルジアがこのように公然とロシア軍に攻撃を仕掛けているときに、ロシアは黙って見ていることはできないのだ、と彼は言う。

「ロシア人にはグルジアで全面戦争をすることはできないとして、ロシアを挑発する勢力があります。個人的には私はその手には乗りませんが……プーチンはこのような形で公然と辱めを受けていられないでしょう。ロシアが黙って見ているとは考えられないのです。」

「帰結としては、停戦が交渉されるか、仲介が始まるか、あるいは全面戦争になるか、しか考えられません。」

Eyal氏は、グルジアが南オセチアを攻撃したことで、世界各国から賛否両論が出るだろうと述べる。確かにグルジアは「自らが罪をなすよりも多く、他者の罪のわりを食ってきた」との感じがあるが、大統領の行動には大きな疑問がある、と述べる。

「全面戦争になれば、西側はつらい立場になる。この危機は、共産主義の終焉以降、欧州で最悪の危機になるかもしれません。ユーゴスラビアの戦争よりひどいものになるかもしれない。というのは、昔ながらの東西の対決の要素を含んでいるからです。」

「米国や英国など、西側政府の間にはグルジアへの同情が非常に色濃くあります。ロシアが特定の戦略的目標をもって分離主義運動を煽ってきたことは明らかです。しかし、今回のグルジアの大統領の無定見な行動には、かなりのフラストレーションがあります。」


ガーディアンでこれだから、タイムズやテレグラフはもっと勇ましくなっているかもしれないし、テレグラフはこういうときは案外冷静かもしれない(退役軍人や軍関係者がよく読む新聞だから、紙面が「軍事新聞」になる)。

と思ってテレグラフ見てみたら、こんなん出てますけど。

Georgia conflict: Roar of war as jets fill the air
Dispatch from South Ossetia: Georgia and Russia at war over breakaway region, hundreds dead.
By Adrian Blomfield in Gori
Last Updated: 7:55PM BST 08 Aug 2008
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/europe/georgia/2525094/Georgia-conflict-Roar-of-war-as-jets-fill-the-air.html

Goriってどこ……Gori is a city in eastern Georgia, which serves as the regional capital of Shida Kartli and the center of the homonymous administrative district. なるほど。現地に記者入れてるのか、テレグラフ。でももう眠いし吐きそう(昼間暑かったから)。ちょっとだけ読んでみましたが、やっぱり「軍事新聞」です。「ロシア機だ!と若い兵士が叫ぶ」みたいな内容。こんなありえない時間に読む記事ではないのですみませんが。



追記@10日朝:
2008.8.9 22:59の産経新聞の記事がコンパクトにまとまっています。
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/080809/erp0808092304014-n1.htm

書き出しの1段落:
ロシアの軍事介入を招いて戦闘が激化している南オセチア紛争は、国際社会の注目が集まる北京五輪開催に合わせて、グルジアのサーカシビリ政権が欧米諸国の支援を見越し、独立状態にある同自治州再統一の賭けに出たものとの見方が出ている。米政府は「暴力の即時停止」を呼びかけているが、親欧米であるグルジアを後押しする米国の姿勢はカフカス地方で米露間の覇権争いの色彩も帯びることになり、事態はさらに複雑化する恐れもある。


ただ惜しいのは、この「〜との見方が出ている」についてのサポート(具体的にだれがそういう見方をしているのか、など)がこの記事には一切ないこと。

その点を除いては、グルジアとロシアの関係について、グルジアの軍拡について(ただしそもそもロシア軍にはかなうはずもない)、欧米(米国とEU)とグルジアとの関係についてなど、2分もあれば読める長さで、要点をしっかりまとめてくれていて、概要把握にはよい記事だと思います。

あと、ガーディアンの記事についてたビデオだと思うけど(URL控えてないんですが、記事が大量すぎてもうわけわかんない orz...)、今回の動きの発端は2月、コソヴォの独立をEUが承認したことがコーカサスにも波及していた、という指摘がありました。たぶん現地の人の分析(UKの英語でしゃべってたけど、英国人記者なのか、英国で勉強していたことがある現地の人なのかなどビデオで解説がないのでわからなかった)。それと、グルジア側が攻撃したのがロシアのピースキーパー(平和維持軍)だった、という指摘も。(名目だけかもしれないけれども)平和維持軍を攻撃なんてことはあまり考えられないわけで(しかも相手ロシアって)、よほどの楽天家か、ニセの情報をつかまされたか……単に「米欧のバックアップを期待して冒険に出た」だけではないように思えます。(<これ、記事全体を読んで感じたこと。記事のURLを控えておくべきだった……)

とくれば、これは、オセチア、アブハジアといったグルジアつながりで終わる話ではなくなるかもしれない。今のところそういう話は一切聞こえてこないので、私の頭の中にぷかぷか浮かんでいる固有名詞については書くのを控えますが。

※この記事は

2008年08月09日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 02:43 | Comment(2) | TrackBack(0) | 雑多に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
よくコメントくださっている「消印所沢」さんのサイトで、グルジアとロシアの軍事衝突についての特集ページ:
http://mltr.ganriki.net/unc0001g.html

背景・経緯など、一読して把握しやすいようにまとめられています。
Posted by nofrills at 2008年08月10日 12:34
後継のエントリを書きました。
http://nofrills.seesaa.net/article/104508705.html

このエントリへの誤訳のご指摘などがあるといけないので、もうしばらくコメント欄をオープンにしておきますが、事態の進展などについてのコメントは、後継のエントリ(上記URL)のほうにお願いいたします。
Posted by nofrills at 2008年08月10日 14:37

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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